最優秀者に遠藤克彦建築研究所 新庁舎設計プロポ 今週中にも契約を締結(大子町)

[2018/6/14 茨城版]
 大子町は13日、新庁舎建設設計業務に係る公募型プロポーザルの審査結果を公表し、最優秀提案者に遠藤克彦建築研究所(東京都品川区)を選定した。同者とは今週中にも契約を結び、30-31年度の2カ年で設計をまとめる。工事は来年9月議会後に着手し、33年4月の供用開始を目指す。

 プロポーザルは、一級建築士事務所の登録業者などを参加資格として3月に開始。1次審査となる参加表明書は16者が提出し、2次審査では15者から業務実施方針と特定テーマに対する提案が提出された。これらを審査した結果、6者から3次審査のプレゼンテーションとヒアリングが行われ、新庁舎建設設計業務プロポーザル選定委員会(委員長=松岡拓公雄亜細亜大学都市創造学部都市創造学科教授)で最優秀提案者と次点の優秀者(ナスカ)を選定した。最優秀提案者とは、契約上限額を税込み1億8400万円として今週中にも契約を結ぶ。

 この事業は、既存施設の老朽化や耐震性などから計画した。本年1月には、検討委員会から答申を受けて新庁舎建設の基本構想・基本計画内の建設地として、本庁舎西側町有地(約8000平方m)を選定した。プロポーザルで指定された建設規模は、延べ約4500平方m程度を想定。概算総事業費は23~26億円を見込んでいる。

 最優秀者として選定された遠藤克彦建築研究所の提案は、町や広場と庁舎が川沿いの土地に溶け込み、町民の生活や活動が町からそのまま吸い込まれて行くような開放的でダイナミックなプランニングや考え方、設計プロセスの提案を高く評価した。行政窓口など大きく包みこんだ町民のための空間や、開放できる位置にある議場、自由に配置が編成できる点が魅力的で、将来の対応を可能にしていると判断された。

 一方、今後の検討課題には、メインフロアと大階段によるアクセスを含めた広場との連携が高齢者にきつい印象があるほか、外観側面の巨大なルーバーによる被膜デザインは、地域の伝統的な板倉構法にヒントを得た点がすばらしいとしながら、断面が過大であるためメンテナンス性や耐候性などを指摘。この発想を内部で活用することなど、外部のダブルスキンの素材の更なる検討が必要になるとした。

 また、地場産木材の活用をさらに考え、そのモデルとなり町を将来支えるくらいの木材利用事業となることを目指してほしいものの、構造部分のコスト高などの懸念も指摘した。しかし、町民との対話の中で、これらの課題を乗り越えた先にある力強い構成の建築が、まちのイメージリーダーとして牽引していく魅力があることから、最優秀に選定された。

 提案のあった作品全体の評価では、各者共通していたのは場所の特性を読み込み、細長い土地の形状や高低差などを上手く生かしているとしたほか、町民との対話を前提として町と密に連携していく設計プロセスの提案も積極的だと評価。加えて、地元林業の活用で内外装や構造と様々な場面での設計への提案があり、中には林業育成にまで及ぶ町の将来まで見据えた提案もあるなど、どの案もそれぞれに特徴があった。

 契約締結後は、基本設計を来年1月ごろをめどに策定したあとただちに実施設計に着手し、来年9月までにまとめる。着工は9月議会後の10月を予定し、33年3月に竣工、4月からの供用開始を予定している。

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