鬼怒川緊急対策に129億円 沿川でサイクリングロード整備(下館河川の新年度事業)

[2019/4/10 茨城版]
 国土交通省下館河川事務所(青山貞雄所長)は、19年度の事業概要を明らかにした。事業費は「防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策」も含め、治水と環境整備、維持管理などで総額166億9800万円となり、前年度当初(122億2900万円)から36.5%増加した。主な事業は、鬼怒川緊急対策プロジェクトに129億2200万円を投じて引き続き鬼怒川や小貝川で河川改修工事を進めるほか、沿川の環境整備としてリバースポットやサイクリングロードの整備などを進めていく。

 河川別の事業費は、鬼怒川が前年度比40.2%増の149億7800万円、小貝川が11.5%増の17億2000万円となった。このうち、鬼怒川緊急対策プロジェクトには河川激甚災害特別緊急対策事業費に116億9300万円、河川大規模災害関連事業費に12億2900万円と、前年度当初比40.1%増の総額129億2200万円を確保した。このほか、河川改修費には14億8200万円(鬼怒川6億6300万円、小貝川8億1900万円)、河川維持修繕費には21億4200万円(鬼怒川12億7500万円、小貝川8億6700万円)、河川工作物関連応急対策事業費には600万円(鬼怒川)、総合水系環境整備事業費には1億4600万円(鬼怒川1億1200万円、小貝川3400万円)を投じる。

 19年度の事業では、鬼怒川緊急対策プロジェクトの確実な推進と防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策の重点的な推進など、鬼怒川と小貝川で洪水の未然防止や持続的な安全性確保、地域に元気を届けるための各種取り組みを進める。

 主な事業のうち、鬼怒川緊急対策プロジェクトは甚大な被害を受けた鬼怒川下流域を対象に、「水防災意識社会」の再構築を目指すもの。国と県、鬼怒川流域7市町が主体となり、ハードとソフトが一体となった緊急的な治水対策を進めている。ハード対策では、20年度までの6年間に約600億円(国直轄事業は580億円)を投じ、決壊箇所の堤防整備や漏水対策、かさ上げや拡幅などの堤防整備、河道掘削などを実施している。本年度も用地取得を進め、取得が完了した区間で堤防整備や水位低減を目的とした河道掘削を行う。

 鬼怒川ではまた、支川の田川合流点で水門整備を計画し、測量、地質調査、設計などを予定している。田川の沿川では、浸水被害が過去に何度も発生し、15年9月関東・東北豪雨では床上・床下浸水あわせて213戸の家屋が浸水する被害が発生した。このため、県による田川の堤防整備とあわせて田川合流点に水門を整備し、鬼怒川の水位上昇時の田川への流入を防止する計画だ。

 小貝川では、河川改修事業で下流部の堤防整備などを進める。小貝川の沿川では、1986年の洪水により筑西市赤浜や常総市本豊田などで甚大な被害が発生した。以後、堤防整備などの河川改修を進めているが、現在でも堤防の必要な高さや幅が不足している箇所があるため、引き続き堤防断面が不足する箇所で堤防整備を実施する。本年度は常総市大崎町やつくばみらい市十和、取手市藤代の3カ所で整備を計画している。

 また鬼怒川と小貝川では、堤防整備にあわせたサイクリングロードやリバースポットを整備する「かわまちづくり計画」が進められ、良好な景観や安全な水辺へのアクセスなどを有する拠点を整備する。3月には、「かわまちづくり支援制度」で常総市など鬼怒川・小貝川沿川の7市町による「鬼怒川・小貝川まちづくり」が認定され、リバースポット整備に合わせた関連設備の整備が行われることになった。本年度は、鬼怒川にある常総市の水海道河岸跡でリバースポット整備や管理用通路のサイクリングロード整備を行うほか、小貝川でも常総市の川の一里塚や下妻市の愛国橋など6カ所でリバースポット整備が計画されている。

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