中丸川流域の対策加速 100mm/h安心プラン ひたちなか市に登録証伝達(国交省)

[2019/11/2 茨城版]
 国土交通省は10月31日、「100mm/h安心プラン」として9月20日に登録したひたちなか市の「中丸川流域における浸水被害軽減プラン」について、市に登録証を伝達した。ひたちなか市役所で行われた伝達式には、関東地方整備局の佐藤寿延河川部長と大谷明市長のほか、市とともに中丸川の整備を進める県土木部の伊藤高部長ら関係者が出席。今後は浸水被害の軽減に向けて、地域連携による取り組みを加速させていく。

 国交省では、短時間の局地的な大雨(ゲリラ豪雨)などによる浸水被害が近年多発している中、この対策として河川や下水道の整備などハード対策に加え、住民の避難行動を支援するためのソフト対策を一体的に実施する計画を「100mm/h安心プラン」として登録する制度を13年度に創設した。浸水被害の軽減を図るために実施する取り組みを定めたもので、登録されると交付金の重点配分や交付要件の緩和の対象となる。本県では、18年1月に水戸市の「桜川(沢渡川)流域における浸水被害軽減プラン」が登録を受けており、ひたちなか市は2カ所目となる。

 伝達式では、佐藤部長から大谷市長に登録証が手渡されたあと、大谷市長があいさつ。登録に向けた関係各位の協力に感謝した上で、登録のきっかけとなった中丸川流域の局地的豪雨による浸水被害に触れながら、「地域企業や市民と一緒に治水を行っていくことに大きな力を頂き、勇気を貰った」などと話し、さらなる治水対策を施していくことを誓った。「それには国交省や県の様々な協力や財政的支援が必要」と引き続き協力を求め、この地域が安全安心で、集中豪雨から守られる土地になるよう全力を尽くす決意を示した。

 佐藤部長は「実感として雨の降り方が大きく変わりつつある」として、ハードとソフトを一体的に整備する100mm/h安心プランの概要を紹介。今回の登録は治水対策や下水道施策の推進に向けた新たな一歩であり、「地域と連携しながら進めることがテーマ」だとして、このプランが着実に進められるよう、国交省としても支援していく意向を示した。また、伊藤土木部長は「中丸川流域整備など県事業を確実に実行していきたい」と抱負を述べた。

 ひたちなか市の中丸川(大川)流域では、近年多発する局地的豪雨で浸水被害が生じている。16年8月には、今回の登録を目指すきっかけにもなった最大時間雨量57mmという豪雨があり、中丸川流域内で床上浸水24戸、床下浸水149戸の被害が発生。これを受け、市では県や企業、自治会などと協力して対策を進めているほか、17年4月には、「豪雨から市民を守る緊急治水計画」を策定し、29年度までの計画で雨水対策を行っている。

 今回の主な取り組みでは、県が中丸川河道や中丸川多目的遊水地の整備を、市が大川河道など河川と雨水幹線や調整池などの整備を行うほか、流域対策として貯留浸透施設の整備(田彦小学校)を実施する。

 県による中丸川の整備は、全体計画6.4kmのうちこれまでに下流部の3.5kmが整備を完了(事業費ベースの進捗率54%)。今後は残る上流部と調整池整備を概ね10年間で進める予定で、前半で調整池整備を終え、並行して河川整備を行う。河川事業費は全体で44億円(市分18億円含む)を見込み、このうち調整池には約20億円を投じる。市では、既存の緊急治水計画に沿った整備を進めるほか、新たに下水道事業による高場流域の調整池の整備も追加した。主な事業のうち、高場雨水11号幹線や大島7号雨水幹線は本年度中に完了する見通しだという。

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