被災で新庁舎建設を保留 計画検証の可能性も(大子町)

[2019/10/17 茨城版]
 大子町は、被災した庁舎の復旧作業を進める一方、年度内の着工を予定していた新庁舎建設計画で建設予定地が現庁舎敷地内となっていることから、検証が余儀なくされそうだ。現在は実施設計の策定が保留状態にあり、まずは災害対応を急ぐ方針だ。

 町では16日8時30分現在で、床上浸水が392棟、床下浸水が66棟あり、陥没や法面崩壊などで町道7カ所が通行止めとなっている。

 押川と久慈川の合流部に近い役場庁舎では、久慈川の越水で周辺一帯が浸水し、庁舎地下階では水位が2mを超すなど、分庁舎を含めて甚大な被害を受けた。庁舎西側の新庁舎建設予定地に指定した災害ごみ置場も既に飽和状態となり、現在は3カ所目となる中央公民館グラウンドで受け付けている。庁舎北側に放送局を設置し、防災情報などを提供していたコミュニティFM「FMだいご」も、設備関係が被災したことから視聴できない地域もあるという。

 今回の庁舎被災を受け、敷地内で計画していた新庁舎建設計画への影響も懸念されている。この計画ではこれまで、遠藤克彦建築研究所(東京都品川区)で実施設計の策定作業を進めていたが現在は保留状況にあり、災害対応が落ち着いてから計画の検証を行う見通しだ。

 新庁舎は当初、浸水対策などでピロティを採用した延べ4356平方mほどを想定していたが、建設コスト削減などを図るためピロティ廃止も含めた見直しが行われ、施設規模を延べ3561平方m程度に縮小している。

 ピロティを無くしたことで浸水対策は、1階フロアの高さを堤防より60cmから90cmで設定し、越水時にも床上浸水がないように対策する。1階の駐車場を兼ねたイベント広場や屋上展望デッキなどのスペースは、災害発生時に避難者を受け入れる防災広場として利用することも計画している。

 今後の災害対応や検証結果の状況次第では、年度内の着工を予定していたスケジュールも不透明となっている。

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