工期設定や休日など協議 意見交換会を開催 熱中症対策で管理費補正(茨建協と県土木部・企業局)

[2019/8/2 茨城版]
 県建設業協会(石津健光会長)と県は1日、県開発公社で意見交換会を開催した。協会からは石津会長と副会長、各支部長、各委員長ら、県からは県土木部の伊藤高部長や県企業局の二川浩次長をはじめ幹部職員らが出席して、適正な工期設定や完全週休2日制促進工事、熱中症対策などについて意見を交わした。特に熱中症対策では、県発注工事も国交省と同じ補正係数で対応することを決定し、1日付で各事務所に通知すると明らかした。

 冒頭、あいさつに立った石津会長は「建設業では人手不足や働き方改革などで、従来の慣例を変えていかなければならない状況にある。本日は我々の率直な意見を伝え、今後の改革に反映できるよう期待する」と述べた。

 伊藤部長はICT施工や週休2日導入、トイレの環境整備などについて、全国に先駆けて取り組んでいることを説明し、「工事量が増加傾向にあるなかで、こうした改革を推進していくためには、協会と行政がともに知恵を出し合う必要があると考えている。本日は忌憚の無い意見が交換できるようお願いしたい」と呼びかけた。

 今回の提案議題は、▽適正な工期設定▽完全週休2日制促進工事▽ICT活用促進工事▽熱中症対策──の4項目。また、要望事項として技能継承も話題にした。

 このうち適正な工期設定では、働き方改革によって時間外労働の上限規制が適用されることに伴い、生産性向上とあわせて適正な工期設定が必要になると指摘。この取り組みの実現には、建設工事従事者の休日や労務・資機材調達の準備期間、現場の後片付け期間、降雨日、降雪・出水期などについて考慮する必要性を説明し、適正工期設定についての県の考え方を尋ねた。

 これに対し県からは、基本的には国交省の標準工期の試算式に準拠していることを説明。また、現場条件に応じた特別な配慮や週休2日制工事などでの工期延長についても言及し、働き方改革推進に向けて取り組んでいく考えを示した。

 追加質問では、協会から高力ボルトなどの資材不足によって、建築や橋梁の工事が遅れている現状を説明し、そうした案件に対する工期延長もあわせて要求した。

 完全週休2日制促進工事では、本年度に改定した実施要領に明記している工事成績評定評価の具体的な加点方法に加え、国交省と同様に履行実績取組証を発行する予定があるのかについて質問した。

 これに対し、県は成績評定について全般的に評価すると説明し、例えば工程管理が難しい工事での達成やICT施工との組み合わせによる達成などを評価すると、具体例を挙げながら紹介した。また、実績証明についても発行していく考えを示し、現在は詳細について検討している段階と述べた。

 追加質問は、週休2日制のフレキシブルな対応についての意見があった。他県では基本的に土日を休みにしているが、土日が雨であると事前に分かっている場合、前日までに申請すれば振り替えが可能になる取り組みを紹介し、本県でも同様の振り替え制度導入の検討を求めた。

 ICT活用促進工事では、チャレンジいばらきII型の工事成績での具体的な評価方法と、その後の総合評価方式をはじめとする活用方法についての考え方を質問した。

 これに対し県は、ICT活用促進工事の具体的な項目を設けるのではなく、成績評定全体で評価していくと説明。総合評価は本年度に改定する予定だと説明し、そのなかでICT実施の有無を新たな評価基準に設定する可能性を示唆した。

 熱中症対策は、本年度から国発注の工事で熱中症対策に係る現場管理費が補正されることに加え、北関東では栃木県発注工事でも対応していることを紹介し、本県での取り組み状況を質問した。

 これに対し、県はこれまでに観測点や対象となる工期の範囲、週休2日制と併用する場合の補正率の計算方法などについて検討してきたことを説明。その結果、完璧ではないが県の独自の判断を加えたものを、1日付で各事務所に通知を出す予定であると報告した。その際の補正係数については、国交省や栃木県と同じ数値を採用する。

 また要望事項で、技能継承について説明。これは本年6月に茨建協と県建築関連団体交流会が意見交換会を実施したときに提案されたもので、協会の担当者は伝統的な住宅建築などの工事量が減少することに伴い、左官や石積みなどの技能が著しく低下し存続が危ぶまれる状況にあると説明し、技術者育成の観点から県発注の工事で対応することができないか要望を伝えた。

 これに対して県からは、営繕課の担当者に伝えていくと返答した。

 提案議題以外にも、人手不足に伴うガードマンの配置要件の緩和や、ICT施工の際の現場と設計図書の差異が著しいことなどが話題にあがり、それぞれの立場から活発に意見を交わした。

 最後に石津会長は「これから改革を行うあたり、さまざまな問題点が出てくると思う。そうした際には、今回のように意見交換会を開き、ひとつひとつ解決していくことが重要。今後も継続して開催できるよう協力をお願いしたい」と述べた。

 これに対して伊藤部長は「こうした会議は間を置くと、同じ内容を繰り返すおそれがある。徐々に内容をステップアップするためにも、頻繁に開催できれば」などと返答した。

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