台風被害で緊急要望 県と懇談会を開催 来年度県政に要望書提出(地方自治4団体)

[2019/11/19 茨城版]
 県市長会(会長・山口伸樹笠間市長)、県市議会議長会(会長・安藏栄水戸市議会議長)、県町村会(会長・染谷森雄五霞町長)、県町村議会議長会(会長代理副会長・大内則夫東海村議会議長)で構成する地方自治4団体連絡会議(代表:山口伸樹県市長会長)は15日、県庁で20年度の県政要望に関する懇談会を開催した。このなかで連絡会議から大井川和彦県知事に、5分野11項目63件におよぶ20年度の県政に対する要望書を提出。これに加えて、台風15号と19号で被災した市町村に対する10項目の緊急要望も決定し、その実現に向けて県に特段の配慮を求めた。

 懇談会には、連絡会議側から構成する4団体の正副会長や顧問らが出席。県執行部側からは大井川知事と小野寺俊副知事、宇野善昌副知事が出席し、連絡会議からの要望に耳を傾けた。

 要望に先立ち山口会長はまず、台風15号、19号の被災に対する市町村への支援に感謝の意を表すとともに、いきいき茨城ゆめ国体の成功について「県と市町村がしっかりと連携をとったことも理由の1つ」と評価した。

 要望はまず、緊急要望について「台風15号、19号の豪雨被害を受けた市町村に対する要望であり、特に被災者の生活再建に対する支援、農林水産業・商工業への支援、さらにはJR水郡線の復旧を重点的に要望したい」と説明。20年度の県政に対する要望は「現下の市町村の最重要課題である」として実現に特段の配慮を求め、特に医師確保対策は「市町村単独では適切な医師の確保が著しく困難な状況」として早急な対策を強く求めた。

 要望の内容を見ると、緊急要望では台風15号と19号の甚大な被害に対して県の支援が不可欠だとして、被災住民の安全・安心な日常生活が一刻も早く取り戻せるよう、早期復旧に向けて緊急・臨時的な補正予算編成を含めて早急に適切な措置を講じるよう要望した。

 このうち被災者の生活再建では、被災者生活再建支援法の支援金の増額や適用範囲の拡大など制度の充実を国に働きかけるとともに、県でも適用範囲を拡大するよう要望。また、被災市町村が独自に支給した災害見舞金に対する財政支援を国に働きかけるとともに、県でも財政支援を図ることを求めた。

 被災した農林水産業や商工業は、生産施設や商業施設などの応急対策や復旧、事業再開に向けた特段の対策を国に働きかけるとともに、県でも必要な対策を講じるよう要望。商工業者や地域の医療施設に対しては、被災した工場・事業所の修繕、設備の復旧などを対象とした「中小企業等グループ施設等復旧整備補助事業」の適用など、被災中小企業の経営安定に向けて十分な支援措置を講じるよう国への働きかけを要望した。

 被災した河川や道路などの公共土木施設、医療施設および社会福祉施設などは、復旧を早急に行うとともに地方自治体の災害復旧事業に十分な支援を行うよう国に働きかけることや、県でも補助金の創設など必要な支援策を講じることを求めた。

 膨大な量が発生している災害廃棄物の処理は、被災市町村の処理事業に十分な財源措置を講じるとともに、人的支援を含め仮置き場やごみ焼却施設、最終処分場の確保、広域処理体制の整備などを国に支援を働きかけることや、県も必要な支援策を講じることを要望した。

 公共交通に対する支援では、JR水郡線の第6久慈川橋梁の再建をはじめ被災地域の公共交通に対して財政支援を図ることを要望。さらに、被災市町村の財政負担の急増に対処するため特別交付税による財政措置を講じることや、社会資本整備財源を十分かつ安定的に確保して災害に強い国土づくりを着実に進めること、各河川の治水安全度を高めるため河川改修の迅速化を図ることなどを国に働きかけるよう求めた。

 一方、20年度の県政に対しては▽県土の発展と豊かな生活を支える基盤整備▽生きがいとやすらぎに満ちた社会づくりと心豊かな人づくり▽豊かさとゆとりを実感できる安全快適な生活環境の整備▽魅力と活力ある地域産業の育成▽東日本大震災に係る原子力災害対策について──の5分野から11項目63件を要望。

 このうち「県土の発展と豊かな生活を支える基盤整備」では、鉄道網等の整備促進や高規格幹線道路等の整備促進、港湾等の整備促進、地域開発事業の整備促進を盛り込んだ。今回新規の要望は、土浦港で水辺景観の形成および利便性向上のためプレジャーボート泊地の再整備などを図ることと、常陸那珂国際港湾・海浜リゾートゾーンの観光振興と地域活性化に向けた関連計画との一体的な取り組みなどを盛り込んだ。

 また「豊かさとゆとりを実感できる安全快適な生活環境の整備」では、河川改修事業等の促進や環境保全対策の充実強化について要望し、新規では常陸川水門の柔軟運用による霞ヶ浦の水質改善および延方干拓南幹線用水路の河川格上げによる水辺環境整備の促進と、建設発生土による違法埋立てに法制度の整備を講じるよう国へ働きかけることを求めている。

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