9月に入札で工事発注 4者で協定書を締結 来年4月までに分院新築と本院改修(鹿行南部地区病院再編)

[2018/7/10 茨城版]
 神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合に向けて4日、関係者(恩賜財団済生会、労働者健康安全機構、県、神栖市)の間で基本合意書に関する協定書を締結した。統合の時期は31年4月1日とし、済生会が労災病院の所在地に整備する分院は同日付で運営を開始する。現在は、6月から分院新築と本院改修の設計を開始している状況で、スケジュールによると9月にも新築・改修工事を発注して着工する見通し。なお本院の増築に関しては、統合後できる限り早期に検討に着手することも盛り込まれた。

 この協定書は、29年8月8日に締結された「神栖済生会病院と鹿島労災病院の再編統合に係る基本合意書」で別途協議することとされていた事項について合意するもの。再編統合協議会の議論を経て3月末に文案は固まっていたが、済生会で承認権限のある評議員会が6月28日に開催されたことから、この時期の締結となった。

 協定書の主な内容は、統合の時期を31年4月1日とし、済生会が労災病院の所在地に整備する分院は同日付けで運営を開始する。労災病院が保有する器具・備品などのうち、済生会病院が希望する機器については移譲する。

 また労災病院の職員のうち、済生会病院での勤務希望者は原則採用する。県や神栖市は、30年度の分院建設などに要する経費に対して県は4分の1相当(1億7200万円)、神栖市は3分の1相当(2億3000万円)を上限に補助する。

 両病院をめぐっては、鹿島労災病院で医師が大量に退職するなど鹿行南部地域内の救急医療提供体制が崩壊している状況にあったことから、両病院をはじめ神栖市や県医師会などの関係者に学識経験者を加えた検討委員会を立ち上げて協議を重ねてきた。

 その結果、鹿島労災病院と神栖済生会病院を統合したうえで済生会が運営することとし、新病院は神栖済生会病院に設置する案を採用した。この案は神栖済生会病院を改修して本院に、解体した鹿島労災病院跡地を診療所に利用するもので、概算事業費は約68億円から約74億円を想定。内訳は新病院に約51億円、老健施設に約15億円のほか、診療所が無床で2億円から有床で7.6億円まで幅を持たせていた。

 この基本構想に基づき、両病院と県、神栖市に県医師会の代表者も加えて再編統合協議会を組織し、「統合に係る方針の決定」と「新病院の基本構想の策定」などを協議。その結果、恩賜財団済生会、労働者健康安全機構、県、神栖市の4者間で合意が成立し、29年8月に基本合意書を締結していた。

 基本構想によると、本院(新病院)は神栖済生会病院を増築して整備し、両病院それぞれの診療科を引き継ぐ。病床数は、現在の179床とあわせて350床程度を目指すとしているが、実際には今後の医療政策や患者受療動向の変化、医師や看護婦など職員確保の状況などを総合的に判断して決定する。

 鹿島労災病院の跡地には、分院(診療所)を開設する。診療科は内科と外科、整形外科、小児科などの設置を目指し、また有床診療所として比較的軽症の患者の短期間の入院診療を行う。このほか高齢者向けの介護福祉施設についても、神栖市の介護保険事業計画の策定にあわせて、必要な施設の整備を今後検討していく。

 現在は31年4月1日の再編統合に向けて、分院の新築や本院の改修、鹿島労災病院から神栖済生会病院への医師や看護師などの移籍、大学への医師派遣要請などの作業を進めている。今後のスケジュールは、8月にかけて分院新築・本院改修の設計を策定して、9月に工事を発注して着工する。31年3月31日には鹿島労災病院を廃止して翌4月1日に両病院を統合し、分院を開院する。

 なお、済生会は統合後速やかに本院の179床を稼動するとともに、出来る限り早期に病床数350床程度の本院(増築)の整備に向けた検討に着手するものとする。その整備計画や財政支援などについては、県や神栖市と済生会が別途協議して決定するとしている。

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