火葬炉選定をプロポで 新斎場の整備 基本・実施設計も近く発注 選定支援業務は来月10日開札(水戸市)

[2019/8/29 茨城版]
 水戸市は新斎場の整備に伴う火葬炉の選定で、設備の安全性、信頼性などに関する専門的な技術も評価するため、プロポーザル方式を採用する方針を固めた。火葬炉メーカーの見積りを参考にしてプロポーザルの実施要領を策定し、9月中にも選定評価委員会を設置して10月から20年1月にかけてプロポーザルを実施して火葬炉メーカーを選定する。また選定の事務手続きを円滑に進めるため、コンサルタントに選定支援業務を委託することとし、28日には指名競争入札を通知した。これと並行し、施設の基本・実施設計についても9月中に発注して10月から策定作業に入る予定。選定された火葬炉メーカーは火葬炉の整備予定者となることから、覚書を交わして設計策定に対する業務協力も要請する。

 斎場の火葬炉は、火葬炉メーカーの技術で燃焼炉の構造(形状や大きさなど)が異なる。このことから市は、新斎場の基本設計に火葬炉の仕様を反映させるため、火葬炉の整備予定者となる火葬炉メーカーを先行して選定する。

 この選定では、火葬炉が技術的な専門性の高い特殊な設備であるとともに、非常災害時においても安定した稼働継続が求められることなどから、経済性とあわせて設備の安全性、信頼性などに関する専門的な技術についても評価するためプロポーザル方式を採用する。その技術提案に対する評価を客観的かつ公平・公正に実施するため、学識経験者で構成する選定評価委員会を設置し、その評価を踏まえて市が選定する。

 また、プロポーザルの事務手続きを円滑かつ的確に進めるには技術的な専門知識やノウハウを必要とすることから、コンサルタントに選定支援業務を委託する。業務の内容は、技術提案に係る基本条件の整理や書類の作成、評価委員会の運営支援など技術的な支援で、予定価格は451万円。9月10日に開札して、20年1月17日までの期間で業務を実施する。

 火葬炉選定のプロポーザルを実施するには、参加資格や評価方法などを記載した実施要領を策定する必要があることから、市は実施要領に設定する概算事業費の参考とするため、火葬炉メーカーに見積りの提出を依頼する。

 依頼に当たっての条件は、24年4月の供用開始を予定していることから、工期を22年1月から24年3月までと設定する。火葬炉の基数は基本計画に基づき4基とし、対応棺サイズは長さ2100mm、幅650mm、高さ650mmとする。このほか、火葬炉の燃料はLPガス、炉床方式は台車式、排気方式は1炉1排気系列強制排気方式と定める。

 排ガス冷却方式については、プロポーザル参加者の提案方式とする。なお、熱交換器を用いる場合には厚生労働省通知に基づき、触媒処理装置または活性炭吸着設備などの設置を考慮することを求める。環境保全対策も、基本計画で設定した環境保全目標値を遵守することとする。

 新たな斎場の整備では、18年度に環境影響評価を実施するとともに、基本計画を策定している。それによると、整備地は新ごみ処理施設の事業用地にある生活環境向上施設の用地のうち、B用地(面積約2万5000平方m)を選定した。

 新斎場の基本的機能は、「火葬部門」として火葬炉および告別室、炉前ホール、収骨室を、「待合部門」として待合ホールや待合室を、「式場部門」として式場を、「外構」として駐車場や緑地を整備し、施設規模やレイアウトの詳細は基本設計の中で検討する。

 「火葬部門」には火葬炉4基を整備するほか、将来の火葬需要の増加や火葬炉の改修などによる増設にも対応するため、1基分の予備スペースを確保する。「待合部門」では、将来の火葬炉5基体制にも対応できるよう洋室5室を基本とし、可動式間仕切りなどで利用者数に応じた弾力的な運用ができる形態とする。

 「式場部門」は、利用ニーズの高い現斎場の第二、第三式場に相当する80人程度と160人程度が収容可能な2式場を整備し、利用者に応じた弾力的な利用を可能にする。「外構」は、来場者用として乗用車240台程度、身障者等用を4台程度、バス用としてマイクロバス5台程度を確保。緩衝緑地を設けるとともに、周辺環境と調和のとれた緑地整備を行う。

 このほか、業務継続性を確保するため大規模災害発生後の業務の継続に留意した施設整備を行う。また非常用発電機を設置し、火葬中に電力供給が途絶えた場合にも火葬を継続して完了できる計画とする。さらにはユニバーサルデザインの積極的な導入をはじめ、将来の火葬炉増設や修繕工事を見据えて長期的な見地から経済性を考慮した建物構造、設備を採用する。

 事業手法は検討の結果、従来方式(公設公営方式)を基本とする。事業費は建設費37億7700万円、運営・維持管理費(15年分)17億5800万円など総額58億1004万円と試算した。

 建設費の内訳は、設計・工事監理費が地質調査、基本設計、実施設計、工事監理をあわせて1億9700万円、工事費が建築工事、火葬炉築炉工事、外構工事をあわせて35億0300万円、その他が什器・備品費など7700万円を見込む。

 整備スケジュールは、19年度に火葬炉の選定および基本設計に着手して、20年2月には都市計画決定手続きを行う。20年度は引き続き実施設計を策定し、21年度下期に建設工事を発注して23年度末までの3カ年で施工する。

 基本・実施設計は、9月にも発注して10月から着手する予定で、現在はプロポーザルも含めた発注方法の検討や発注準備を進めている。本年度の当初予算には、設計や地質調査の委託料5320万円を予算化するとともに、設計の2カ年継続費1億4500万円を設定している。

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