研究棟・実験棟を更新 内水面支場の機能強化 2カ年で総事業費8億円(県漁政課)

[2018/9/27 茨城版]
 県は9月補正予算案に、水産試験場内水面支場研究機能強化事業として3億1401万円を計上するとともに、31年度末を有効期限とする基金を新たに造成し、国からの交付金4億0100万円を積み立てる。チョウザメ養殖といった新たなニーズに対応した研究を行うほか、ワカサギやシジミ、アユなどの既存の試験研究を発展・展開するため、行方市にある内水面支場の研究棟と魚類飼育実験棟を更新する事業で、備品購入まで含めた総事業費は8億0170万円を見込む。このあと本年度は基本設計や実施設計などを策定し、31年度に本体工事を行って2カ年で事業を完了させる。

 本県は全国第2位の面積を有する霞ヶ浦北浦のほか、汽水性の涸沼をはじめとする湖沼、さらには那珂川や久慈川など大小210余の河川があり、豊かな水資源に恵まれている。古くから漁業が盛んに行われており、29年の統計で全国第4位の内水面漁業生産量を誇る。

 これら内水面水産業を将来にわたり持続的に発展させるため、水産試験場の内水面支場では資源管理方策や魚病研究、養殖・増殖技術開発、漁場環境の保全、在来有用魚種の食害など、各種の調査研究を進めている。

 その一方、本県内水面水産業の「成長産業化の実現」や「チョウザメ養殖などの新たな産業の創出」を図るには、現施設では高度化する研究手法や新たな研究ニーズヘの対応が困難な状況にある。このため県は、地方創生拠点整備交付金を活用して基金の造成を行い、2カ年で研究棟や魚類飼育実験棟の施設を整備して研究機能の強化を図る。

 整備計画によると、研究棟は重量鉄骨造2階建でとし、内部に執務室や精密処理室、分子生物学実験室などを整備する。これにより、分析解析、魚病検査、分子生物学的解析の専用区域を設け、精密な分析が実施できるようにする。

 また、魚類飼育実験棟は重量鉄骨造平屋建ての建物に大型水槽や中小型水槽、水槽実験ゾーンなどを設置する。水槽は多様な飼育試験に対応できるよう、試験に応じて大型・中小型水槽の自由なレイアウトが可能となるようにする。

 全体計画は、地盤調査を30年度に1000万円、設計などを30年度4580万円と31年度20万円の計4600万円、建築工事を30年度2億5200万円、31年度3億7800万円の計6億3000万円、監理委託費を30年度628万円、31年度942万円の計1570万円と見込む。

 今回の地方創生拠点整備交付金は、29年度の国補正予算で予算措置し30年度に繰り越されている。予算額は600億円で、国と地方で2分の1ずつを負担することから、事業費ベースは1200億円となる。

 対象となるのは、生産性革命に向けて地方版総合戦略に位置付けられ、地方公共団体が自主的・主体的に実施する先導的な事業に必要な施設の新設・改修について支援する。第2回募集の際に制度要綱が一部改正され、地方公共団体は基金を造成することで、複数年度にわたる事業を行うことが認められた。

 第2回募集は6月21日に申請を締め切り、県は水産試験場内水面支場研究機能強化事業を申請して8月31日に交付が決定された。総事業費8億0170万円の2分の1を地方創生拠点整備交付金で、残り2分の1を県が負担する。

 国からの交付金は31年度分まで一括で交付されるため、今回新たに地方創生拠点整備基金を造成し、4億0100万円積み立てる。31年度事業分の4億8762万円は別途、31年度当初予算に計上する。

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