高校生が審議を傍聴 県議会土木企業委 牛久市で出前委員会開く

[2018/10/10 茨城版]
 県議会土木企業委員会(下路健次郎委員長)は5日、閉会中委員会を開催して、本年度の重点審査テーマに掲げる「地域振興とイメージアップに必要な社会資本整備~誇りある郷土・交流人口の拡大につながる県土づくり~」について、執行部から目指すべき方向性と展開すべき今後の施策の説明を聴取した。今回は出前委員会として、会場を牛久市の中央生涯学習センターに移して開催され、一般の市民のほか地元の高校生が多数傍聴に訪れた。委員会終了後、下路委員長は高校生に委員会の感想を尋ね、「人口減に歯止めをかけるには若者が住みたくなる魅力づくりが必要」といった意見や、「公園施設の災害時機能強化やWi-Fiなど情報通信設備の設置は魅力的な案だと思った」などの意見が出ていた。

 出前委員会は、開かれた県議会を目指して議事堂以外の場所で開催する委員会で、28年度から開催している。議事堂まで傍聴に来るのが難しい人にも委員会の活動を理解してもらうのが目的で、毎年2つの委員会で実施している。本年度は総務企画委員会と土木企業委員会が各地に出向いて、委員が行っている審査の様子を公開した。

 土木企業委員会は本年度、重点審査テーマに沿って「観光地などの連携や企業誘致を支える基盤整備とその活用」と「地域の魅力を向上させる取り組み」の2項目を審査しており、出前委員会でも執行部から関連する各事業の状況や、今後の施策の展開について説明を受けた。

 審査項目のうち「観光地などの連携や企業誘致を支える基盤整備とその活用」で、執行部は目指すべき方向性に広域交通ネットワークやこれを保管するアクセス道路の整備、交通ビッグデータを活用した交通円滑化対策の推進、「道の駅」をはじめとする快適な道路環境づくりの推進を挙げた。

 また「地域の魅力を向上させる取り組み」では、豊富な地域資源を活用した中心市街地のまちづくりやIC周辺地域の土地区画整理事業の推進、老朽化施設の計画的な修繕・更新やユニバーサルデザインを取り入れた施設整備、安全でおいしい水の供給に向けた新しい高度上水処理施設の導入を方向性として示した。

 説明聴取後の質疑で、設楽詠美子委員(県民)はイメージアップに必要な社会資本整備の1つとして、歩きたくなる・走りたくなる歩道の整備を取り上げ、県の歩道構造の基準やバリアフリーの視点に立った視点について質問した。柳澤晃宏技監兼道路維持課長はバリアフリーについて「現在、7市町が駅周辺を中心に16カ所を重点地区に指定している。この道路延長58.3kmのうち、バリアフリー化がなされているのは37.3kmで、約64%の達成率。このほか、通学路についても市町村や教育委員会と調査・検討し、危険な箇所は改善している」と説明した。

 舘静馬委員(自民)は都市公園の利便性向上に関連し、「これまで、偕楽園公園センターをビジターセンターの役割にすべきと提案してきたが、観光客の問い合わせが多い土日に閉鎖されている」と問題を提起し、観光マイスターの活用などで観光客への対応を充実させ、県のイメージアップにつなげるよう促した。

 また、来県者の心象にも大きく影響する道路舗装の維持修繕費用について、全国第2位の道路延長を管理するのに予算額が国交付金・県単あわせて約28億円では不十分であるとして、「厳しい財政状況を踏まえると道路維持管理費のさらなる捻出は難しい。そろそろ森林湖沼環境税のような別の財源を検討すべきであり、当委員会の提言に盛り込むべき」と訴えた。

 このほか、高崎進委員(公明)は都市公園の体育館へ空調を設置するなどその整備に避難所としての視点を持つよう指摘し、半村登委員(自県ク)は圏央道の4車線化や坂東PAの状況を質問。山岡恒夫委員(自民)は、傍聴の高校生に「今後の急激な人口減少社会の進展を踏まえると、雇用の確保や経済の振興のためにも観光が重要になる」と話して、高速道路などの社会資本の充実や泳げる霞ヶ浦・牛久沼など地域資源の創出の重要性を説いた。

 議事の後、下路委員長は傍聴した高校生に感想を尋ねた。「間近で委員会の様子を見れて、緊張感のある真剣な審議をしていると知った」(県立牛久高校女子)や「茨城県のことを詳しく知らなかったが、審議を聞いて県の課題やこれからのことを詳しく知ることができた」(県立竜ケ崎第二高校男子)といった意見のほか、「資料を見るかぎり、茨城県に魅力的なものは無い。人口減少に歯止めをかけるには、高校生世代が魅力的と思うものを増やし、大人になって茨城県に住みたいと思うようにしないと」(東洋大附属牛久高校男子)との厳しい意見も出た。

 また「都市公園の設備をかまどベンチや防災トイレなど災害に対応したものに取り替えたり、Wi-Fiなどの情報通信設備を公園に設置する対策はなかなか思い浮かばず、魅力的なアイデアだと思った。また、ビジターセンターのあり方や道路維持の新しい財源の考え方は盲点だった。様々な意見を聞いて地元への思いが伝わり、私達も新しい考えを知ることができた」(県立牛久栄進高校男子)といった意見も聞くことができた。

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