新焼却施設整備を検討 廃棄物処理施設整備基本構想 建設地選定後5年で(鹿嶋市と神栖市)

[2019/1/24 茨城版]
 鹿嶋市と神栖市はこのほど、可燃ごみ処理施設の建設に向けて東和テクノロジー(本社・広島県)で策定した「一般廃棄物処理施設整備基本構想」を公表した。施設整備方針は、「鹿島共同再資源化センターと新焼却施設での併用処理」と「新焼却施設での処理」の2つのケースを比較した結果、最も経済的に有利で、かつ定性的な評価でも有利となる「新焼却施設での処理」を主に検討を進めていく。このケースは「建設用地の確保」が課題であり、現在も両市で建設候補地の選定を行っている。候補地が決まった後は、約5年間で測量調査や生活環境影響調査、施設や造成の設計および工事まで実施する考えだ。

 両市で発生する可燃ごみは、鹿島地方事務組合のRDF施設(広域鹿嶋RDFセンター、広域波崎RDFセンター)で固形燃料化し、第三セクターが運営する鹿島共同再資源化センターで発電用の助燃剤として有効利用している。

 しかしながら、可燃ごみを固形燃料として製造する際に多くの燃料(灯油)を使用することが課題となっており、また全国的なRDF施設で稼働できなくなった事例なども確認されたことから、両市と鹿島地方事務組合は12年度から、可燃ごみ処理施設に関する方向性について断続的な協議を開始した。

 検証の結果、16年4月に「可燃性一般廃棄物のRDF化を止め、焼却施設に移行することが望ましい」という結論を得ており、これを踏まえて17年4月から[1]鹿島共同再資源化センターと新焼却施設での併用処理[2]2市による広域新焼却施設での処理──の2つの案を中心とした施設整備基本構想を策定した。

 施設の現状を見ると、広域鹿嶋RDFセンター(鹿嶋市平井)は2001年3月の竣工で、可燃ごみを16時間あたり142t処理する能力を持つ。広域波崎RDFセンター(神栖市波崎)は02年3月に竣工し、同じく可燃ごみを16時間当たり135tの処理が可能となっている。

 いずれも適切な補修工事や維持管理を継続して実施していることから、現段階では適切に処理が行えている。しかし、供用開始からそれぞれ約14~15年が経過しており、RDFセンターの耐用年数を供用開始後28~31年とすると、「新施設の整備または現有施設の延命化を計画するのに最適な時期であるとも言える」としている。

 今後、ごみ焼却施設を整備した場合に想定される施設規模を検討した結果、「鹿島共同再資源化センターと新焼却施設での併用処理」の場合は1日あたり150t、「2市による広域新焼却施設での処理」の場合は同じく239tと試算する。

 処理方式については、「安全かつ安定処理が可能な施設」である事を重要視し、技術的に確立されて施工実績も豊富であり、かつ運転管理も容易となる方式を採用する。そのうえで、現段階における各処理方式の定性的な評価を行った結果、「ストーカ方式」が最も適していると評価した。また、現在の広域鹿嶋RDFセンターや広域波崎RDFセンターで東日本大震災発生後の災害廃棄物を処理できなかった経験も踏まえると、この方式であれば有事に強く、かつ、安定した処理を可能とする処理方式となる。

 余熱利用については、福祉施設や温水プールなどへの余熱利用方法も考えられるが、利用先を新たに整備するなど確保する必要があることから、「現段階では現実的な利用方法ではない」としている。一方、発電利用についてはごみ焼却施設の計画規模を1日あたり150~239tで計画していることから、「本事業への導入は可能である」としている。

 これらを踏まえて、新ごみ処理施設整備の基本方針には▽安全・安心な施設▽ごみを安定的に処理できる施設▽環境に優しく、環境を学べる施設▽経済性に優れた施設──の4項目を位置付けた。計画目標年度は、事業実施年度が確定していない状況にあり、施設規模を試算するため最短で供用を開始した場合を想定して24年度とした。

 計画対象施設は、ごみ焼却の工程に沿って各設備および装置・機器を配置するものとし、工場棟・管理棟・計量棟・駐車場・洗車設備などを想定する。施設配置計画は、施設建設用地が確保されていないことから具体的な配置計画が示せないため、今後の施設配置計画を立案する上での基本的な考え方も整理している。

 それによると、施設規模が1日あたり150t(2炉)の場合は建築面積4390平方m(建築物のサイズ55m×70m)とし、有効敷地は周回道路幅片側10mを想定して75m×90mとする。同じく239t(2炉)の場合は、建築面積5230平方m(建築物のサイズ55m×90m)とし、有効敷地は周回道路幅片側10mを想定して75m×110mとする。

 建設工事費は、昨今の自然災害からの復興事業、東京オリンピックの開催に向けた公共工事の増加、労務単価の上昇などを考慮すると今後も更に上昇することが想定されるため、建設単価を最大値で試算し、施設規模が1日あたり150tの場合約123億円、同じく239tの場合約196億円とした。

 新設するごみ焼却施設は、環境省の循環型社会形成推進交付金制度のエネルギー回収型廃棄物処理施設が事業メニューで整備を行うこととなるため、最低でも3分の1の交付率となることを見込み試算を行った。また、建設工事費のうち30%程度は交付対象外となるものがあると想定している。

 なお、スケジュールについては今後の鹿島共同再資源化センターとの協議などで変更する可能性があるため、適時見直しを行う必要があるとしている。また詳細な事業費についても、施設整備基本設計時に再検討する必要があるとしている。

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