オートリブとダイプラ 本社機能移転補助金で第2号認定(県産業立地課)

[2018/10/27 茨城版]
 県産業立地課はこのほど、「本社機能移転強化促進補助金」の第2号認定として「オートリブ」(神奈川県横浜市、デイル・スティーブン・クック社長)と「ダイプラ」(大阪府大阪市、鳥本匡聡代表取締役社長)の2社を認定した。オートリブには、26日に大井川和彦知事自ら研究施設の設置場所となるつくば市のライトオンビルを訪れ、クック社長に認定書を手渡した。同社は約70億円を投資して、ここに技術開発拠点の「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設する計画。また、ダイプラはかすみがうら市の逆西工業団地内に新工場を建設するとともに、高付加価値プラスチック製品の研究開発機能も移転する計画となっている。

 認定書の交付にあたり、大井川知事は改めて本県への研究開発機能立地に感謝の意を表した。クック社長は同社の事業を紹介し、本県進出の理由について「自動運転や電気自動車など最新鋭の技術の安全性を確保する技術を開発するため、こちらで優秀な人材を採用して新しいニーズに対応していきたい」と説明した。

 大井川知事は「つくばは筑波大学や研究学園都市があり、専門的な研究所も数多く立地していて、人材確保に最適な場所。つくばエクスプレスで東京とのアクセスも良く、ポテンシャルは高い」と話し、様々な形での支援を約束した。

 この補助金はAIやIoT、ロボット、次世代自動車など新たな成長分野の本社や本社機能、研究所などの誘致を図るため本年度に創設した制度で、全国でもトップクラスの補助率・補助上限額を設定している。

 補助対象は、新たな成長分野(AI・IoT・ロボット・次世代自動車)の研究所・本社機能などの県外からの移転で、移転人数は5人(研究所の場合は10人)以上。対象経費は施設整備投資に係る経費、雇用にかかる経費、および賃借料で、補助率は施設整備投資分の10%(成長分野の中でも顕著なものは15%)と雇用分(1人あたり25万円~125万円)とし、このほか特別加算分として補助加算・追加する制度もある。本年度の県の当初予算には、予算額50億円を確保していた。

 この制度に基づき8月29日には、第1号認定として「日立オートモティブ電動機システムズ」(ひたちなか市、山口登代表取締役社長)と「クレハエクストロン」(東京都大田区、米澤哲代表取締役社長)の2社を認定。今回の2社により、認定企業は計4社となる。

 オートリブは、自動車用安全部品メーカーとして世界トップシェアを持つAutoliv Inc.の100%子会社で、資本金は4.9億円。自動車用安全部品(エアバック・シートベルト・ハンドルなど)の開発・製造・販売を手掛け、この分野で世界シェア38%、国内シェア33%を占める。

 今回は、TXつくば駅前のライトオンビルの4階から7階までを賃借し、ここに自動運転をはじめとした次世代自動車で要求される安全性の向上、および新たな技術開発を行う「ジャパンテクニカルセンターつくば」を新設して、自動車用安全部品の技術開発を集約する。

 一部、筑波事業所(かすみがうら市)の研究開発部門を移転するが、概ね新設となり、県内移転者を含め約200人の雇用を見込んでいる。内装を修繕したうえで研究設備や機材を搬入し、31年1月には供用を開始する予定。事業費は、設備投資や人件費などを含め全体で約70億円を想定しており、県はこれに対し約5.4億円を補助する見込みだ。

 ライトオンビルは18年に建築されたS造地上7階、地下1階建てのビルで、延床面積は約1万3000平方m。カジュアル衣料販売のライトオンが本社兼店舗として使用してきたが、30年4月に営業系機能を原宿本部(東京都渋谷区)に移転したことから、ビルの4~7階(延べ4362平方m)が空室になっていた。

 一方のダイプラは、この10月に大日本プラスチックスから社名を変更したもので、タキロンシーアイの100%子会社。プラスチック製品の開発・製造・販売を手掛け、資本金は8億6000万円となる。

 高耐圧ポリエチレン管(土木用パイプ)などの生産能力を強化するため、新工場を建設するとともに研究開発機能を千葉県松戸市から移転する計画で、移転先は親会社のタキロンが以前から取得していたかすみがうら市逆西工業団地内の用地となる。

 投資額は工場移転費を含め約30億円で、県からはこのうち研究開発機能分として約1500万円を補助する。新工場では約80人の雇用が見込まれており、32年6月の供用開始を計画する。

 鳥本社長は「主に下水管として使用される、軽量で施工性の高い高耐圧ポリエチレン管の需要が拡大し、生産能力を拡大するとともに技術開発能力の強化が必要となる中、県補助金の提案をいただいた。この補助制度が、工場とともに開発本部の移転を決める大きな判断材料となった」とコメントした。

 なお、本社機能移転強化促進補助金と同じく本年度に創設した「IT関連企業等オフィス賃料補助金」では、ソフトウェア業のアプリシエイトが東京の本社機能を水戸市内に移転して「ITソリューション統括センター」を新設する計画を、第1号として計画認定した。

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