高度浄水処理施設に着工 事業方針 水道施設で浸水対策工事(県企業局)

[2019/5/21 茨城版]
 県企業局の本年度当初予算は、3会計の合計で収益的支出が対前年度比0.8%減の297億9414万円、資本的支出が9.3%増の232億8148万円となった。本年度の事業執行方針は、経営の基本である水道水の安定供給や県民ニーズに応えた事業の実施、および健全経営を目指すことを踏まえて4つの方針を掲げ、この方針に沿った事業を盛り込んでいる。本年度の主な事業は、引き続き老朽化施設の計画的な改築・更新や耐震化事業、県南西広域工業用水道事業の連絡管の整備などを進める。また、新たな高度浄水処理施設の整備では工事着手を予定し、このほか水道施設の浸水対策工事にも本年度から取り組む。

 本年度の当初予算の内訳は、収益的支出が水道事業会計182億2060万円(2%減)、工業用水道事業会計114億9180万円(1.2%増)、地域振興事業会計8173万円(4.9%減)、資本的支出が水道事業会計150億8857万円(20.1%増)、工業用水道事業会計81億2712万円(2.4%減)、地域振興事業会計6578万円(83.9%減)となる。

 また、本年度の事業執行方針は▽計画的かつ効率的な事業展開により、経営基盤の強化を図る▽老朽化施設の計画的な改築・更新、耐震化対策を推進する▽災害の発生に備えた危機管理対策の強化を図る▽工業団地の立地企業に対するフォローアップ等を図る──の4項目となる。

 このうち「経営基盤の強化」では、中長期的な視点にたって経営基盤の強化を図る。企業局経営戦略(27-36年度)を推進するとともに、全国初の試みとなる霞ヶ浦浄水場への新たな高度浄水処理施設の整備では、施設建設に係る詳細設計委託料および工事費に8億4000万円を盛り込んだ。

 新しい高度浄水処理技術は、かび臭物質の除去のための「オゾンと過酸化水素を使用した促進酸化処理」と、溶解性有機物の除去のための「帯磁性イオン交換樹脂処理」の2つを霞ヶ浦浄水場に導入する。17年度末に厚生労働省から事業認可を取得しており、これまで実施設計の策定などを進めてきた。

 効率的な水供給体制の整備に向けては、県南西工業用水道事業で阿見浄水場から水海道浄水場までの連絡管を整備するため本年度も1億6221万円を確保するとともに、新たに霞ヶ浦浄水場のカワヒバリガイ対策で3億1957万円を計上した。

 県南西広域工業用水道事業は、圏央道開通の影響で県西工水(水海道給水系)の需給が逼迫し、現在の施設では新規水需要に対する給水が困難なことから、未売水が多い県南工水から水を融通するため、16年4月1日に両事業を統合した。事業間の連絡管整備は16年度から着手しており、整備完了の目標は22年度、総事業費には22億円を見込む。

 安定的・効率的な浄水場の運転管理体制の確保では、県企業公社への運転管理業務委託で15億1312万円、那珂川浄水湯(工水)運転管理業務・保全業務の一体的民間委託(19~23年度)に1億7031万円を予算化。このほか、将来にわたる安定供給に向けた調査・検討や市町村自己水源(表流水・地下水)の県水道用水への転換促進、水道普及率の向上および普及啓発活動の充実に取り組む。

 「老朽化施設改築・更新」では、老朽化施設の計画的な改築、設備更新を推進する。霞ヶ浦浄水場改築(II期)は19年度の完了を目指し、予算額31億1441万円を確保。阿見浄水場の中央監視制御設備更新工事も同じく19年度の完了に向け、7億5976万円を計上する。

 霞ヶ浦浄水場改築事業では、25年度から排水処理施設、粒状活性炭ろ過池、中間ポンプ棟を対象としたII期事業に着手しており、総事業費は約116億円の見込み。阿見浄水場施設更新工事は17年度から更新事業を実施している。

 また安定給水のための水道施設および管路の耐震化の推進には、水道施設の耐震化(14~23年度)に3768万円、管路の耐震化(12~24年度)に47億0927万円を盛り込んだ。

 「危機管理対策の強化」では、広域水道事業間のバックアップ体制の強化として、新治浄水場から霞ヶ浦浄水場ほか2区間の緊急連絡管を整備するため7億9663万円を予算化。広域水道事業間の緊急連絡管の整備は14年度から実施しており、23年度の完了に向けて引き続き取り組む。

 水道施設の浸水対策は、17年度に策定した浸水対策基本計画に基づき、本年度から新たに浄水場の浸水対策に係る工事などに着手する。本年度は5838万円を予算化し、利根川浄水場の送水ポンプ棟などを実施する。

 このほか、災害や緊急時を想定した連絡体制、応急復旧および給水に関する訓練の充実をはじめ、大規模災害時における東京都水道局などとの広域連携の強化では「支援拠点水道事業体としての活動に関する覚書」に基づく訓練を引き続き実施する。水道施設の防犯、防護対策の強化では、G20貿易・デジタル経済大臣会合期間中などの警備強化を図る。

 「工業団地の環境整備」は、立地企業のフォローアップとともに、未造成地の整備検討に取り組む。本年度も引き続き、江戸崎工業団地の未造成地の整備に向けた検討などを実施する。

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