歳出が16億円の減少 29年度市町村決算 庁舎建て替えや災害復旧の影響 投資的経費も34億円の減に(県市町村課)

[2018/10/5 茨城版]
 県市町村課がまとめた県内44市町村の29年度決算の概要によると、普通会計の決算規模は歳入総額が前年度比0.5%増の1兆2257億円、歳出総額が0.1%減の1兆1604億円となった。歳入は、社会資本整備総合交付金の増などによる国庫支出金の増加や企業業績向上などによる地方税の増加などで、前年度から59億円増加。歳出は、被災・老朽化した行政庁舎の建て替えなどの減少や27年9月関東・東北豪雨に係る災害復旧事業の減少などで、16億円の減となった。実質収支は全団体とも黒字決算で、これは昭和50年度から43年連続となる。

 歳入は、繰越金で113億円(16.6%)や地方債で64億円(5.5%)が減少したものの、国庫支出金が117億円(7.1%)、地方税が85億円(2%)、各種交付金が57億円(10.8%)増加したことで、全体としては0.5%増加している。

 歳出は、小中一貫校など学校施設整備で教育費が101億円(6.4%)、障害者自立支援給付金や民間保育所整備費補助などで民生費が56億円(1.5%)増加した一方、被災・老朽化した行政庁舎の建て替えなどの減で総務費が123億円(7.5%)、関東・東北豪雨に係る災害復旧事業の減で災害復旧費が41億円(68%)、液状化対策事業の減で土木費が22億円(1.5%)減少しており、全体では0.1%減少した。

 歳出を性質別で見ると、投資的経費は行政庁舎の建て替えなどの減による普通建設事業費(単独事業費)の減や、関東・東北豪雨に係る災害復旧事業費の減で34億円(1.8%)減の1900億円となる。普通建設事業費は0.4%増の1881億円で、内訳は補助事業費が18.5%増の892億円、単独事業費が12%減の964億円となっている。

 東日本大震災関連事業費は263億円で、前年度比31.9%の減。ごみ焼却施設改良事業の増によって衛生費が増加する一方、行政庁舎の建て替えの減による総務費の減少や、道路整備事業、液状化対策事業の減による土木費の減少で、歳出額は123億円減少した。

 復旧・復興事業を除いた歳出は、基金積立金の減で総務費が減少したが、小中一貫校などの学校施設整備費の増による教育費の増加や、障害者自立支援給付金の増による民生費の増加などで、108億円(1%)増の1兆1341億円となっている。

 県内44市町村の歳出決算額で、増加率が大きかったのは境町(29.9%)、桜川市(10.2%)、つくば市(8.1%)など。境町はふるさとづくり基金積立金の増、桜川市は小中一貫校建設事業の増、つくば市はごみ焼却施設改良事業の増が影響した。

 逆に、減少率が大きいのは坂東市(18%)、河内町(18%)、常総市(17.6%)など。坂東市は新庁舎整備事業の減、河内町は小中一貫校建設事業の減、常総市は関東・東北豪雨に係る災害復旧関連事業の減が主な要因となっている。

 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は、前年度より悪化し、県平均で0.1ポイント上昇して90.3%となった。経常収支比率が90%を超える市町村は23団体と、前年度から2団体減少している。

 地方債現在高は、小中一貫校など学校施設整備に伴う地方債発行額の増加で、1.2%増の1兆1121億円と9年連続で増加。積立金現在高は財政調整基金や減債基金を取り崩したことで1%減少し、実質的な将来の財政負担は5.7%増の1兆0279億円となっている。

 市町村地方公営企業の決算は、事業数が29年度末現在191事業で、前年度末と同数となっている。ただし、一部の事業が法適化したことに伴い、内訳は法適用企業が2事業増加して66事業、法非適用企業が2事業減少して125事業となっている。

 事業別に見ると、下水道事業(法適用+法非適用)が103事業と最も多く、次いで水道事業(簡易水道含む)43事業、宅地造成事業14事業と続く。地方公営企業を経営している団体数は43市町村、8一部事務組合となっている。決算規模は2161億円で、前年度から60億円(2.8%)の増加。収支額は事業全体で94億円の黒字だが、前年度に比べ4億円(3.7%)減少している。

 想定企業会計や建設中の事業を除く収支状況は、黒字事業が182事業で前年度と同数、赤字事業が7事業で前年度から1事業増加している。赤字事業は7事業となっているが、一般会計からの基準外繰入金を差し引いた実質ベースで見ると、全体の5割超の102事業が赤字となっている。

 建設投資額は668億円で、病院事業の支出が増加したため前年度に比べ10億円(1.5%)増加した。事業別で見ると、下水道事業(法適用+法非適用)が327億円と最も多く、次いで水道事業(簡易水道含む)221億円、病院事業75億円の順となっている。

 なお、東日本大震災に係る29年度の災害復旧費は5億円で、前年度から3億円(119.5%)増加している。

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