高速鉄道の整備など 「新しい茨城づくり」へ 36項目を要望(県の中央要望)

[2018/6/22 茨城版]
 県は、31年度の「国の施策及び予算に関する提案・要望」(中央要望)を取りまとめ、20日に都道府県会館(東京都千代田区)で本県選出の国会議員に説明した。今回の要望は、昨年12月に策定した「新しい茨城づくり」政策ビジョンに基づき、「活力があり、県民が日本一幸せな県」の実現に向けた取り組みを推進するうえで必要となる政策・制度の創設など全体で36項目を盛り込み、このうち10項目を重点要望に位置付けた。重点要望は、治水事業や緊急輸送道路整備、津波高潮対策の推進をはじめ高速道路や鉄道、港湾の整備などを登載。鉄道はTXや地下鉄8号線の延伸をはじめ、国が進める「地方創生回廊」構想で太平洋沿岸地域を縦断する高速鉄道の整備を要望する。

 中央要望は、国の施策および来年度予算編成にあたり、予算措置や政策・制度の創設・改正など県の要望を盛り込むために実施するもの。毎年、概算要求前の6月に関係省庁へ要望書を提出し、予算編成前の11月にも再確認のために再度要望している。

 中央省庁への要望に先立ち、20日には本県選出の国会議員に対し、大井川和彦知事や山岡恒夫県議会議長、小野寺俊副知事、および各部局長らが提案・要望の内容を説明。意見を求めるとともに、その実現に向けて支援や協力を要請した。

 今回の要望内容を見ると、項目数は新規2項目、一部新規5項目を含む計36項目。このうち重点要望は、「新しい豊かさ」で地方創生の推進や再生可能エネルギー促進にかかる配慮など、「新しい安心安全」で医師確保対策と災害に強い県土づくり、「新しい人財育成」でICT教育の環境整備支援と少子化対策の充実、「新しい夢・希望」で国際政策の取り組みと広域交通ネットワークの整備の10項目となる。

 このうち、再生可能エネルギー促進にかかる配慮では太陽光発電施設の事業者に撤去・処分費用の積立などを義務付ける法制度の創設や、設計などの基準、施工・管理などにかかる基準の明確化、固定価格買取制度にかかる自治体への情報提供制度の拡充を求める。

 災害に強い県土づくりでは、県内の国管理河川の整備推進や県管理河川の整備にかかる予算の確保、社会資本整備総合交付金(復興)の必要十分な予算の確保、原子力防災対策の継続的な充実強化を盛り込んだ。

 広域交通ネットワークの整備については、圏央道の4車線化および坂東PA(仮称)の整備推進、東関道水戸線の全線開通の早期実現をはじめ、高速道路を補完する国道6号、新4号国道など直轄国道の整備推進を求める。

 さらに、茨城空港のCIQ(出入国手続き)体制の強化や茨城港常陸那珂工区・鹿島港における岸壁や防波堤の早期整備、広域鉄道ネットワークの整備・強化を要望する。鉄道についてはTXの延伸や地下鉄8号線の延伸に加え、地方創生回廊の東日本大震災被災地域への拡大を盛り込んだ。

 この「地方創生回廊」構想は、リニア中央新幹線など幹線鉄道や高速道路などの交通ネットワークを活用し、北から南まで地方と地方をむすび、全国を一つの経済圏に統合することで地方創生の礎とするもの。今回は被災地復興の観点で、首都圏から太平洋沿岸地域を縦断する高速鉄道を整備することにより、被災地の復興および地方創生につなげていくよう求める。

 重点要望以外の主な要望内容を見ると、新たな「食料・農業・農村基本計画」の推進で農業農村整備事業を計画的に推進していくため31年度の事業実施に必要な予算を確保することや、霞ヶ浦・北浦、涸沼に係る総合的な環境保全対策の充実強化で高度処理型浄化槽の設置に必要な予算の確保や単独処理浄化槽からの転換を促進するための支援制度の拡充などを盛り込んでいる。

 被災地の復旧・復興では、復興交付金の予算確保や社会資本整備総合交付金(復興)などの地方財政措置を継続して復興財源を確保するとともに、引き続き防災・減災対策を推進するため緊急防災・減災事業債の恒久化や対象事業の拡大を要望する。関東・東北豪雨災害でも、鬼怒川のハード対策の推進などを求める。

 以下、要望項目は次の通り。

【新しい豊かさへのチャレンジ】

▽地方創生の推進について
▽宇宙ベンチャー等が活動しやすい環境づくりについて
▽大強度陽子加速器施設「J-PARC」の整備推進等について
▽電源地域の振興について
▽新たな「食料・農業・農村基本計画」の推進について
▽地球温暖化対策の充実と地域社会と共生した再生可能エネルギーの導入推進について
▽霞ヶ浦・北浦、涸沼に係る総合的な環境保全対策の充実強化について
▽働き方改革の実現に向けた取り組みについて
▽地方分権改革の推進について

【新しい安心安全へのチャレンジ】

▽医師及び看護師等の確保対策について
▽医療保険制度の見直しについて
▽介護保険制度の見直し等について
▽旧優生保護法に基づき実施された優生手術に関する救済措置について
▽地域公共交通維持確保に向けた取り組みについて
▽安全・安心を実感できる「いばらき」の確立について
▽治水事業の推進について
▽原子力災害について
▽被災地における復旧・復興について
▽関東・東北豪雨災害からの復旧・復興について
▽神栖市におけるヒ素汚染対策について

【新しい人財育成へのチャレンジ】

▽未来を担うたくましい人づくりについて
▽小・中学校及び義務教育学校の適正配置等について
▽少子化対策の充実について

【新しい夢・希望へのチャレンジ】

▽日本の成長を支える国際政策の取り組みについて
▽国際交渉について
▽知的対流拠点としての「世界のつくば」にふさわしいまちづくりについて
▽DMO構築による観光地域づくり推進体制の強化に向けた支援の充実について
▽国民体育大会及び全国障害者スポーツ大会の開催に向けた財政支援等について
▽高規格幹線道路ネットワークの早期構築等について
▽都市鉄道ネットワークの強化について
▽地方創生回廊の東日本大震災被災地域への拡大と、被災地復興に向けた高速鉄道の整備について
▽我が国の国際競争力を牽引する港湾の整備について
▽茨城空港について
▽鹿島臨海工業地帯の強靭化及び競争力強化について
▽広域連携(FIT)による県北地域の振興について
▽ダム事業の推進について

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