高速実験炉「常陽」の原子炉施設 設置変更で補正書(原子力機構)

[2018/11/09 茨城版]
 日本原子力研究開発機構はこのほど、高速実験炉「常陽」原子炉施設の新規制基準への適合性確認のため、原子炉設置変更許可申請書の補正書を原子力規制委員会へ提出した。許可申請書は29年3月30日に提出していたが、核燃料などの新規制基準適合性に係る審査会合において、原子力規制庁新基準適合性審査チームから補正書の提出が必要であると提示されていた。

 補正が必要とされたのは、[1]熱出力と設備の整合性[2]新規制基準への適合について(多量の放射性物質などを放出する事故への対策、自然現象、設計基準対象施設)──となる。補正書ではこれらの対応に加え、先行する試験研究炉の審査などを踏まえた最新知見の反映や再評価を行った。

 補正書の概要をみると、熱出力と設備の整合性としては、安全性の向上や照射試験性能を考慮して炉心設計を見直し、原子炉停止系統の独立2系統化と、炉心燃料集合体の装荷体数を削減する。また、新たに設計した100MW炉心で事故時評価などを実施する。

 これまでの140MW炉心(MK-III炉心)では、制御棒が主炉停止系6本で試験研究炉に係る規則に適合したものだったが、100MW炉心(MK-IV炉心)では実用発電炉の規則を参考にして、主炉停止系4本、後備炉停止系2本の独立2系統を確保した。

 多量の放射性物質などを放出する事故への対策としては、▽炉心損傷防止措置▽格納容器破損防止措置▽放射性物質の放出抑制措置──が必要となる。炉心損傷に至る事故を網羅的に抽出・同定し、規制庁から提示された6事象に全交流動力電源喪失を加えた7事象を選定。炉心損傷防止措置や格納容器破損防止措置の有効性を評価した。放射性物質の放出抑制措置として、発電炉の放水砲に相当する措置(仮設カバーシート、特殊化学消火剤、仮設放水設備)を追加した。

 自然現象の補正内容は、HTTRの審査を踏まえ、地震では最大加速度(水平)973ガル、竜巻では風速100m/秒、火山では層厚50cm・密度1.5g/立方cmと設計条件を設定した。

 設計基準対象施設としては、原子炉停止系統は主炉停止系と後備炉停止系を設けて独立2系統化する。電源設備は無停電電源設備やプラント特性により安全性を確保する。

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