4社の計画を認定 本社機能移転補助金 県内に研究開発拠点など新設(県産業立地課)

[2019/11/14 茨城版]
 県産業立地課は7日、「本社機能移転強化促進補助金」などの通算第6回目の認定として、「ティエムファクトリ」と「大日精化工業」、「日本色材工業研究所」および「レゾナ」の4社の計画を認定した。ティエムファクトリは茨城中央工業団地に透明断熱材「SUFA」の研究商品開発拠点を新設し、大日精化工業は坂東インター工業団地に機能性印刷インキ・コーティング剤の研究部門を全面移転する。日本色材工業研究所は同社つくば工揚敷地内に化粧品・医薬部外品の開発・研究開発拠点を新設し、レゾナは古河市内に医療・介護分野でのAI利活用にかかる研究開発拠点を新設する計画。これら研究開発拠点の本県への立地を、県は補助金の支出などで支援する。

 認定書は、7日に都内で開催された「いばらき産業立地セミナーin東京」の交流会の冒頭、大井川和彦県知事からティエムファクトリの山地代表取締役など4社にそれぞれ手渡された。

 大井川知事は「いずれの計画も優良な雇用の場が増える立地案件であるとともに、将来的な産業集積も期待できるものと感じている。今後とも引き続き、新たな成長分野の企業をはじめ、さまざまな業種の企業の誘致に積極的に取り組んでいく」と話した。

 この補助金はAIやIoT、ロボット、次世代自動車など新たな成長分野の本社や本社機能、研究所などの誘致を図るため昨年度に創設した制度で、地方創生の大きな柱となる本社機能誘致を推進するため、全国でもトップクラスの補助率・補助上限額を設定している。

 補助対象は、新たな成長分野(AI・IoT・ロボット・次世代自動車)の研究所・本社機能などの県外からの移転で、移転人数は5人(研究所の場合は10人)以上。対象経費は施設整備投資に係る経費、雇用にかかる経費、および賃借料で、本年度からはリース料も補助対象に拡大している。この制度によって、これまでに計12件の移転立地が決定している。

 ティエムファクトリ(東京都港区、山地正洋代表取締役)は、世界初の超軽量透明断熱材「SUFA(スーファ)」など機能性材料の研究開発および製造販売を手掛け、資本金は1億円。今回はこの「SUFA」の量産化を加速させるため、茨城町の茨城中央工業団地に同社初となる自社研究開発拠点「茨城エアロゲルテクノロジーセンター」を建設する。ここでSUFAの量産開発に取り組むとともに、同社の研究開発および量産開発を統括する技術本部の機能をここに集約移転する。

 テクノロジーセンターは茨城中央工業団地の敷地面積4500平方mに、延床面積3205平方m程度で計画する。概算事業費は約20億円で、県はこのうち約1億9000万円を補助する見込み。稼働開始日は20年3月を予定する。

 大日精化工業(東京都中央区、高橋弘二代表取締役社長)は、無機・有機顔料および加工顔料、プラスチックや繊維用の着色剤、印刷インキ・コーティング剤および関連機材などの製造および販売を事業内容とし、資本金は100億3900万円。今回は印刷インキおよびコーティング剤の2部門の研究部門を集約し、坂東市の坂東インター工業団地に「大日精化坂東Lab」を創設する。

 この新工場ではパッケージ分野、紫外線・電子線硬化型コーティング剤の需要拡大に対応するため、効率の高い新設備、省人化設備の導入や適切な設備配置など、技術や生産面での効率アップを進める。敷地面積は約7万1200平方mで、工場はSRC造2階建て約1万8700平方m。概算事業費は約100億円を見込み、このうち県は約1億8000万円を補助する。整備は2期に分け、第1期は21年7月、第2期は22年10月の稼動開始を予定する。

 日本色材工業研究所(東京都港区、土谷康彦代表取締役)は、化粧品(医薬部外品を含む)の製造受託および研究開発受託を手掛ける企業で、資本金は7億円。中国など海外向けも含む化粧品・医薬部外品の高付加価値な新製品開発能力を強化するため、つくば市の筑波北部工業団地に立地するつくば工揚に、新たな開発・研究施設として「つくばイノベーションセンター」を創設する。概算事業費は約40億円で、このうち県は約1億7000万円の補助を見込んでおり、供用開始は20年6月を予定する。

 レゾナ(群馬県伊勢崎市、大川政利代表取締役)は、群馬県伊勢崎市で情報サービス業(ソフトウェア業)を営んでおり、今回は医療介護分野のICTシステムなどの開発を行うため、古河市内のオフィスビルに新たに「AI技術開発センター」を創設する。これに対し県は、IT関連企業等オフィス賃料補助金を活用してオフィス賃料の2分の1を補助する。供用開始は本年11月としている。

 今回認定した4社を含め、これまでに本社機能移転強化促進補助で13社、本社機能移転促進補助で1社、IT関連企業等賃料補助で2社の、計16社の研究開発拠点等の移転計画を認定した。これによる県内の雇用の創出効果は約1900人、総事業費は約660億円となるなど、大きな成果が現れてきている。

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