早期の激甚災害指定など 台風被害で県が各省庁に緊急要望

[2019/10/24 茨城版]
 大井川和彦県知事は21日、東京都内の各関係省庁を訪れ、「台風19号による大雨等災害に係る緊急要望」を実施した。県民の安全・安心な日常生活を一刻も早く取り戻すため、抜本的な河川改修の推進や公共土木施設の災害復旧、都市災害の幅広い採択、早期の激甚災害への指定、社会資本整備財源の十分かつ安定的な確保などについて特段の配慮を求めた。これに対し、菅義偉官房長官は「やれることは全部やる」、小泉進次郎環境大臣は「まずは目の前のがれきの撤去にしっかり対応していきたい」など、各大臣から復旧・復興に向けてできる限り支援していくとの前向きな発言があった。

 今回の要望では、内閣府の武田良太特命担当大臣(防災)に「早期の激甚災害への指定」や「被災者の生活再建支援」を、経済産業省の菅原一秀大臣に「被災中小企業等支援」を、厚生労働省の加藤勝信大臣に「医療施設、社会福祉施設等の災害復旧」を、環境省の小泉大臣に「災害廃棄物の処理」を、内閣官房の菅官房長官に「本県への支援」を、総務省の高市早苗大臣に「災害復旧に係る地方財政措置」を、農林水産省の河野義博政務官に「被災した農業者・農業関連施設への支援」を、文部科学省の萩生田光一大臣に「学校施設等の災害復旧」をそれぞれ働きかけた。

 大井川知事は、台風19号による甚大な被害から現在、県や関係市町村が総力を挙げて被災者救済および被災地の復旧に取り組んでいるところだが、被害が県内全域で広範囲に確認され、住宅などの建物被害だけでなく鉄道・道路などの公共施設、農作物や農業用施設などにまで及び極めて深刻であるとして、県民の安全・安心な日常生活が一刻も早く取り戻せるよう特別の配慮を要望した。

 これに対し、菅原経済産業大臣は「経産省としても、中小企業の特別相談窓口の開設や日本政策金融公庫の災害復旧貸付などの対応を行っており、今後、被災地への支援パッケージも早急に対応していきたい」と返答。

 また、小泉環境大臣は「災害廃棄物のトータルな意味での撤去には相当時間がかかるが、被災者が日常を取り戻すためには、まず目の前のがれきが撤去されることが必要だと考えているので、しっかり対応していきたい」、萩生田文部科学大臣は「激甚災害の指定になる前提で、積極的に支援していきたい。予算の心配をせず、復旧・復興に向けて取り組んでもらいたい」などと発言した。

 以下、緊急要望のうち主な内容は次の通り。
【被災者に対する支援】
〈被災者の生活再建支援について〉(内閣府、国土交通省)
 被災者生活再建支援法の適用にあたっては、市町村の区域に捉われることなく、同一災害の被災者が等しく支援を受けられるよう、制度改正を行うこと。
 また、同法による支援金の支給にあたっては、対象となる被災世帯を「全壊」、「大規模半壊」に限定せず、「半壊」などの日常生活に大きな支障が生じる世帯にも拡大すること。さらに、床上浸水被災者を幅広く救済できるよう半壊に係る査定要件を緩和すること。
 住宅金融支援機構の災害復興住宅融資制度について、住宅再建に係る被災者の負担軽減を図るため、現行制度よりも融資利率を引き下げるなど、特段の配慮を行うこと。
〈住家の一部損壊に対する支援について〉(国土交通省・内閣府・総務省)
 台風15号に係る災害を受け実施されることになった住家の一部損壊の支援について、台風19号においても適用すること。
〈被災した農業者・農業関連施設への支援について〉(農林水産省)
 農地、用排水機場等の土地改良施設、農業用施設・機械について甚大な被害が発生しているため、被災した農業者が速やかに営農再開できるよう、災害復旧事業の補助率の嵩上げや、農業用施設・機械などの復旧に係る支援策を講じるなど、特段の配慮を行うこと。

