越水で堤防決壊か 堤防調査委員会 那珂川・久慈川で調査(関東地方整備局)

[2019/10/22 茨城版]
 台風19号による堤防の決壊について被災原因を特定するため、国土交通省関東地方整備局が設置した「那珂川・久慈川堤防調査委員会」(委員長=安田進東京電機大学名誉教授、東京電機大学総合研究所客員教授)は18日、国が管理する那珂川と久慈川の堤防決壊箇所6カ所で現地調査を実施した。調査後に記者の質問に答えた安田委員長は、堤防決壊の主な要因を「越水で堤防が削られたもの」と考察しており、整備局では状況に応じた適切な工法を検討していく考えだ。

 今回の台風19号では、関東整備局管内で県内の久慈川と那珂川と、荒川水系の越辺川および都幾川の国管理4河川9カ所(延べ1530m)が決壊し、延べ約40平方kmが浸水。整備局では、「荒川水系越辺川・都幾川堤防調査委員会」と「那珂川・久慈川堤防調査委員会」を設置し、16日から調査を開始した。

 18日に行われた県内での調査には、委員として土木研究所や国土技術政策総合研究所の担当者や、大学関係者などの有識者5人が参加し、県内で堤防が決壊した国管理河川2河川6カ所(久慈川3カ所、那珂川3カ所)の調査を行った。

 調査のあと、関東地方整備局河川計画課の小宮山隆建設専門官は「決壊原因に基づく復旧工法を検討すること」などと調査趣旨を説明し、原因を踏まえた本復旧工事に尽力していくと話した。

 記者の質問に答えた安田委員長は、決壊の要因には3つのメカニズム(越水、浸透、浸食)があると説明した上で、このうち久慈川と那珂川の決壊は越水で堤内側の堤防が破壊されていったことを大きな要因に挙げた。また、久慈川右岸25.5km付近(常陸大宮市下町)の決壊については、上流の氾濫による可能性もあるとした。越水型が多い要因には、今後の精査が必要だとしたものの、水量が増えて水位の上昇が激しかったことなどを指摘した。

 整備局では今後、今回の調査から決壊原因を精査し、決壊部に対する原因に応じた復旧工法を検討していく考えだ。

 これらの決壊箇所では、いずれも14日までに緊急復旧工事に着手し、これまでに全ての箇所で堤防盛土工事が完了。現在は引き続き、ブロック張などの工事が進められている。また、県管理河川の久慈川水系の久慈川左岸34km付近(常陸大宮市小貫)と浅川右岸1.6km(常陸太田市松栄)の堤防決壊箇所では、県知事からの要請に基づき、国が権限代行で18日から緊急復旧工事に着手し、盛土工事などが進められている。

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