来年度から具体化図る 星野リゾート 偕楽園周辺の魅力向上構想(県観光物産課)

[2019/11/30 茨城版]
 県観光物産課はこのほど、星野リゾートから10月31日付けで提出された「偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上構想」を公表した。それによると、「都市観光なのにリゾート気分を味わえる地 水戸」をコンセプトに、主に首都圏在住者をターゲットとしたエリア内の施設の観光魅力向上策を提案している。県はこのあと、この提案を参考にしながら「偕楽園・歴史館エリア観光魅力向上プロジェクト・チーム」や「偕楽園魅力向上懇談会」、レイクサイドボウル跡地でのパークPFIによる民間活力導入を検討している水戸市といった関係者と協議して、部分的に実現可能なアイデアは早ければ20年度から具体化するなど、スピード感を持って取り組んでいく考えだ。

 県は、日本三名園の一つである偕楽園とその周辺エリアについて、歴史館や千波湖など本県を代表する観光資源があるにもかかわらず、梅まつり期間以外の観光誘客や近隣観光施設との接続性、滞在型コンテンツの不足など課題が多いことから、日本を代表する観光拠点を目指し民間企業のアイデアを盛り込んだ観光振興計画を策定する。

 計画の策定業務の事業者選定では、公募型プロポーザルを実施して県内外の7者から企画提案がなされ、審査会を経て6月3日に星野リゾート(長野県)と委託契約を締結していた。

 同社の提出した構想によると、水戸観光の課題として▽コト消費のイメージ不足▽象徴となる食がない▽魅力が点在▽広告主の不在▽キラーフォトがない──の5つを指摘する。

 そのうえで、「偕楽園本園と歴史館のエリア」「偕楽園拡張部エリア」「千波湖畔エリア」の3つのエリアのスポットや弘道館、水戸芸術館など今ある資源を磨き、活用して「コト消費」を促進する新たな仕掛けをつくることで、水戸観光の課題を解決するとしている。

 「偕楽園本園と歴史館のエリア」では、偕楽園本園で観梅時期以外も楽しめる通年魅力を訴求。県立歴史館は水戸藩時代を中心とした展示へのリニューアルと、館内外のオープンスペースの拡充を行うことで、茨城が誇る水戸の歴史を体感できるエリアを目指す。

 「偕楽園拡張部エリア」は、千波湖畔に点在していた駐車場を一カ所に集約し、BBQ/グランピング場なども整備する。子どもの遊び場も今までにない遊び場を目指し、地元住民を中心にちょっとした非日常を楽しめるエリアを目指す。

 「千波湖畔エリア」には、カフェやレストラン、土産物店、情報センター、ランニングステーション、サイクリングステーションなどを併設する観光拠点施設「MitoMix」をはじめ、ホテルやコワーキングスペースを配置し、「都市の中にある湖」のポテンシャルを活かしたリゾート気分が楽しめるエリアを目指す。

 さらに、これらの魅力整備を行ったとしても、現状の水戸観光のエリアは鉄路・道路や高低差によって分断されたままであることから、3つのエリアとさらには中心市街地をつなぐ1周1.5kmの円型ブリッジ「MitoLink」を新たに創ることを提案。

 このブリッジはエリアをつなぐことで回遊性を高めるほか、散策すること自体が今までにない圧倒的非日常な体験でコト消費の魅力の一つとなる。さらには、インパクトあるビジュアルが水戸のシンボルとなってSNSやメディアでの情報拡散・露出につながり、これ自体がキラーフォトにもなりうる。

 この提案を受け、大井川知事は「星野リゾートがこれまで培ってきたノウハウや民間企業ならではのダイナミックなアイデアが盛り込まれた提案をいただいた。一方、『MitoLink』をはじめ実現にはかなりハードルが高い内容も含まれており、すべての提案がそのまま実現できるものではない」としたうえで、「活用できるアイデアはスピード感を持って実現できるよう取り組んでいきたい」と話した。

 なお、水戸市は取得したレイクサイドボウル跡地の活用について、パークPFIによる民間活力導入を進めている。パークPFIは、飲食店や売店など収益のある公園施設の整備と運営を自ら行う民間事業者を公募で選定する制度。一般の公園利用者も利用できる園路や広場などを一体的に整備して、整備後は公園管理者の市に引き渡す。本年度はマーケットサウンディング調査を実施しており、ここで得た意見を参考に公募条件などの検討を進め、20年度に事業者の公募を予定する。

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