災害査定後に本復旧 県議会土木企業委 台風19号の被害状況を聴取

[2019/10/26 茨城版]
 県議会土木企業委員会(島田幸三委員長)は25日、閉会中委員会を開催して、本年度の重点審査テーマ「災害に強い県土づくり」に基づく台風19号の被災状況について執行部から聴取した。この中で執行部は、県管理河川の12カ所で応急復旧を実施しており、県管理道路は23日中に通行規制を全て解除したと報告。被災した河川や道路の本復旧については、この後国による災害査定を受けた後に速やかに実施していくと説明した。

 この日の委員会は、台風19号の被災状況を把握して早期の復旧に向けた取り組みを進めるため、日程を変更して開催した。委員会として被災状況と課題、今後の対応策を取りまとめ、11月中旬以降に開催予定の県議会災害対策会議で報告することから、その前段として被災状況と対応状況を執行部から聴取した。

 議事に先立ち、県土木部の伊藤高部長は「台風19号で県内に大きな災害が発生し、特に土木部所管施設の被害が大きい。土木部は台風が上陸する前から体制をとり、河川課をはじめ土木部全体、さらには企業局からも応援を得て随時対応するとともに、県建設業協会やコンサルタント、測量など関係機関から全面的な協力を得て復旧作業を進めてきた。国からも多くの機材、さらにはTEC-FORCEや災害査定官など人的支援を得てきた」と状況と説明した。

 続けて「こうした緊急的な復旧作業では、初期の段階で躊躇せず機動的に人員や資材を投入することが大事であり、そのためには予算の裏付けを心配して対応が遅れることのないような環境づくりが必要」と訴え、土木企業委員会の委員の理解や県議会の後押しを求めた。さらに、復旧後の復興についても「大きな事業になる」として支援を求めた。

 また今回、国土交通省の本省からリエゾン(情報連絡員)として県庁に派遣されている水管理・国土保全局水資源部水資源計画課の光橋尚司総合水資源管理戦略室長を委員会に招き、国土交通省TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊)の活動状況について報告を受けた。

 今回の災害で国交省は、本県の県庁および4市にリエゾンを派遣するとともに、排水ポンプ車や路面清掃車といった機材を派遣。16日からは河川堤防の緊急復旧に向け、常陸太田市と常陸大宮市に対策本部車や待機支援車を派遣している。

 TEC-FORCE隊員は、全国の4地方整備局から延べ767人・日が派遣され、浸水地域の緊急排水といった応急対策をはじめ河川・道路の被災状況調査、高度な技術指導、被災施設の応急復旧、および被災現場との通信回線の確保や映像の配信などの活動に当たっていると報告を受けた。

 続いて、県土木部の各担当課長が県の施設の被災状況を報告。河川は国管理河川が6河川で堤防決壊6カ所と溢水8カ所の計14カ所、県管理河川も59河川・2砂防施設・3海岸・1ダムで堤防決壊6カ所をはじめ計135カ所で被害が発生した。国管理河川は堤防決壊1カ所の応急復旧が完了し、5カ所は応急復旧中。県管理河川も国直轄権限代行工事で2カ所の応急復旧が完了し、そのほか12カ所で応急復旧を行っている。本復旧については国の災害査定を受けた後、速やかに実施していくと説明を受けた。

 海岸は、大洗海岸から神栖海岸にかけて流木などが漂着している。現在は漂着物の量を調査中で、順次処分を行う予定と報告を受けた。

 道路は、県管理道路全体で107カ所で通行規制を行ったが、23日午後4時までに全て解除している。内訳は、雨量や強風などによる事前通行規制が12カ所、路面冠水が67カ所(うち河川増水によるもの58カ所)、倒木が11カ所、法面・路肩の崩壊が17カ所。路面陥没や法面崩壊など被害の大きい箇所については、今後の災害査定の後に復旧工事を実施すると説明を受けた。

 港湾は、茨城港の3港区で軽微な施設被害が7カ所発生したが、港湾の利用に支障となる被害は出ていない。日立港区は東防波堤の消波工の沈下、常陸那珂工区はF-II地区の前面護岸の捨て石の一部流失、大洗工区は沖防波堤の上部工パラペットおよび消波ブロックの欠損が発生し、この3カ所は現在、復旧に向けて国と協議を進めている。

 公園は、県営公園9公園で倒木などの被害があったが復旧作業が完了。下水道は県内8カ所の下水処理場や幹線管渠360kmを点検し、汚水処理に支障となる被害はなかった。また、被災した大子町、城里町、稲敷市、常陸大宮市の下水処理施設などの対応に支援を行っている。

 住宅は、被災者への県営住宅の提供で16日から23日に第一次公募を行い、108件の申し込みに対し100件の入居を決定。25日からは第二次公募を開始し、11月25日まで受け付ける。応急仮設住宅については、大子町で建設型応急住宅を計画していることから、速やかに供給できるよう建設用地の確保など準備を進めている。

 このほか、県建築士会や県建築士事務所協会の協力を得て、市町村と連携し無料相談会を実施していく。被災した公共施設の汚泥洗浄は、災害協定を締結している県塗装工業組合の協力で大子工務所や大子町役場の洗浄作業を実施したと報告を受けた。

 企業局の施設は、上水施設で水戸浄水場の取水ポンプ周辺が浸水したが被害はなく、工水施設も那珂川浄水場の電気設備を地上4m以上に設置したことなどで2施設の軽微な被害にとどまり、大きな影響はなかった。

 報告を受けた後、委員からは「今後の復旧や復興を進めていくうえで、さらに国土交通省や県土木部の体制強化、機能充実が必要になるのでは」との質問があり、伊藤部長は「これから本格復旧や復興の事業も実施していくことになり、県で実施するものや国の権限代行で施工するものについて協議していく。これに対応するため、県はもちろんのこと、国の体制強化についても国に要望していく」と答えた。

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