沢渡川は捷水路整備など 河川整備計画検討委 那珂川・二級圏域の再評価(県河川課)

[2018/12/19 茨城版]
 県河川課は12日、県庁舎内で本年度第2回の河川整備計画検討委員会(委員長・武若聡筑波大学システム情報系教授)を開催した。今回は、田川の鬼怒川合流点処理に伴う利根川圏域河川整備計画の変更を審議するとともに、那珂川圏域河川および二級圏域河川の事業再評価を実施した。事業再評価について同課は、今回委員から示された意見を踏まえて最終案を取りまとめ、31年2月ごろに予定する第3回委員会に提示する考え。

 事業再評価は、事業採択時から5年経過して未着工の事業や、5年経過して継続中の事業を改めて評価し、必要に応じて事業の見直しを行うもの。県は委員会からの提言(意見)を尊重し、事業の対応方針を決定する。

 その際に実施してきた費用対効果分析(B/C)は、国交省の動向なども踏まえて28年度から簡略化に踏み切っており、分析に再度の実施の合理性が認められない一部の事業は再評価の対象から除外した。

 今回は、那珂川圏域が桜川(支川沢渡川含む)、中丸川、藤井川、緒川の4河川、二級圏域が大北川、十王川、新川の3河川を再評価の対象とし、このうち費用対効果分析は桜川・沢渡川と大北川、十王川で実施した。

 水戸市を流れる桜川は、昭和47年から延長4.2kmの河道改修を実施しており、その支川の沢渡川でも2.9kmの支川処理を進めている。それぞれ桜川調節池、沢渡川調節池を設ける計画で、桜川は調節池を含めて整備済み。沢渡川は桜川との合流点前後0.3kmが施工済みで、現在はその上流で整備を進めている。

 同課の説明によると、今後5年間で実施する内容は、沢渡川の猩猩橋から桜山新橋までの河道改修と、捷水路の整備。あわせて水戸市でも、「100mm/h安心プラン」に基づいて浸水被害軽減に向けたハード・ソフト対策を進めていく。

 前回の事業評価時点では、事業費を285億4500万円、完了予定を平成65年としていたが、今回の再評価ではこれまでの費用発生実績を踏まえて事業費を299億4900万円へと見直し、完了予定も平成70年へと5年間延長。費用対効果(B/C)は4.0と算出した。

 二級河川の大北川は、昭和49年から延長7.3kmの河道改修を進め、合流する花園川も延長2.1kmの支川処理を行っている。また昭和61年からは、大北川3.5km、花園川1.2km、木皿川0.45kmで激甚災害特別緊急事業を実施し、平成23年からは東日本大震災の津波被害を教訓とした河口部の津波対策を行っている。

 今回は、この河口部での津波遡上対策の築堤・堤防嵩上げによる復興予算分の事業費を追加したことで、総事業費が前回評価時の124億7600万円から140億8000万円になっている。これによるB/Cは36.7。河口部の津波対策は遅くとも32年度までに完了する見通しで、その後の激特施工部の上流については、他の地区の重点化のため事業を一時休止する見通しが示された。

 同じく十王川も、河口部の津波対策の影響で事業費を53億円から53億8800万円に増額し、B/Cを30.1とする。この河川は昭和58年から延長5.28kmの河道改修を実施しており、このうちJR橋の上流1.6kmを暫定施工している。河口部の整備後は、大北川と同じく他の地区の重点化のため事業を一時休止する。

 このほかの河川については、那珂川圏域の中丸川が昭和55年から延長6.4kmの河道改修と調節池の整備を進めており、現在は支川大川の合流点の手前を施工中。今後5年間で大川合流点までの暫暫定河道改修を行い、その後、ひたちなか市が親水性中央公園としてこのほどオープンした調節池の堰堤整備に移行する。

 藤井川は、昭和53年から延長4.25kmの河道改修に着手し、下入野橋付近と荒田堰周辺の2カ所を除き施工済み。今後は事業を当面中止し、他の事業との調整を図っていく。緒川は、支川国長川を含め延長0.53kmの河道改修を平成26年から30年にかけて実施して完了している。

 東海村を流れる二級河川の新川は、昭和62年から延長1.7kmの河道改修を進め、河口から1.05kmは施工済み。現在、その上流に架かる新川橋が国道294号ひたちなか・東海拡幅事業で4車線架け替えを進めていることから、当面休止してこの事業との調整を図りながら進めていく。

 これらの説明に、委員からは前回評価からの5年間の進捗状況の変化を示すことや関東・東北豪雨以降の河川整備事業の変化、および事業を当面休止する理由を記載するよう求める意見が出た。

 これに対し、県河川課の小林洋一技監兼課長は「下流から整備していくと時間がかかり、予算も十分で無いため早期の効果発現には工夫が必要となる。被災箇所の対策を重点化するためには優先順位を付けていかなければならず、結果、ある程度の流下能力を持つ河川は休止とならざるを得ない」と説明した。

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