社会資本の充実で発展へ 県央地域首長懇話会 21項目44事業を県に要望

[2019/7/19 茨城版]
 県央地域9市町村の各首長で組織する「県央地域首長懇話会」(座長・高橋靖水戸市長)は18日、県の20年度予算概算要求に対し、地域内で実施される事業の促進を求める要望書を大井川和彦県知事に提出した。要望項目数は21事項44事業で、このうち4事項(4事業)は県央地域全体の要望として全市町村が要望した。個別の市町村の要望は、水戸市が水戸勝田環状道路の整備促進を、笠間市が茨城中央工業団地(笠間地区)や県畜産試験場跡地への企業誘致とアクセス道路の整備を、ひたちなか市がひたちなか地区の土地利用を、那珂市が国道118号バイパスの整備促進を、小美玉市が茨城空港の利用促進と関連道路の早期整備を重点要望に位置付け、事業の促進を求めた。

 懇話会は水戸市、笠間市、ひたちなか市、那珂市、小美玉市、茨城町、大洗町、城里町および東海村の5市3町1村で構成する。当日は各首長らが県庁を訪れて、大井川知事に県央地域内の主要事業の促進や各種支援の充実を要望した。

 要望に先立ち、座長の高橋市長は「県央地域では08年に首長懇話会を立ち上げて圏域の発展に向けた協議を進め、17年度からは定住自立圏共生ビジョンに位置付けた医療や福祉、地域交通など7分野の事業に取り組んでいる」と説明。これらの取り組みをより効果的なものとするため「広域交通ネットワークなどの社会資本をさらに充実させ、広域連携によって有効に活用し一層の発展を目指さなければならない」と述べて、要望事項の実現と県央地域発展に向けた県の支援を求めた。

 要望内容の説明では、県央地域全体の要望として▽財政支援制度の創設について▽小児医療および周産期医療体制の確立に向けた支援について▽一般国道6号の整備促進について▽社会資本総合整備事業について──の4項目を挙げた。

 このうち「財政支援制度の創設」では、災害時の情報伝達手段として非常に重要な防災行政無線のデジタル化について、財政措置を国に働きかけるとともに、県でも新たな支援制度を創設するよう要望した。また、アナログ無線を活用しながらデジタル化に移行する自治体にも配慮し、アナログ無線の継続運用期間の延長や緊急防災・減災事業債の延長を国に働きかけるよう要望。施設の統廃合による公共施設建築物の除却や改修、教育ICT機器整備やICT支援員の人材育成に対する助成制度の創設も求めた。

 「一般国道6号の整備促進」は、広域交通ネットワークの形成や観光の振興をはじめとする様々な取り組みにこの路線の機能強化が不可欠だとして、水戸市地内の国道50号バイパス交点付近の渋滞対策や小美玉市地内(石岡市行政界-茨城町行政界)バイパスの早期事業化、茨城町地内(小美玉市行政界-長岡間)および那珂市向山-東海村石神外宿間の4車線化を国に働きかけるよう要望した。

 「社会資本総合整備事業」は、通学路の未整備区間も数多く残っており安全安心な歩行空間の確保とともに、渋滞の無い道路体系の確立が急がれているとして、防災・安全交付金事業、道路事業、都市再生整備計画事業、市街地整備事業および住環境整備事業の一層の推進を図るため、事業費補助の充実を国に働きかけるよう求めた。

 各市町村個別の要望では、東海村が国道6号の村内区間の4車線整備促進を要望した。新規事業化を受けて村は、地元関係団体と整備促進協議会を立ち上げるとともに、用地取得への協力に意気込みを示し、県土木部からも用地取得への支援が得られるよう要望した。

 小美玉市は茨城空港の利用促進をはじめ、石岡小美玉スマートICアクセス道路(仮称)の確実な進捗と、国道355号玉里石岡バイパスおよび百里飛行場南北線(仮称)など百里飛行場連絡道路の早期事業化を要望した。

 笠間市は、茨城中央工業団地(笠間地区)の特に北側への企業誘致と関連する主要地方道石岡城里線バイパスの整備、および旧県畜産試験場跡地の北街区や東街区の利活用と友部ICへのアクセス道路となる県道平友部停車場線の未改良区間の早期整備を要望した。

 大洗町は、茨城港大洗港区の整備を要望。大洗工区はクルーズ客船の入港需要の増大やクルーズ客船の大型化に対し十分な施設が整っていないことから、茨城港港湾計画に位置付けている第4ふ頭の岸壁240mをさらに20m延長し、水深も8mを9mに変更して早期整備を求めた。

 ひたちなか市は、ひたちなか地区の土地利用について要望。都市センターエリアには地区のシンボル的な機能の導入とともに、本年3月に策定された「ひたちなか大洗リゾート構想」でもラグジュアリーホテル誘致ゾーンに位置付けられ、さらにはひたちなか海浜鉄道湊線の延伸計画も進めていることから、県としても交流機能や交通結節機能、宿泊機能などの導入を検討するよう求めた。

 那珂市は国道118号の「那珂・大宮バイパス」整備事業で、第1期施工分の延長8.3kmのうち那珂市中里地内から飯田地内までの区間が未だ事業化されていないとして、4車線化の整備促進を要望。また県道常陸那珂港山方線は、東海村照沼の国道245号から那珂市向山の国道6号までの約6.1km区間の整備に向けて事業費4000万円が箇所付けされていることから、継続的な事業の推進を要望した。

 城里町は国道123号桂・常北バイパスで、開通済みの区間の北側となる圷-粟間の早期整備を要望した。この区間では本年度、測量・設計や用地買収が予定されているが、計上されている予算の執行のスピードアップと十分な予算の確保を求めた。

 茨城町は、主要地方道大洗友部線の茨城中央工業団地(駒渡側)から国道6号までの延長3.1kmについて、茨城中央工業団地への企業誘致を図るため早期整備を要望。このうち工業団地から運動公園までの1.3kmは優先的に取り組んで用地買収が完了し、工事にも着手しているが、残る1.8kmについても整備促進を求めた。また茨城町地内の駒場から海老沢までの未改良区間も、幅員が狭いうえに通学路に指定されていることから、早期整備を要望した。

 これらの要望に対し、大井川知事は「ご要望はしっかりと検討、あるいは取り組んでいきたい」と応じたほか、「県央地域はつくば・土浦とともに本県の核とならなければならない地域。若者が戻ってきて、人口減に歯止めがかかるようなまちづくりを共に考えていかなければならない」と呼びかけた。

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