千波・大場の改築検討 市民センター総合管理計画 20年毎に改修を実施(水戸市)

[2018/9/29 茨城版]
 水戸市はこのほど、市民センター総合管理計画を策定した。長寿命化型改修を進め、施設の計画的な改修と予防保全型による維持管理で建物の躯体部分を長期間使用し、ライフサイクルコストの低減を図る。目標耐用年数は80年に設定し、20年ごとに計画的に改修して80年目に改築するほか、建築年数が30年以上経過している施設は老朽化が進んでいるため60年使用に向けた改修を行う。また、「千波」と「大場」の両市民センターは、改築の方向で検討する。計画期間は、長寿命化型改修を実施する周期を20年と設定し、30年度から49年度までの20カ年とする。事業の実施に当たっては、3カ年実施計画に位置付けて進捗を図っていく。

 市民センターは小学校区単位の設置を基本とし、30年4月1日時点で31カ所、さらに31年度から32年度にかけて旧内原町の鯉淵、妻里、内原地区へ設置することで34カ所全地区への設置が完了する。この半数以上となる19カ所の市民センターが昭和63年度以前に建築され、築後30年以上経過して老朽化が進んでいることから、施設更新や維持管理に多額の費用が必要になる見込みとなっている。

 このため、市は「第6次総合計画」や「公共施設等総合管理計画」、「コミュニティ推進計画」(第3次)と整合を図りながら「市民センター総合管理計画」を策定。計画的な長寿命化型改修を進めることで、利用者の安全性および利便性の確保やライフサイクルコストの低減、費用の平準化を図ることとする。

 市民センターの現状を見ると、施設規模は設置する小学校区の地区人口が5000人以上の場合は市街型、5000人未満の場合は郊外型に分類し、地域の意見や用地確保の観点などを踏まえて整備してきた。

 建物の面積は、昭和63年度以前の建物は500~600平方m、平成元年度以降の建物は市街型が800平方m、郊外型が600平方mを目安としている。また、26年度以降はコミュニティルームを設置していることから、これに1割程度面積を増やしている。

 耐震化の状況は、22年度に耐震診断を実施し、耐震性能が基準を満たしていない建物で状況に応じて耐震補強工事や改築工事を実施し、現在は全ての市民センターが耐震基準を満たしている。

 これまでの施設更新の実績は、旧施設から現施設への移転、または改築(移転改築を含む)を行った施設が11カ所あり、建築から移転または改築までの経過年数は概ね20~40年となっている。

 建築基準法第12条に基づく定期点検は3年ごとに実施しており、建物や設備の劣化状況を点検している。各市民センターの過去3年間における修繕は100件以上となっており、年間5000万円前後の修繕費がかかっている。

 総合管理計画の基本方針は、ライフサイクルコストの低減および費用の平準化に努めるため、施設を長期間使用する長寿命化型改修による計画的な改修を進め、躯体の劣化を最小限に抑えるとともに、突発的な故障による修繕費用の軽減を図る。ただし、利用人数に対する敷地規模や道路環境といった立地条件をはじめ、長寿命化型改修に係る費用が改築を上回る場合など施設ごとに総合的に検証し、改築が適当であると判断した場合には改築についても検討する。

 また長寿命化型改修を計画的に進めるため、今後は建物や設備の故障などが発生してから対応する事後保全型から、事前に計画的な建物や設備の更新や改修を行う予防保全型への転換を進める。

 敷地の規模は、利用者アンケートでも駐車場の利用に関することが不満な点として挙げられているため、各市民センターの現在の敷地規模が適正であるかを検証し、必要に応じて周辺での土地の取得や賃借を検討する。

 長寿命化型改修の優先順位の設定では、全市民センターを建築年で2つに分類する。平成元年度以降の建築は、比較的新しい施設であるため、基本的な長寿命化の考え方に基づき「80年使用」に向けた改修を行う。

 20年目程度に「中規模改修」で建物・設備の部分的な修繕・改修や空調設備の更新、衛生設備の点検・更新など、40年目程度に「大規模改修」で躯体の長寿命化対策を行うとともに躯体以外の部分を全て解体・撤去し、新築に近い状態で建物を再構築する。60年目程度には再び「中規模改修」を行い、80年目程度に「改築」する。

 昭和63年度以前に建築し、建築年数が30年以上経過している施設は、20年目の改修を実施していないため老朽化が進んでいることから、「60年使用」に向けた改修を行う。こちらは40年目程度に「中規模改修」を実施して、60年目程度に「改築」する。

 また今回、立地条件や施設の状態が著しく悪い「千波市民センター」と「大場市民センター」は、改築することとする。千波市民センターは進入道路が4m未満と、緊急輸送道路として必要な幅員5mを確保できない状況。さらに利用者数に比べ利用できる駐車場台数が不足しているが、周囲を住宅に囲まれて敷地拡大が困難なため、移転改築に向けた検討を進める。

 大場市民センターは敷地全体で地盤沈下が進行しており、建物と地盤との段差が最大で約1m生じている箇所がある。また沈下で地下の配管が破損し、水道の利用に支障を来している。建築当初の状態に復旧するには、現在の施設を全て解体して敷地造成工事を行う必要がある。当面は応急的な修繕を行いながら沈下の経過を適時観察し、改築に向けた検討を進める。

 市民センターの予防保全型の維持管理は、建物や設備などが故障する前に計画的に修繕や改修を行う。重点項目には、「建物の防水加工」「給排水設備」「空調設備」「太陽光発電設備」の4点を設定する。

 予防保全型の維持管理の留意点には、現在実施している各種設備(空調設備、自動ドアなど)の消耗部品の交換やオイル交換を行い故障や不具合を未然に防止することや、部材や部品が製造終了している設備は長寿命化型改修のスケジュールも考慮しつつ新しい機器への改修を行うことなどを挙げている。

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