海岸堤防の嵩上げ進む 鹿行地区県内調査 前川親水護岸など視察(県議会土木企業委)

[2018/7/4 茨城版]
 県議会土木企業委員会(下路健次郎委員長)は6月28日、鹿行地区の県内調査を実施した。県潮来土木事務所や鉾田工事事務所、鹿島港湾事務所、および鹿行水道事務所から事業の説明を受け、進捗状況を確認した。鉾田市の大洋海岸では津波高潮対策事業の施工状況などを確認し、潮来市の前川では津軽河岸跡の親水護岸工事を調査。鹿行水道事務所では、鹿島浄水場の非常用自家発電設備などを視察した。

 調査はまず、鉾田市の上幡木地区海岸で津波高潮対策事業の進捗状況を確認した。津波高潮対策事業は、現況の堤防高が低い区間で津波や高潮の被害から後背地を守るため、東日本大震災の復興事業として県土木部と農林水産部が分担し、堤防の嵩上げ工事を進めている。

 鉾田工事事務所の管内は、旭海岸(延長約8.5km)、鉾田海岸(同4.6km)、大洋海岸(同7.1km)の全体延長約20.3kmの海岸を有する。大洋海岸については、汲上地内から上幡木地内まで延長4.2kmで津波高潮対策事業を実施しており、これまでに延長ベースで90%となる3.8kmの工事が完了している。

 今回は、その最も南側の上幡木地区で工事の状況を調査した。上幡木地区海岸は工事延長が1533mで、このうちの1294mの堤防嵩上工事を実施するとともに、付帯施設工として坂路工2カ所、階段工4カ所を実施している。堤防嵩上工事は既存の堤防に1m嵩上げすることで、計画堤防高の海抜+6mを確保する。現在は、29年度の繰越分で発注した坂路工2カ所を施工している。

 鹿島港湾事務所は、鹿島港外港地区整備事業を説明した。ばら積み貨物船の大型化に対応するためマイナス14mの大水深岸壁を有する外港地区を整備しており、岸壁は震災のあと港湾計画の一部を見直して耐震強化岸壁としている。

 岸壁は25年度にマイナス13mの暫定水深で供用を開始しており、現在はマイナス14mへの増深のための浚渫工事や、静穏度向上のための南防波堤の整備を行っている。また、関連施設として1.9haの貯炭場(コールセンター)が6月に、指定可燃物倉庫が8月に稼動予定と説明を受けた。

 潮来土木事務所はまず、都市計画道路宮中・佐田線(主要地方道茨城鹿島線)の状況を説明した。この路線は鹿嶋市を南北に縦断し、国道51号と国道124号を結ぶ主要な幹線道路で、鹿嶋市宮中から佐田まで延長1955mで計画する。

 平成4年度に事業着手し、震災以降は復興予算を活用して重点的に整備を進め、このうち宮中地内から旧国道124号(鹿嶋市道0104号線)まで、暫定供用区間639mを含む1412mを供用。本年度は下塙橋の残る2車線分の橋梁上部工事をはじめ、29年度に着手した佐田工区の地盤改良工事、用地補償、埋蔵文化財調査を実施する。

 水戸神栖線の鰐川橋も、復興事業で耐震補強工事を実施している。この路線は第1次緊急輸送道路として県の地域防災計画に位置付けられ、鰐川橋は北浦と外浪逆浦をつなぐ鰐川を渡河する橋梁となる。

 橋長は297m、幅員22/13mの4車線で、下部工の形式は逆T式の橋台2基と橋脚4基。25年度から耐震補強事業に着手して橋脚のコンクリート巻立や落橋防止装置の設置などの工事を実施していて、29年度末の進捗率は約80%となっている。

 一級河川前川の水辺空間づくり河川整備事業では、29年度に完成した津軽河岸跡の親水護岸を視察した。前川では、水郷潮来のまちづくりと融合した水辺空間づくりとして、23年度に県と潮来市が共同で「前川かわまちづくり計画」を作成し、県は川沿いの階段護岸や遊歩道、修景護岸の整備を進めている。

 28年度からは津軽河岸跡の親水護岸の整備を進め、29年度に完了した。この場所では今後、潮来市が津軽河岸跡再生整備として石蔵を利用したカフェや広場の整備が進められることとなっている。また水辺空間づくり河川整備事業としては、下流から順次修景護岸の整備を進めていく。

 企業局鹿行水道事務所は、鹿島工業用水道の配水管布設(耐震化)工事と鹿島浄水場の非常用自家発電設備などを説明した。管路耐震化(更新)事業は、震災で浄水施設や管路などに大きな被害を受けたことを踏まえ、24年度に策定した「管路更新事業化計画」に基づいて36年度までの期間で管路の耐震化を進めている。

 計画延長は上水が22.6km(目標耐震化率54.1%)、工水が49.5km(同63.5%)で、事業費は上水45億9000万円、工水212億9000万円を想定。29年度末で上水の10.6kmと工水の9.2kmを施工しており、本年度は28億8700万円の予算で口径2000mmの管路布設工事や、設計・調査を実施する。

 自家発電設備は、震災時に停電によってほとんどの浄水場で断水を余儀なくされた教訓を踏まえ、那珂川浄水場や鹿島浄水場など給水の停止が社会的に深刻な影響を及ぼす浄水場で導入している。いずれもガスタービンによる非常用発電設備で、24年度に那珂川浄水場、26年度に水海道浄水場と東町取水場に整備。鹿島浄水場では、24年度から25年度にかけて整備した。

 発電機は3500キロボルトアンペア1台で、発電機棟を設けてその中に設置。あわせて、A重油100立方mを収める地下燃料タンクを整備し、事業費に約6億7700万円を投じた。

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