合流点に水門を設置 河川整備計画検討委 田川の変更案を審議(県河川課)

[2018/12/13 茨城版]
 県河川課は12日、県庁舎内で本年度第2回の河川整備計画検討委員会(委員長・武若聡筑波大学システム情報系教授)を開催した。今回は、田川の鬼怒川合流点の処理方式を定めるとともに、河川管理施設の整備方針を盛り込むため、利根川圏域河川整備計画の変更について審議。鬼怒川合流点に水門を設けるとともに、合流点から延長約2・48kmにわたり河道内貯留堤防として現在の堤防を嵩上げし、あわせて調整池の整備も今後検討していくこととした。

 この委員会は、県内の各水系を圏域に分割し、それぞれの圏域の県管理河川ごとに治水、利水、環境の総合的な河川整備を推進するため、学識経験者で各種検討を行うことを目的に設置している。

 今回の議事は、那珂川圏域河川および二級圏域の事業再評価に加え、田川に関する利根川圏域河川整備計画の変更案について事務局から説明を受け、その内容を審議した。

 利根川圏域の河川整備計画は、関東・東北豪雨の際に鬼怒川の外水位の影響で田川の沿川流域に広範囲の浸水被害が生じたことから、田川の鬼怒川合流点から県道結城二宮線(福良橋)まで、延長約4・5kmに関する整備計画を27年度に緊急的に追加した。

 その際、協議が整わず目標流量を設定していなかったことから、その後に計画を変更した。目標流量は関東・東北豪雨と同規模の洪水を安全に流下させるため、年超過確立10分の1規模で計画高水流量1秒あたり190立方mと設定。施行区間も測量の結果から4・488kmに変更し、築堤や河床掘削による河道改修を行ってこの計画流量を安全に流下できるようにすることとした。

 今回の変更では、これまで協議のまとまっていなかった鬼怒川合流部の考え方について、水門形式とすることを盛り込んだ。合流部は「バック堤式」と「水門方式」(水門形式+河道内貯留堤+調節池など)の2案を国と協議。バック堤式は維持管理費が安いものの、堤防整備に大規模な用地取得が必要となるほか、整備区間に多くの橋梁があって架け替えが必要となり、効果発現には長い期間と多くの工事費を要する。

 一方の水門方式は、鬼怒川の合流部に水門を設けて水門閉鎖時の田川の氾濫を防止するとともに、田川の河道内への水の貯留を目的として下流側の堤防を嵩上げする。さらに田川流域の浸水被害の防止・軽減を図るため、調整池などによる対策も引き続き検討する。この方式は、段階的な整備で一定の治水安全度の確保が可能となることから、段階的に効果を発現させるためこの方式を採用した。

 田川の県内区間には8つの橋梁が架かるが、このうち河道内貯留堤防区間内の橋は堤防の嵩上げに伴って架け替えが必要となる。今回、計画堤防高のコントロールポイントを田川橋の桁下高となるY・P+32・4mに設定することで、架け替えが必要となるのが工事の伴う社会的影響の最も小さい十二天橋のみとなり、国道50号バイパスに架かる田川橋や国道50号に架かる新田川橋などの架け替えが不要となる。

 このほか、河道内貯留堤防整備区間の上流部でも、田川自身の上流からの流れに対応するため、堤防高の不足箇所で河道改修や無堤区間の築堤などを行い、あわせて住民への情報伝達や浸水想定区域図の策定といったソフト対策も実施していく。

 この変更案に対し、委員の佐藤政良筑波大学名誉教授は「バック堤式は堤防による地域コミュニティの分断など、周辺住民への影響が大きく非現実的。水門方式は、計画水量190立方mとしているが栃木県側の整備が進むまで上流からほとんど流れてこないので、合流点に水門を設けるだけでも鬼怒川からの逆流が防止できて効果的」と指摘し、小柳武和茨城大学名誉教授は「早急に対応するため、タイムスケジュールを提示できないか」と話した。

 また、結城市の前場文夫市長は堤防の嵩上げに伴う沿川の住宅への影響について質問するとともに、排水機場や調整池の整備についても推進するよう求めた。筑西市の小林裕明土木部次長は、無堤区間の整備を優先して行うよう要望した。

 なお、鬼怒川合流部の水門整備の事業主体は現段階では決まっておらず、今後、国と県による協議を進めていく。県としては、鬼怒川からの逆流を防ぐ河川管理施設であることから、国による整備を求めていく考えを示した。

 この利根川圏域河川整備計画の変更案は、このあと12月下旬から変更原案の縦覧を行うとともに関係市町村や関係機関(農林・環境・その他)への意見照会を経て、31年2月にも国に認可申請を行う計画となっている。

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