公共事業費187億円を追加 あすなろの郷再編で測量 カシマサッカースタジアム サブグラウンドを整備(県の9月補正案)

[2019/8/24 茨城版]
 大井川和彦県知事は23日、県庁で記者会見を開き、30日に開会する県議会第3回定例会の提出議案を明らかにした。一般会計補正予算案は200億2800万円を追加して、補正後の総額を1兆1557億9600万円とする。公共事業費に国補・県単をあわせて183億0400万円を追加したほか、eスポーツ競技場の整備や病院の再編統合に伴う旧病院の解体支援、カシマサッカースタジアムへのサブグラウンド整備に係る事業費などを予算化。あすなろの郷の再編整備では、前段となる敷地内の測量や地質調査に着手する。あわせて翌年度の公共工事の平準化を図るため、本年度も全会計で30億円の債務負担行為を設定する。

 今回の補正予算案は、▽本県の特性を活かした地方創生・地域産業創造の推進▽地域の医療や福祉の体制強化を支援する取り組み▽本県の発展を下支えする社会資本整備──など、早急な対応が求められる政策課題に速やかに対応するために必要な事業費を計上した。

 補正の財源には、国庫支出金や県債などを活用するとともに震災復興特別交付税を充当し、そのほか所要の一般財源については繰越金10億6000万円を活用している。補正後の総額1兆1557億9600万円は、前年度9月補正後の予算総額(1兆1249億7000万円)に対し2.7%の伸びとなっている。

 特別会計は、鹿島臨海工業地帯造成事業に2億9100万円追加する一方、都市計画事業土地区画整理事業で5億7700万円を減額し、差し引き2億8600万円の減額。企業会計は鹿島臨海都市計画下水道事業で3億8600万円、流域下水道事業で10億0200万円の、合計13億8800万円を追加した。一般会計とあわせた補正予算の総額は、211億3000万円の増となっている。

 主な新規事業をみると、カシマサッカースタジアムサブグラウンド整備事業では鹿島臨海工業地帯造成事業特別会計に2億9100万円を予算化し、東京オリンピックの開催に向けてカシマサッカースタジアムの隣接地にサブグラウンドを整備する。

 設置場所はスタジアムの北側隣接地で、敷地面積は約1万6000平方m。ここに約9000平方mの天然芝グラウンド1面と、雨水浸透設備を設置する。敷地は一部県有地のほか借地で対応する方針で、手続きが完了したあと測量や設計、整備工事などを実施して20年7月の供用開始を予定する。芝生は鹿島アントラーズから寄贈を受けるなど、コスト削減にも努める。

 いばらきeスポーツ産業創造プロジェクト事業は、「eスポーツの拠点・茨城」のブランド化を図るため、国体での大会開催実績を活かしてeスポーツ競技場整備や人材育成を進め、関連産業を誘致・創出する事業。今回の補正案では、2000万円を計上した。

 このうち800万円は、競技活動と人材育成の拠点となるeスポーツ競技場の整備に充て、ザ・ヒロサワ・シティ会館に専用機材を導入する。残る1200万円は「いばらきeスポーツアカデミー」の開設や「いばらきeスポーツ大使」の委嘱、「いばらきeスポーツ推進協議会」の運営など人材育成のための費用とする。

 拡充事業は、地域医療提供体制再構築支援事業に1億8300万円を計上した。この事業は病院再編統合に伴い、新施設の整備や旧病院の解体を支援するもので、18年度からの継続事業となるが19年度当初は予算計上していなかった。

 このうち鹿行南部地域の病院再編では、神栖済生会病院の本院増床に向けた基本計画や基本設計の策定にかかる経費として、今回補助金1800万円を用意する。筑西地域の病院再編では、旧県西総合病院の解体に1億1500万円、旧山王病院の解体に5000万円の計1億6500万円を補助する。筑西地域では旧筑西市民病院の解体も予定しており、こちらは22年度の実施を予定する。

 あすなろの郷再編整備関連事業は、建設後45年が経過して老朽化が課題となっている入所施設や病院について建て替えの方向性を固め、今回の補正で敷地内の候補地の測量や地質調査の委託料700万円を計上する。

 再編整備の方向性は現在、整備調整会議で検討作業を進めているが、この中で最重度の人の入所施設や病院は県立施設として新設し、生活訓練を行う施設などは民間事業者の参入を図る方向で委員から概ね理解を得ている。このため手戻りの無い範囲で、本年度は整備に向けた調査を実施する。

 今後は9月にも整備調整会議で再編整備の方向性を取りまとめ、20年度に造成設計、21年度に造成工事を行って22年度から新施設の建設に着手する方針。県立施設については24年度の完成を目指して整備を進める。

 みんなに優しい学校施設づくり推進事業は、生徒の生活環境の改善や災害時の避難所の機能向上を図るため、県立学校の普通教室棟や体育館のトイレの洋式化および多目的トイレの設置を進める。今回は予算額8300万円を確保して、23校の設計を策定する。このあと19年度から23年度までの5カ年で順次、整備工事を実施していく。

 社会資本の整備では、国補公共事業費(直轄事業負担金、補助事業)に全会計で173億3600万円を盛り込んだ。このうち地方道路整備事業費には126億5000万円を配分して、圏央道周辺アクセス道路の整備や国の緊急対策にかかる道路整備・法面対策など、道路改良工事を75カ所で実施する。国補河川改修事業は30億2000万円を予算化し、国の緊急対策にかかる橋梁の架け替えや堤防整備、河道掘削など、24カ所で事業を実施する。

 また県単公共事業は、防災・減災対策事業や偕楽園魅力向上等推進事業などに、全会計で13億9300万円を確保した。防災・減災対策事業は4億3000万円を配分し、緊急的に対応が必要な河川の護岸修繕や港湾の浚渫、防潮護岸修繕などを実施する。事業箇所は護岸修繕が7カ所、港湾浚渫1カ所などを計画する。

 偕楽園魅力向上等推進事業は8500万円を計上し、11月1日からの偕楽園本園有料化に必要な体制を整えるとともにさらなる魅力向上を図り、日本を代表する観光拠点化を目指す。事業内容は料金徴収業務やキャッシュレス決済の導入、自動発券機の設置、呈茶の実施などを計画する。

 道路工事基礎調査事業は、カシマサッカースタジアム周辺の渋滞対策に係る実証実験や調査を行うため、4800万円を盛り込んだ。スタジアム周辺にバスレーンを設置し、実証実験を実施する。

 鹿島臨海特定公共下水道関連事業では、鹿島臨海都市計画下水道事業会計に3億8600万円を予算化して、緊急的に対応が必要な機械電気設備や管渠などの老朽化対策を実施する。事業箇所は機械電気設備の改築1カ所、管渠改築1カ所を計画する。

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