港湾計画変更を承認 茨城港常陸那珂港区 大型船に対応し岸壁を延長(県地方港湾審議会)

[2018/10/4 茨城版]
 県地方港湾審議会は9月28日、県薬剤師会館(水戸市)の会議室で本年度の審議会を開催し、茨城港(常陸那珂港区)港湾計画の一部変更について審議した。近年のRORO船など船舶の大型化に対応するため、中央ふ頭地区のC岸壁とD岸壁をそれぞれ30mずつ延伸するもので、審議会は「原案通り適当」として県知事に答申することとした。今後は、11月中旬にも国土交通省の交通政策審議会港湾分科会に諮問され、そこでの答申の後に港湾計画の概要を公示する。

 県が管理する重要港湾の計画変更は、県地方港湾審議会へ諮問され、その答申を基に計画書を策定して国土交通省に提出する。今回は委員の改選後初の審議会となったことから、改めて会長にみなと総合研究財団顧問の鬼頭平三氏、副会長に筑波大学教授の岡本直久氏を選任したあと、県から諮問された「茨城港(常陸那珂港区)港湾計画一部変更」を審議した。

 議事に先立ち、あいさつに立った県土木部の伊藤敦史部長は、「昨年新しい知事が就任し、現在、新たな総合計画を策定している。本県のさらなる発展には広域交通ネットワークの充実が不可欠であり、高速道路をはじめ重要港湾の茨城港や鹿島港でも鋭意整備を進めている」と話し、震災関連事業も含めて港湾の現状を説明した。

 続けて「航路の開設や貨物の取扱量も順調に推移しており、北関東をはじめとした首都圏の物流拠点として役割がますます高まっていく。我々も港湾機能の充実に取り組んでいきたい」と意気込みを示し、諮問した議案について「慎重なご審議を」と要請した。

 議事を前に、県土木部の中川研造港湾振興監は本県の港湾の最近の情勢を説明。取扱貨物量は29年が9万4353tと25年に続く過去2番目の量となり、茨城港においては過去最高を更新。定期航路も内貿7航路、外貿15航路の計22航路と、着実に増加している。

 茨城港日立港区は第3ふ頭の水深12m岸壁がこの3月に供用を開始し、東京ガスのLNG基地も本年4月から第2期の拡張工事が開始されている。同じく常陸那珂港区はSUBARUの完成自動車輸出が28年11月に開始され、中央ふ頭地区の水深12m耐震強化岸壁の2バース目が2月に現地着工している。

 茨城港大洗港区は、苫小牧とつなぐフェリー航路で29年度に新造船2隻が就航し、クルーズ船も数多く寄港している。また現在は、27年度に着手した津波高潮対策事業を引き続き進めている。鹿島港は石炭火力発電所が新設され外港地区には貯炭場を設置しており、大規模洋上風力発電事業も進められていると説明した。

 今回諮問された議案は、茨城港常陸那珂港区の港湾計画について、船舶の大型化に対応するため中央ふ頭地区の公共埠頭計画、水域施設計画を一部変更するものとなる。常陸那珂港区は完成自動車や建設機械の取扱貨物量が増加しており、29年は過去最高を記録。RORO船の入港隻数が増加するとともに、大型船の入港隻数も増加している。

 これに対応するため、岸壁の延伸や増深について事業手法を概算コストや事業期間、工事中の既存施設の利用調整などの観点から3案を比較検討。中央ふ頭のC・D岸壁をそれぞれ延伸する案は概算コストが最も低く港湾利用者の利用調整も比較的容易であり、既に供用している北ふ頭地区の岸壁を延伸や増深する案よりも優位であると評価された。

 この案をもとに、船舶の大型化に対応するため中央ふ頭地区C岸壁、D岸壁をそれぞれ当初計画の延長270mから300mへと延伸する。またこれにより、D岸壁の先に続くE岸壁の配置も60m先に変更となる。さらに航路・泊地も沖の方へ移動する。

 委員からは、「今回の変更計画の決定から供用までどのくらいの期間を要するのか」との質問があり、県港湾課は「C岸壁は既に供用しており、残る30mはD岸壁の一部を取り込むことで対応する。D岸壁は国土交通省で事業化されており、32年度の供用を目標としていることから、県もそれにあわせて後背地の整備を進めていく」と答えた。

 また別の委員は、「自動車や建設機械の輸出が今後も増加して、さらに大型の船舶の入港が増えた場合、今回の計画変更で対応できるのか」と質問。県は「D岸壁に続いて整備するE岸壁は、延長300mで水深はさらに3m深い15mで計画している。今後も貨物の動向を見ながら、適切に対応したい」と返答した。

 審議会は今回の答申案について、「原案通り適当」として知事に答申することを決定。県は答申を受けて港湾計画を国土交通大臣に提出し、11月中旬を予定する国交省交通政策審議会の港湾分科会に諮問。そこでの答申を受けて国交大臣から通知されたあと、県で港湾計画の概要を公示する予定となっている。

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