利根川河口部で浚渫 本年度事業概要 押付地区防災STの用地取得(利根川下流河川)

[2019/4/12 茨城版]
 国土交通省利根川下流河川事務所(大谷悟所長)は、19年度の事業概要をまとめた。事業費は51億7100万円で、前年度当初(47億1100万円)から9.8%増加した。本県関係では、神栖市などを対象とした利根川下流部河道掘削や、利根町押付地区の押付地区河川防災ステーションなどの事業を進める。

 事業費の内訳を見ると、河川改修費が前年度比45.4%増の21億4900万円、河川維持修繕費が8%減の16億1000万円、河川工作物関連応急対策事業費が42.8%減の2000万円、堰堤維持費が1.3%増の12億7900万円、総合水系環境整備事業が38.9%減の1億1300万円などとなった。

 事務所では、本年度事業のポイントとして▽治水対策の推進▽危機管理対策の推進▽美しい自然や良好な景観、自然共生空間の創出▽安全で安心できる暮らしを支える導水路の管理▽安全性を持続的に確保するための維持管理──の5項目を設定している。

 治水対策の推進では、利根川下流部河道掘削や利根川右岸築堤、利根川樹木伐採を盛り込んだ。このうち、利根川下流部河道掘削は、神栖市波崎地区や銚子市中央地区を対象に進めている。利根川河口部の河道流下断面が不足して浸水被害が発生していることから、河道流下断面を拡幅して流下能力を向上させるもので、09年度から着工した。本年度は神栖市などを河道掘削工事などを計画し、第1四半期に河口部浚渫工事の発注を予定している。

 危機管理対策の推進では、利根町押付地区を対象に、洪水時に水防活動など拠点となる河川防災ステーションの整備を12年度から計画している。この地区は利根川と小貝川の合流点で、下流側の布川狭窄部で水位のせき上げが著しく、治水上重要な区間となっている。このため、盛土や基盤整備、備蓄機材整備などにより、水害時などの危機管理対応の拠点となる河川防災ステーションを整備する。本年度も用地取得などを予定している。

 美しい自然や良好な景観、自然共生空間の創出では、神栖市川尻地区などで利根川下流自然再生事業を行っている。利根川下流域には湿地や水路が入り組み、河川は国内最大級のヨシ原を有する。このヨシ原は、国際的な絶滅危惧種のオオセッカの繁殖・越冬地やヒヌマイトトンボの生息地にもなっているが、近年は高水敷の乾燥化でセイタカアワダチソウ(外来種)などが侵入し、ヨシ原が減少しているほか、埋め立などで干潟・湿地が減少している。

 このため、「多様な生物の生息・生育場を育む湿地・水際環境の保全・再生」をテーマに、干潟やヨシ原・湿地の保全・再生を実施し、利根川下流の特徴的な自然環境の保全と継承を図る。本年度は、河川敷掘削工事などを行って干潟環境を再生し、エドハゼやシギなどの生物の生息・生育環境の保全・再生を図る計画だ。

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