ピクシーダストテクノロジーズとAWゾル 研究施設整備を補助(県産業立地課)

[2019/7/30 茨城版]
 県産業立地課は25日、「本社機能移転強化促進補助金」の本年度の第1号認定として、「ピクシーダストテクノロジーズ」(東京都千代田区、落合陽一代表取締役CEO)と「エア・ウォーター・ゾル」(東京都千代田区、尾上英俊代表取締役社長)の2社を認定した。ピクシーダストテクノロジーズには、25日に大井川和彦知事から落合CEOに直接認定書を手渡した。同社は約12億円を投資して、つくばみらい市に研究フィールドを新設する計画。またエア・ウォーター・ゾルは、概算事業費に約18億円を投じ、同社の茨城工場敷地内に研究所新設や調査・企画部門の移転を計画している。

 大井川知事は認定書の交付にあたり、改めて本県への研究開発機能立地に感謝の意を表した。「世界中でメディアアーティストとして活躍されている落合代表取締役CEOを筆頭に、最先端技術である波動制御技術の研究開発・実証実験を県内で実施いただけるとのことで、非常に喜ばしく感じている」と話し、日本を代表する最先端技術の研究開発拠点としてさらに大きく発展することを期待した。

 落合CEOは、つくばみらい市に研究フィールドを新設する理由について「広い実験場となる建屋が必要だったが、つくばみらい市に条件に合う物件があった。また、筑波大学や東京の本社との連携も良く、交通利便性がよい事も決め手となった」と話した。物件については「屋内でロボットの走行やドローンの飛行が可能な広さがあり、無響室が置ける軒高があった。周りに何も無くて静かな環境なのも良かった」と評価した。

 この補助金はAIやIoT、ロボット、次世代自動車など新たな成長分野の本社や本社機能、研究所などの誘致を図るため昨年度に創設した制度で、全国でもトップクラスの補助率・補助上限額を設定している。

 補助対象は、新たな成長分野(AI・IoT・ロボット・次世代自動車)の研究所・本社機能などの県外からの移転で、移転人数は5人(研究所の場合は10人)以上。対象経費は施設整備投資に係る経費、雇用にかかる経費、および賃借料で、本年度からはリース料も補助対象に拡大している。この制度によって、これまでに計10件の移転立地が決定している。

 ピクシーダストテクノロジーズ(資本金23億円)は、独自の波動制御技術を応用した製品の開発および空間開発事業を手掛け、従業員34人で売上高約1.9億円。事業計画によると、つくばみらい市に無響室を含む研究フィールド(延べ面積約3880平方m)を新設する。

 ここで同社は、落合CEOが准教授を務める筑波大学の落合研究所と連携して、独自の波動制御技術「HAGEN(波源)」をコアに、音・光・電磁波などの波動を用いた空間の計測・制御などに係る研究開発・実証実験を行う。概算事業費は約12億円で、供用開始は本年9月を予定しており、県はこの事業に約1億6000万円を補助する。

 一方、エア・ウォーターの100%子会社のエア・ウォーター・ゾル(資本金4億円)は、エアゾール製品の製造販売や化粧品受託事業を手掛け、従業員653人で売上高約211億円。今回は化粧品(液体充填品)の研究開発体制を強化するため、同社の茨城工場敷地内へ研究所を新設し、製品の調査・企画部門も移転する。

 同社は化粧品需要の拡大を背景に成長が続いている化粧品(液体充填品)の受託市場への本格的な参入を進めており、昨年11月には小美玉市三箇地内の茨城工場内に化粧品の製造受託を主とする新工場を竣工・稼働させた。

 敷地内には既にエアゾール製品の研究・開発を行う研究施設があるが、より高品質・高付加価値な製品開発に取り組むとともに、生産と研究の連携によってスピード感のある製品開発体制を構築するため、敷地内に既存研究施設面積の約4倍規模となる新研究所を建設するとともに、本社にある調査・企画部門を生活科学戦略室として移転する。

 新研究所は名称をエア・ウォーター・ゾル「バリュー・クリエーション・ラボラトリー」とし、規模はS造3階建て延べ2632平方m。18日から大和ハウス工業の施工で工事に着手しており、20年1月の開所を目指している。概算事業費は約18億円で、雇用数は約50人を見込んでおり、これに対し県は、約9000万円を補助する。

 尾上社長は「国内外の化粧品需要の拡大で、化粧品の製品開発体制を強化したいと考えていたところ、茨城県から補助金を活用した本社機能移転について積極的なアプローチを受け、研究所の新設と調査・企画部門の移転を決定した。昨年12月に新設した茨城第二工場とあわせ、これまで以上に茨城県や小美玉市の活性化にも貢献していきたい」と話した。

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