事後審査(自己採点)方式を導入 来月10日起工分の総合評価から ICT施工技術の活用 受注者希望型に評価項目(県土木部)

[2019/11/27 茨城版]
 県土木部は26日、本年度の総合評価方式の実施方針で新たに事後審査方式(自己採点方式)を導入すると明らかにした。特別簡易型(I)と同(II)を対象に、入札参加者から入札書と自己採点表の提出を受けてそれをもとに仮の評価値を算定し、入札後に落札候補者の技術資料の内容を確認して落札者を決定する。これに伴い、低入札価格調査資料も開札の結果、調査基準価格を下回る額で入札した者のみが提出するよう変更になる。このほか、建設現場の生産性向上を図るため評価項目に「ICT施工技術の活用」を新設し、受注者希望型の工事でICT施工した場合に配点して一層の促進を図る。これらの取り扱いは、12月10日起工分の総合評価方式の一般競争入札から適用する。

 公共工事の発注に際し、企業の実績や技術力など価格以外の要素を含めて落札者を決定する「総合評価方式」について、県土木部は2005年度から順次試行の実施拡大を進め、18年度には717件の工事で実施している。

 これらの総合評価方式はいずれも、入札参加希望者から提出された全ての技術資料を審査した後、入札を行って落札者を決定している。しかしながら、実施件数の増加に伴って発注者の負担が増す一方となっていることから、審査事務の確実性と負担軽減を図るため、事後審査方式(自己採点方式)の導入に踏み切る。

 この方式は、入札参加者に技術資料とともに簡易技術資料(自己採点表)の提出を依頼し、この自己採点表と入札書から仮の評価値を算定して、入札後に仮の評価値1位の落札候補者について技術資料と自己採点表の内容を確認し、最終的な落札者を決定する。

 従来の事前審査方式(発注者採点方式)では、入札参加者から技術資料が提出されたあと審査委員会で技術資料の審査・評価を行い、その後に入札書の提出を受けて評価値の算出を行っていた。技術資料の審査には7日程度を要していたが、事後審査方式では落札候補者の技術資料のみ審査・評価するため、審査期間は3日程度となる見込み。入札後の審査となるため開札までの期間を短縮することが可能で、トータルでは入札公告日から落札者の決定までの期間がほぼ同等になると見込まれる。

 事後審査方式の留意点として、審査にあたり仮の評価値が最も高い者から順に技術資料の審査を行い、評価値の最も高い者が特定された時点でほかの評価値が低い者の技術資料は審査・評価を行わない。自己評点の根拠が技術資料から確認できない場合は、その評価項目の評価点は0点とする。

 技術資料から確認できる場合も、自己評点を過大評価している場合は下方修正され、その評価項目は本来の評価点となる。逆に自己評点を過小評価している場合は、その評価項目の評価点は上方修正されず自己評点どおりとなる。

 また、低入札価格調査制度の実施要領についても変更する。従来の事前審査方式では、予定価格の92%未満に相当する額で入札しようとする者には入札時に調査表の提出を求め、未提出の場合は入札を無効としていた。事後審査方式では開札の結果、調査基準価格を下回る額で入札したものに担当部局から調査表の提出を求め、技術資料の審査と並行して調査する。指定の期日までに調査表を提出しない場合は「失格」としたうえで、不誠実な行為とみなし指名停止措置をとる。

 自己採点表は、これまで入札参加者に提出を求めていた資料のうち「技術資料の提出について」と「評価点算定資料一覧表」の2種類を、事後審査方式の導入に伴い「自己採点表兼評価点算定資料一覧表」に統一する。これにより従前の様式は廃止して、事前審査方式でも今後は自己採点表を提出する。

 県検査指導課は当面、発注機関が発注に際してこれまでの事前審査方式と新たな事後審査方式のいずれかの審査方式を選択できるようにし、事後審査方式の実績を積み重ねて問題がなければ事後審査方式を本格導入することを想定している。

 ICT施工技術の活用では、地域の担い手となる地元建設業の中長期的な確保育成のため、建設現場の生産性向上の取り組みに積極的な企業をより評価することとし、特別簡易型(I)と同(II)、簡易型、標準型(いずれも県内型のみ)の評価項目に「ICT施工技術の活用」を新設する。

 評価項目は「企業の施工能力」に追加し、施工プロセスの▽3次元起工測量▽3次元設計データ作成▽ICT建設機械による施工▽3次元出来形管理等の施工管理▽3次元データの納品──を全てで活用(ICTの全面施工)した場合には2点、一部を活用(ICTの部分活用)した場合には1点を配点する。

 評価の対象となる工事は、総合評価方式の県内型のICT活用促進工事とし、県外型や県内外型は対象外。ICT活用促進工事は「土工」と「舗装工」のいずれも「受注者希望型」が対象となり、「発注者指定型」や「チャレンジいばらきI型」「同II型」といったICT施工を前提とした工事は対象としていない。

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