附属病院棟B改修事業の設計・施工 プロポで大林組選定 来月基本協定結び設計着手(筑波大学)

[2019/6/29 茨城版]
 筑波大学はこのほど、「筑波大学附属病院病棟B改修事業」に係る公募型プロポーザルで、優先交渉権者に大林組を選定した。この事業は設計・施工一括方式による発注で、7月中に基本協定を締結するとともに設計業務委託契約を結び、本年度末までに設計をまとめる。改修工事の契約は20年4月に締結する予定で、23年10月31日の完成を目指す。事業費参考価格は設計費に3億2000万円、工事費に153億円を見込む。

 公募型プロポーザルに参加したのは1グループ(1社)だったが、「建設コンサルタント選定委員会」で審査した結果、病院建築の設計・施工実績と技術の高さ、意欲的な取り組み姿勢で創意工夫を発揮した実現性の高い提案が評価され、大林組が優先交渉権者に選定された。

 提案では特に、▽本事業での取り組み方針・計画コンセプト▽免震改修工法▽使いながらの改修工事での機能維持と安全確保▽品質確保とコストコントロール▽コミュニケーション体制──が高く評価された。

 主な評価点として、本事業での取り組み方針・計画コンセプトでは免震化における課題と提案、設計施工一括発注方式の特性を生かしたコスト縮減などを評価。免震改修工法では、免震層の配置について総合的な視点からの比較評価結果が提示されており、その結果、採用されたB1階柱頭での中間階免震において、免震層廻りの納まりの簡素化や工事費縮減などにつながる優れた改善提案が盛り込まれていた。

 使いながらの改修工事での機能維持と安全確保では、設備工事の順次改修を合理的に進めるための電気室配置、空調設備の先行設置などが具体的に説明されていた。品質確保とコストコントロールでは、設計段階において2回のコスト確認のタイミングを設ける点や設計から施工段階におけるコストコントロールシートの活用などが提案されており、コミュニケーション体制では医療機器や情報システムの調達・整備の具体的な実績が示されていたが、一方で病棟患者の移転に対する配慮が望まれた。

 事業は建築後40年を超える建物の耐震性確保や老朽対策のため、病棟として通常業務を行いながら設備の全面更新や内外部仕上げの全面改修工事を行う、極めて複雑な内容となる。そのため、民間企業の高度な技術を活用することで、工事期間中の患者の療養環境・診療環境への影響を最小限に止めるとともに、工事費の縮減を図ること求めた。

 附属病院はつくば市天久保1丁目に立地し、対象となる病棟Bは1976年に建設された。建物の規模はSRC造地下1階・地上12階建て、塔屋1階で、延べ面積は2万9977平方m。17年度には、山下ピーエムコンサルタンツ(東京都中央区)で基本計画を策定した。

 この事業は17年11月に公募型プロポーザルを実施して優先交渉権者を選定したが、価格面で基準に達しなかったため、契約締結まで至らなかった経緯がある。そのあと、技術面などの見直しを行い、再度業者を募集していた。工事は入院患者がいるなかで実施する予定だが、前回と比べて移動範囲をより広く取って、施工を進めやすくするなど改善を行った。

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