週休2日制の課題など 活発に意見を交わす(県土木部と茨建協)

[2018/12/18 茨城版]
 県土木部と県建設業協会は17日、水戸市の県建設技術研修センター研修室で意見交換会を開催した。県土木部からは大山登志彦技監(総括)や池元和典監理課長、横田喜一郎技監兼検査指導課長らが、茨建協からは石津健光会長と副会長、経営企画・土木・人財開発の各委員会の正副委員長らが出席し、公共事業予算の確保や発注の平準化、週休2日制の導入、異常気象における対応などについて活発に意見を交わした。

 意見交換に先立ち、石津会長は「建設業は若年者の入職と定着、技術や技能の継承などを推進しなければならない重要な時期にある。加えて地域インフラの整備や維持管理、災害対応などを担う地域の守り手としての役割を果たすためにも、経営力の強化が求められる」と業界の現状を示し、有意義な意見交換会となるよう求めた。

 また、大山技監(総括)はこのほど策定された新総合計画の概要を説明。この実現のため、建設業はこれまで以上に大きな役割を担うと期待して、「業界をとりまく環境は厳しいが、県も地元建設業者に配慮した総合評価落札方式の活用や地域要件の弾力的な運用、ゼロ債務負担行為を活用した発注平準化に取り組むなど、県内建設業の健全な育成に努めていく」とあいさつした。

 意見交換は、茨建協の3つの委員会から示された4項目を議題として行った。このうち「公共事業予算の安定的・計画的な確保について」は、経営企画委員会の佐々木孝夫委員長が「地元建設業者が将来にわたり地域住民の安全・安心を守るためには、企業経営の安定を図り、災害時の対応に必要な人員、機材を維持しておくことが必要」と述べ、安定的な公共事業予算の確保を求めた。

 また、公共事業予算の配分に県内の地域間格差を少なくする配慮を求め、「特に過疎地域では業者数の減少で、災害時の緊急対応にも困難をきたしかねない」として、各地域で必要となる事業量の確保を要望した。

 これに対し、県監理課の池元課長は県土木部の公共事業の予算の推移を説明するとともに、31年度予算編成について「近く政府予算が決まれば、県の公共事業予算の約8割が固まる。なんとか今年度の規模を割らないように努めている」と明らかにした。

 国の第2次補正予算についても「緊急インフラ点検が3兆円から3.6兆円を30年度補正と31・32年度の計3カ年で取り組んでいくと報じられており、地方自治体への割り当てに注目している。自然災害に対処するための、中小河川の維持管理費もポイントになる」と情報を提供した。

 地域間のバランスについては、新総合計画に盛り込まれた2050年のグランドデザインを用いて「今後は新しい高規格道路や生活道路をはじめ、観光振興を支えるインフラなどを検討していく。いろいろと知恵を出し、地域バランスにも配慮して予算編成していく」と説明した。

 「発注の平準化について」は、佐々木委員長が「事業者の負担、資材人件費の高騰などの弊害を防ぐことができ、ひいては技術者不足、人材不足の解消にもつながる。引き続き繰越制度や債務負担行為を活用した計画的な工事発注に努めていただくとともに、各土木事務所への指導も徹底していただきたい」と要望した。

 これには県検査指導課の横田課長が、「県としても社会基盤整備の担い手確保は重要と認識しており、昨年度からゼロ債務負担行為を活用した発注平準化に取り組んでいる。本年度は9月補正で前年度のほぼ倍の予算を設定し、これから年度末にかけてゼロ債務負担行為による工事を発注していく予定で、近く発注見通しを公表する」と報告した。

 「週休2日制の導入にあたって」では、佐々木委員長が「担い手の確保・育成に向けて、働き方改革の加速化が喫緊の課題」としながら、「週休2日制を導入すると日給月給の技能労働者などの収入減少に直結する」と述べ、休日が増加しても技能労働者の収入が減らない方策を検討する必要性を指摘した。

 また「適正な休日取得に向けて、適正価格での受注確保するためのダンピング防止策や発注段階での適正工期の設定など、働き方改革の実現に向けた取り組みを進めて頂きたいと」と話し、働き方改革について県の考え方や方針を尋ねた。

 横田課長は「担い手確保の観点からも、働き方改革は重要」との認識を示し、27年度から4週8休モデル工事を実施していると説明。昨年度の27年から本年度は約40件へと拡大し必要な経費の割り増しも行うと説明するとともに、適正な工期の設定、書類の簡素化といった取り組みを紹介した。

 また、尾曽正人副会長は「我々の仕事は自然相手であり、工期にも考慮してほしい」と要望し、細谷武史副会長は「モデル工事でなくても、受注者から手を上げれば経費の補正をしていただけるのか」と質問。横田課長は「工期は天候以外にもいろいろな要素があり、総合して検討していく必要がある。手挙げ方式は業界で進めていただいて、我々に要望してほしい」と返答した。土木委員会の大曽根文彦副委員長は「週休2日制による影響について、受発注者が双方納得できるよう緊密に情報を交換することが必要」と提案した。

 「異常気象における対応について」では、人財開発委員会の高橋修一委員長が「夏の猛暑日が相次ぎ、屋外作業は非常に危険なため作業の中止なども必要となる」と指摘して、「夏期における熱中症対策として工事期間の延長をためらわず実施するとともに、あわせて歩掛りや経費の見直しの検討を」と要望。また、集中豪雨など不可抗力による損害への対応も速やかに行うよう求めた。

 これに対し、横田課長は「夏季の作業は国でも検討に着手しており、県も対応していきたい」と返答。不可抗力による損害は「1%の額および保険等で補填された額を超えた額について、受注者から手続きに基づいて対応する」と説明し、高橋委員長は「その免責1%が受注者には大きい」とさらに踏み込んだ対応を求めた。

 このほかの意見交換では、茨建協の事務局が外国人労働者の対応について県の考え方や方針を質問。池元課長は「大井川知事からも指摘があったが、建設業界の特殊性を考慮すると、技術の習得に時間がかかることもあり、従来どおり高齢者の活用や女性・若手の入職促進に取り組んでいくことが重要」と返答した。

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