来年度中に候補地選定 新産業廃棄物最終処分場 施設整備の検討着手(県廃棄物対策課)

[2019/3/29 茨城版]
 県廃棄物対策課は27日、県庁舎内の会議室で第1回目の「新産業廃棄物最終処分場整備のあり方検討委員会」(委員長:大迫政浩国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長)を開催した。今回は、事務局から委員会設置の目的や検討の趣旨、県内の廃棄物の現状、および検討項目を説明。今後は計6回の委員会を開催し、新たな最終処分場の公共関与の必要性や施設の機能、候補地の選定や事業運営主体などについて検討する。県は委員会の検討結果を踏まえて、19年度内にも基本方針の策定および整備候補地を決定する。

 本県では04年度以降、新規の民間設置の管理型最終処分場の設置が無く、公共関与の最終処分場「エコフロンティアかさま」も埋立の進捗が17年度末で約6割となるなど、産業廃棄物最終処分場の残余容量が減少している。県は産業廃棄物の適正処理や県内産業の振興のため、また大規模自然災害で発生する災害廃棄物の迅速な処理のため、新たな最終処分場の整備について検討を行うこととし、19年度予算には新最終処分場設置調査事業に1200万円を計上した。

 委員会では、本県の産業廃棄物最終処分場のあり方を検討し、新たな産業廃棄物最終処分場整備に向けて公共関与の必要性、施設規模、事業主体などの基本方針と、全県を対象とした整備可能地を検討していく。委員は大迫委員長のほか、学識経験者や排出・処理関係団体、および行政分野からの計5人で構成する。

 議事を前に、県県民生活環境部の齋藤章部長は「新たな最終処分場の整備にあたって皆様の幅広い知見、豊かな経験からご意見を賜りたい」とあいさつ。大迫委員長も「循環型社会形成を支える産業廃棄物の最終処分場の整備は、本県にとって大変重要な課題。皆さんから意見をいただきながら成果につなげていきたい」と意気込みを示した。

 このあと事務局から、廃棄物の現状について説明した。13年の段階で県の産業廃棄物の排出量は1105万3000t、最終処分量は79万5000t。このうち65万2000tは石炭火力発電所分で、自社処理用の最終処分場を有しているため検討に含めない。

 県内に設置されている産業廃棄物最終処分場は安定型が6施設、管理型が5施設あり、残余容量は17年度末で安定型が28万t、管理型が153万tの計181万tとなっている。最終処分場の残余年数は、安定型4年、管理型8.2年で、全体は7.1年となる。

 また一般廃棄物は、県内の市町村・一部事務組合が設置する一般廃棄物最終処分場が12施設あり、今後、設置が計画されているのは水戸市の1カ所のみとなっている。残余容量は37万8000tと徐々に減少しており、残余年数は16年度の値で3.8年となっている。過半の市町村はごみ焼却施設のばいじんなどの処理を民間に依存しており、エコフロンティアかさまに委託処理しているのは所在地の笠間市を含め11市町10事務組合となっている。

 さらに大規模自然災害時の災害廃棄物処理については、廃棄物の一時的な大量発生によって市町村の区域内での処理が困難な状況になるため、広域的な処理体制を整備して災害対応の強靭化を図る必要がある。

 産業廃棄物処理の将来予測は、石炭火力発電所分を除くと排出量が20年の1068万9000t(13年比105.3%)から25年1088万6000t(同107.2%)、最終処分量が20年の14万7000t(同107.3%)から25年15万1000t(同110.2%)と増加が見込まれている。

 なお、県が公共関与産業廃棄物処理施設として整備した「エコフロンテイアかさま」は、笠間市福田地内に05年8月に開業し、県環境保全事集団が運営している。管理型最終処分場は埋立面積9.8ha、埋立容量240万立方mで、浸出水処理施設は1日最大400立方mを処理できる。溶融処理施設は高温ガス化直接溶融方式で2炉あわせて1日最大145tの処理能力を持ち、1時間あたり7200キロワットの発電能力も有する。

 17年度末現在で139.7万t(全体埋立容量の58.2%)を埋立処分しており、社会的には廃棄物減量化の傾向があるものの、この施設は東日本大震災などの災害廃棄物処理支援や廃石こうボードなどの受入れ増で埋立量が増加傾向にあるため、概ねあと7年程度で埋立が終了する見込みとなっている。

 このように県内の最終処分場の残余容量は減少傾向にあり、現状のまま推移すれば産業廃棄物最終処分場の理立容量が近い将来にひっ迫することが必至の状況。最終処分場の整備には用地選定、地元住民の理解、環境アセスメント、建設工事などで長期間を要することを考慮すると、現処分場の埋立が終了するまでに新たな産業廃棄物最終処分場の整備ができるよう検討する必要がある。

 そこでこの検討委員会では、▽新たな産業廃棄物最終処分場の整備検討の趣旨▽廃棄物処理を取り巻く現状・課題▽新たな産業廃棄物最終処分場の整備について──の3項目を検討していく。

 このうち「新たな産業廃棄物最終処分場の整備について」では、公共関与の必要性の検討をはじめ、最終処分場の機能として種類(安定型・管理型・遮断型、オープン型・クローズド型)や位置(陸地・海面)、規模(容量)、併設すべき中間処理施設(焼却処理施設など)、さらに候補地選定の方法、事業運営主体、想定スケジュールを検討する。

 この検討を踏まえて県が基本方針をとりまとめ、これに基づいて全県を対象に整備可能地を選定。段階的に整備可能地を絞り込み、最終的に県が整備可能地を選定する。

 委員からは最終処分場の種類について質問があり、県は「管理型を想定している」と返答。このほか、処分場の経営に関する質問や中間処理の実績に関する質問、他県の先進事例に関する情報提供を求める意見などが出ていた。

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