23-25年度で建設工事 新最終処分場整備基本方針 次回から候補地選定へ(県廃棄物対策課)

[2019/7/31 茨城版]
 県廃棄物対策課は30日、県庁舎内の会議室で第3回となる「新産業廃棄物最終処分場整備のあり方検討委員会」(委員長:大迫政浩国立環境研究所資源循環・廃棄物研究センター長)を開催し、「茨城県新産業廃棄物最終処分場整備のあり方に関する基本方針」案の検討を行った。それによると、公共関与の手法で埋立容量概ね170万立方mから260万立方m程度の管理型の最終処分場を整備することとし、建設候補地は県内全域から整備可能地を調査・選定して段階的に絞り込み、複数の候補の中から最終候補地を県が決定する。スケジュールは、20~21年度で候補地を決定して22年度までに基本計画や環境影響評価、実施設計を行い、23~25年度に建設工事を実施して25年度からの供用を目指す。

 本県では04年度以降、新規の民間設置の管理型最終処分場は無く、公共関与の最終処分場である「エコフロンティアかさま」も埋立の進捗が18年度末で約6割を超えるなど、県内の産業廃棄物最終処分場の残余容量は減少している。このような現状から、県は産業廃棄物の適正処理や県内産業の振興のため、また大規模自然災害に伴い発生する災害廃棄物の迅速な処理のため、18年度から新たな最終処分場整備の検討を開始した。

 委員会では、本県の産業廃棄物最終処分場のあり方を協議し、新たな産業廃棄物最終処分場整備に係る基本方針や、基本方針に基づく整備可能地を検討する。3月27日に開かれた第1回委員会では廃棄物処理をとりまく現状や課題を、5月27日の第2回委員会では整備の方向性について話し合った。

 第3回の委員会は、新産業廃棄物最終処分場整備のあり方に関する基本方針を取りまとめることとし、事務局が基本方針案を提示して前回までの委員会で示した内容から変更された点を中心に説明した。

 基本方針案によると、産業廃棄物最終処分量は年13万トン程度に抑制することを目標とする。この目標達成のため、排出事業者による3Rの取り組みをさらに加速させ、産業廃棄物の循環的利用を促進し最終処分量の抑制に努める。

 新たな産業廃棄物最終処分場の整備は、企業の99%を占める中小・小規模企業で多額の設備投資を伴う自社処分場の確保が困難であり、また大規模自然災害で発生する災害廃棄物の迅速かつ円滑な処理、あるいは県内産業界や市町村からの期待も高いことから、「公共関与の手法」で整備することが必要とした。

 「最終処分場の機能」は、最終処分場の種類について安定型と管理型でそれぞれの特徴や理立処分が可能な品目、維持管理コストなどを比較。その結果、最終処分場の種類は「管理型」とし、形態(オープン型、クローズ型)はそれぞれの特徴を踏まえて候補地選定とともに検討する。

 最終処分場の位置は、陸地埋立が谷津田や採石場跡地などの地形を生かすことで建設コストの削減を図れるほか、海面理立は処分可能な廃棄物の性質に制約があること、また護岸整備に莫大な費用を要することから、最終処分場は「陸地」から選定する。

 規模(容量)は、まず埋立期間についてエコフロンティアかさまの事例を踏まえ、検討開始から供用まで少なくとも7~8年の期間を要することから、次の段階での整備を見据えて概ね15年以上分を確保する必要があり、エコフロンティアかさまも概ね20年程度の埋立期間となる予定であることから、埋立期間は15~20年程度とする。

 埋立容量は、県内発生分の最終処分量の目標やエコフロンティアかさまの埋立実績から算出した結果、概ね170万立方mから260万立方mを確保するとともに、事業の採算性も十分に検証して決定する。中間処理施設の併設は、廃棄物処理の動向、候補地周辺地域の民間施設の設置状況、地域産業との連携の可能性、用地の確保などを勘案しながら必要性の有無を検討していく。

 「候補地選定の方法」は、県内全域を対象に整備可能地を調査・選定し、段階的に絞り込む。1次スクリーニングでは法令による規制状況、および必要容量の確保や地形を考慮して抽出。2次スクリーニングでは地盤や動植物、水処理などの専門的知見で検討を行う。さらに3次スクリーニングで生活環境や経済性などによる比較検討や総合評価を実施し、これらの段階を経て得られた複数の候補地の中から最終候補地を県が決定する。

 事業運営主体は、国庫補助金の要件から廃棄物処理センターの指定を受けた出資法人やPFI事業者である必要があり、また、公共関与の信頼性を最大限活用し県と一体となって将来にわたり最終処分場の安全性確保などの責任をしっかり果たしていく必要があることから、県環境保全事業団など廃棄物処理センターの指定を受けた県出資法人などとする。

 スケジュールは、エコフロンティアかさまの埋立終了時期を見据えて切れ間無く公共関与の最終処分揚を確保するため、基本方針・整備可能地検討を18~19年度に、候補地決定・地元調整を20~21年度、基本計画・用地取得・環境影響評価・実施設計を20~22年度、建設工事を23~25年度に実施して、25年度から供用を開始する。

 委員からは環境アセスについて、廃棄物処理法の簡易的な生活環境影響調査では無く、大規模な施設(最終処分場は10ha以上)に対し県の条例で定める生活環境影響調査を、計画段階で環境に配慮して実施する「戦略的環境アセス」を適用すべきという意見が出て、事務局は「新たな施設が条件に適合するか現時点では分からないが、できるだけ対応する」と返答。さらに「候補地を選定するプロセスそのものが、戦略的環境アセスの評価と重なってくる部分があることも念頭に、今後スクリーニングの中でいろいろな項目を検討する」と述べた。

 また、候補地も含めて積極的に情報公開することで事業の透明性を高め、施設周辺の住民をはじめ県民の理解を求めるべきという意見が出る一方、無用な支障が生じる恐れもあるので情報公開の範囲には配慮すべきとの意見も出て、公開する情報の範囲も検討委員会で協議していくこととした。

 中間処理施設の併設では、地元の新たな産業を生み出し、経済と社会と環境に配慮してその地域の価値を高める地域共生策を提示すべきといった意見が出て、事務局は「具体的な場所が決まれば、市町村の意向も聞きながら総合的に検討していく」と返答した。

 検討委員会は計7回開催して、新たな最終処分場の公共関与の必要性や施設の機能、候補地の選定や事業運営主体などを検討し、その結果を踏まえて県は19年度内にも基本方針の策定および整備候補地を決定する考え。

 第4回の委員会は9月末か10月上旬にも開催し、地盤や動植物、水処理の専門家も交えて整備可能地の検討に入る。なお、検討段階で個別の具体的な整備可能地が公になると、地域住民の間に不必要な混乱を招き、その後の検討や事業の円滑な遂行に支障を生じる恐れがあるとして、第4回以降の検討委員会の会議は非公開となった。

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