千波公園に民活導入 サウンディング調査開始 来年度にも事業者公募(水戸市)

[2019/8/10 茨城版]
 水戸市は7日から、千波公園の魅力向上に向けたマーケットサウンディング(市場調査)を開始した。参加要件は、千波公園への民間施設導入に事業主体として関心と意欲を有する民間事業者など(法人または法人のグループ)とし、グループで参加する場合は主たる役割を担う代表者を1社選定する。20日には事前説明および現地見学会を開催し、9月24日から26日にかけて個別対話を実施して10月に提案結果を公表する。事業スケジュールによると、本年度のサウンディング調査に基づいて20年度は事業者を公募し、契約後に施設建設工事などを行って21年度の施設運営開始を想定する。

 千波公園は、中心市街地に隣接する市のシンボル的な公園で、隣接する偕楽園公園とともにこれまで魅力の向上に努めてきた。一方で都市公園を取り巻くニーズが大きく変化しているため、市は民間の豊かな発想を取り込んだ新たな公共サービスを提供し、さらなる千波公園の賑わい創出につなげることを検討する。

 そこでこのマーケットサウンディング調査では、民間事業者との対話を通して公園の魅力向上のための事業アイデアや参加しやすい事業条件などを把握することで、今後の官民連携による魅力向上事業の事業者公募に活かすことを目的に実施する。

 千波公園は千波町に位置する総合公園で、敷地面積は約73.57ha。市は16年5月に策定した「偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画」に基づいて再整備する方針で、自然や歴史、文化を生かした整備やイベントの開催、ジョギングやウォーキングに取り組みやすい環境整備などを推進している。

 現在想定しているのは、公募設置管理制度(Park-PFI)を活用した事業方式による公募。この制度は千波公園に設置する飲食店などの収益施設(公募対象公園施設)を都市公園法に基づく公園施設の設置管理許可で民設民営するもので、その設置者を公募選定する手続きを同法の規定に基づいて実施することを想定している。

 対象区域は千波公園全域で、市が主に提案を求める範囲は▽レイクサイドボウル跡地周辺エリア▽消防学校跡地周辺エリア▽せせらぎ広場周辺エリア▽西の谷エリア──の4カ所となる。今回の調査では、偕楽園は含まない。事業規模については、1店舗の規模のものから複合施設まで、自由に提案して構わない。

 提案の内容は、事業内容として▽基本コンセプト▽想定されるエリア▽想定される施設の概要、施設構成、土地利用・配置イメージなど(ハード)▽想定される魅力向上のための仕掛け(ソフト)▽事業実施で高まることが想定される公園の効用、事業効果──を求める。

 また、事業実施条件では▽想定している事業スケジュール、事業期間、営業時間▽想定している事業収益の公園の魅力向上への還元方法▽想定している投資額、管理運営費、事業収入、土地使用料など──を提案することとし、ほかにも周辺地域との連携、地域への貢献の考え方や取り組みに当たっての課題、そのほか事業全般に関する意見などを求める。

 提案施設は、都市公園法の公園施設に該当する施設のうち、千波公園に賑わいをもたらす施設と考える施設の提案を求める。規模は店舗から複合施設まで、自由に提案できる。既設の公園施設は、撤去や移設が可能なものとして自由に提案できるが、公園機能を損ねるものは再設置が必要となる場合があり、その際の撤去費用や再設置に要する費用は協議することになる。

 事業期間については、20年以内を想定している。費用は民間資金で施設の整備、管理運営を行う事業を想定し、公募対象公園施設(収益施設等)を設置する場所には土地使用料が発生する。特定公園施設については費用は発生しない。

 対象区域内には一部埋蔵文化財包蔵地があるため、包蔵地内で事業を行う際には遺構の取り扱いについて事前協議が必要となり、施工規模によっては発掘調査も必要となる。対象区域の用途地域は「第一種低層住居専用地域」で、都市計画法上の「風致地区」に該当することから建築物の高さは15m以下とする。

 Park-PFIの全体スケジュールは、19年度にサウンディング調査を実施してその結果に基づき公募指針を作成し、20年度は事業者を公募して協定・契約を締結して、工事など事業の準備を行う。運営開始は21年度からを想定するが、事業規模によっては工事などの長期化が見込まれることから、運営開始が遅れる可能性もある。

 サウンディング調査の手順は、20日に事前説明と現地見学会を開催(申し込み期限は16日)し、20日から30日まで個別対話への参加を受け付ける。21日から9月19日まで提案書を受け付けて、9月24日、25日、26日の3日間で個別対話を実施する。提案結果の取りまとめと公表は10月を予定する。

 参加申し込みや詳しい問い合わせは、都市計画部公園緑地課千波湖管理室(〒310-8610、水戸市中央1丁目4番1号、電話029-232-9214、FAX029-224-1116、Eメールsenbakanri@city.mito.lg.jp)まで。

 なお、市は6月の定例市議会に、千波公園用地としてレイクサイドボウル跡地の面積1万2729.91平方mを3億7600万1142円で取得する案を提出し、原案可決している。レイクサイドボウルは千波公園に隣接するボウリング場で、東日本大震災で被災したことで閉館した。

 取得後の活用については、市偕楽園公園(千波公園等)整備基本計画の中で、レイクサイドボウル跡地を含めた千波湖西側を「観光交流や新しい魅力発信エリア」と位置付け、飲食・物販・情報発信などの複合機能を有する新たな観光拠点の形成を図る方針が盛り込まれている。取得が完了した後は、拠点形成に向けて拠点施設に相応しい機能や規模、さらには民間活力導入の可能性など検討していく。

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