【災害からの復旧】
〈抜本的な河川改修の推進について〉(国土交通省)
 那珂川及び久慈川において、洪水時における流下能力が十分でなく、本川のみならず本川から支川へのバックウォーターなどにより支川の周辺地域にまで甚大な被害が生じたことから、流下能力の大幅な向上が図れるよう、抜本的な河川改修を推進すること。
〈公共土木施設等の災害復旧について〉(国土交通省)
 久慈川、那珂川等の決壊に伴う応急復旧をはじめ、洪水に伴い大きく被災した河川や道路等の公共土木施設の早急な復旧のため、特段の配慮を行うこと。
〈久慈川の復旧支援について〉(国土交通省)
 久慈川(県管理区間)において、応急復旧への支援及び国による本格的な復旧をお願いしたい。
〈都市災害の幅広い採択について〉(国土交通省)
 台風19号による冠水等のため、都市部においては排水施設に障害が発生し、復旧作業に支障が生じていることから、排水施設の復旧や土砂等の撤去・搬出についても災害復旧として広く採択すること。
〈JR水郡線の早期復旧について〉(国土交通省)
 県北地域の重要な公共交通インフラとして、通勤・通学や観光輸送を担うJR水郡線においては、橋梁の流失など線路設備等に深刻な被害が生じていることから、全線の早期復旧を図るとともに、十分な財政支援など特段の配慮を行うこと。
 また、公共交通機関の正常な運行が回復するまでの期間において、必要な生活交通を円滑に確保できるよう、交通事業者又は地方自治体が実施する代替交通の確保について必要な支援をすること。
〈災害廃棄物の処理について〉(環境省)
 被災地域においては、今回の災害により大量の廃棄物が発生しており、その処理のために過大な負担を強いられることから、必要な費用の全額を国が支援すること。
〈医療施設、社会福祉施設等の災害復旧について〉(厚生労働省)
 医療資源が著しく乏しい県北地域をはじめ、各地域の医療施設や社会福社施設等が被災していることから、早期に激甚災害の指定に加え、各施設の災害復旧補助金に係る次の事項について特段の措置を講じること。
 ○地域の医療・福祉を支えている医療施設や社会福祉施設等については、全ての施設等を補助対象とすること。
 ○全ての医療施設や社会福祉施設等に対して、建物及び建物附属設備、設備、機器に限らず、備品、消耗品など復旧にかかる全ての費用を補助対象とすること。
 ○全ての医療施設や社会福祉施設等を対象として、補助率の嵩上げを行うこと。
〈水道施設の災害復旧について〉(厚生労働省)
 河川の氾濫などにより水道施設の冠水などが発生していることから、早期に激甚災害の指定に加え、査定事業費条件の引下げ並びに全ての復旧経費を対象とすること。
〈学校施設等の災害復旧について〉(文部科学省)
 多数の学校施設(私立学校を含む)や社会教育施設等において、床上浸水や破損等の被害を受けたことから、早期復旧のため、国庫補助率の上乗せなど特段の配慮を行うこと。
〈交通安全施設の災害復旧について〉(警察庁)
 那珂川、久慈川の決壊等に伴う水害により被災した信号機等の交通安全施設を早急に復旧させるため、補助要件の緩和や国庫補助率の嵩上げについて、特段の配慮を行うこと。

【財政措置】
〈早期の激甚災害への指定について〉(内閣府)
 今回の台風19号による大雨等により発生した本県の災害を激甚災害として早期に指定すること。
〈災害復旧に係る地方財政措置について〉(総務省)
 被災地方公共団体が被災者支援などのために、必要な財政需要に柔軟かつ的確に対処できるよう、特別交付税の増額について特段の配慮を行うこと。
〈社会資本整備財源の十分かつ安定的な確保について〉(国土交通省)
 国及び地方の社会資本整備財源の十分かつ安定的な財源を図ることにより、災害に強い国土づくりを着実に進めること。
 特に、今回の災害において国や県が管理する公共土木施設の多くに被害が生じたことから、各施設の整備等の迅速化を図ること。

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