外国人雇用や週休2日 合同会議を開催 活発に意見を交換(3県建設業協会)

[2019/7/27 茨城版]
 茨城県建設業協会(石津健光会長)と栃木県建設業協会(谷黒克守会長)、群馬県建設業協会(青柳剛会長)は25日、大洗町のホテルで3県合同会議を開催した。各県建設業協会の役員のほか、来賓として国土交通省常陸河川国道事務所の原田昌直所長や本県土木部の大野谷祐二技監(総括)などが出席し、外国人材受け入れや週休2日制の推進などを議題として活発に意見を交換した。

 冒頭、各建設業協会の会長があいさつに立ち、石津会長は「担い手確保に向けた働き方改革の推進や自然災害に対応するためには、地域の建設業が安定した経営を継続することが不可欠だと考えている。本日は北関東3県が一堂に会し、それぞれが抱える課題について意見を交換することで共通認識を深める絶好の機会であり、有意義な会となることを期待する」などと述べた。

 青柳会長は「本日は他県からのテーマを参考にして、生産性向上や働き方改革推進などで建設的な議論ができると思う。また、自然災害が多発しているこういった時期にこそ、業界がしっかりまとまり、本来の役割を発信していく必要がある」との考えを示した。

 谷黒会長は「建設業は社会資本整備の担い手であるとともに、地域の守り手であり、これまで以上に国民の信頼を獲得していかなければならないと考えている。本日の会議での意見交換を通して、北関東3県の連携が強化されることを願っている」と語った。

 意見交換は、各県がそれぞれテーマを持ちよって議論を重ねた。

 群馬県は、小雪時の除雪業務・体制と熱中症対策費用の2件について提案。熱中症対策費用では、本年度から国発注の工事において、熱中症対策に係る現場管理費が補正されるが、群馬県発注の工事ではまだこの補正が適用されていないと説明し、各県の動向や各協会の取り組み状況をたずねた。

 これに対し、栃木県は本年4月以降に起工した県発注工事から対応していることを説明。一方、茨城県発注工事では未だ対応していないことから、協会としては猛暑日の実態を把握したうえで、県土木部に国の基準に準拠した対応を要望していくと発言した。

 続いて栃木県からは、外国人受け入れの課題と建設キャリアアップシステムの普及促進の2件を提案。外国人受け入れは労働力不足に対応するもので、栃木県では「とちぎ外国人活用促進協会」を設立するなど取り組みが進んでいると説明した。ただし、建設業で外国人特定技能者を採用するためには、言葉の問題や受け入れ経費などの問題があること指摘し、各協会の取り組みや基本的姿勢について意見を求めた。

 これに対し、群馬県は会員企業の採用事例を紹介し、言葉や生活習慣に不安はあるものの、労働力としての優秀さや有効性を認め、今後の受け入れにも前向きという意見が多いと紹介。協会としては特段の取り組みは行っていないが、担い手確保の点から今後必要になると考え、国の制度や他県の状況を参考にしていくと述べた。

 茨城県は外国人受け入れに関する手続きの煩雑さなどを理由に、会員企業で積極的な取り組みが行われていない現状を説明し、協会としては情報収集を行いながら、説明会などを開催していく姿勢を示した。

 また建設キャリアアップシステムについては、4月から運用が開始され、5年間ですべての現場の建設技能労働者に普及する目標で進めており、栃木県では説明会の開催や窓口の開設などを行っているが、申請者がまったく伸びない現状を説明し、キャリアアップシステムに対する取り組み方や基本姿勢を質問した。

 これに対し、両県とも会員企業の登録数が少ないと説明。現段階で中小企業への具体的な導入メリットが得られないことが原因ではないかと分析し、地道な周知活動の必要性を強調した。

 最後に本県の議題として、週休2日制の推進と女性技術者活躍への支援を提案。茨城県は担い手の確保に向けて、本年度から毎月第2土曜日を公共工事の一斉休工日に設定し、休日取得に取り組む建設業への理解促進とイメージアップを図っていることを紹介し、各協会の取り組みや今後の対応を問いかけた。

 これに対して両県は、週休2日制導入は担い手確保や長時間労働の是正を図るうえでも重要であり、避けては通れない課題だと指摘し、積極的に取り組んでいく考えを示した。しかし一方で、日給・月給の労働者の手取りが減ることや、工事の長期化による費用の増加など、解決しなければならない問題点を挙げた。

 女性技術者活躍のための支援では、人材確保に向けて全国的に女性技術者を倍増させる目標のもと、各団体が活動を実施している状況を説明。本県では会員企業の女性技術者数は200人を超え、さらなる女性の入職促進、定着化を図るために女性技術者の支援組織を立ち上げるための準備を行っていることを紹介し、各協会の女性技術者に対する支援状況のついて意見を求めた。

 これに対し両県は、さらなる女性参入を目指して意見交換会やパンフレットの配布、インターンシップの開催、地方紙の活用、行政との連携などの取り組みを披露した。

 会議の総括として、原田所長は各議案について意見を述べ、「本日の意見交換は非常に参考になった。各議案については、関東地方整備局に伝えていく。また、社会資本の整備や維持管理、担い手確保などは、行政と業界の連携が必要不可欠であり、今後も皆さまと知恵を出し合いながら見直しや検討を行っていきたい」と語った。

 大野谷技監(総括)は、今回取り上げたテーマを本県の実情に合わせて説明し、「魅力ある建設業の実現には、行政だけでなく業界の力が必要であり、意見交換を通してひとつひとつ実のあるものできればと考えている。県としてもより良い方向に行くよう、入札契約制度の改正などに取り組んでいきたい」と述べた。

 会議の最後に、来年度の当番県を群馬県が担当することを承認。このあと懇親会が開かれ、互いに親睦を深め合った。

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