ジンベイザメ館を新設 大洗水族館 全体事業費に約130億円 リニューアルは近く工事発注(県生活文化課)

[2019/12/26 茨城版]
 県生活文化課はアクアワールド茨城県大洗水族館(大洗町磯浜町)に、新たにジンベイザメ館(仮称)を整備する。ジンベエザメを生涯飼育できる施設で、水量は8000トンと日本最大の室内水槽となる見込み。スケジュールは、20年度に基本・実施設計を策定して21年度から建設工事を開始し、22年度末の新館オープンを目指す。全体事業費は約130億円を見込んでいる。なお、夜間展示をはじめとする既存施設のリニューアルについては、このほど設計が完了したことから近く工事を発注する。

 県は「ひたちなか大洗リゾート構想」を策定し、県や地元ひたちなか市と大洗町、および関係団体が連携して「おしゃれで洗練されたリゾート」を目指している。この構想の中では、ラグジュアリーホテルの誘致やリゾートホテルの立地、ビーチバレーやビーチサッカー施設の整備などとともに、大洗水族館が集客のための中核施設に当たる。

 このため県は、サメの飼育種類数が日本一という特徴を生かし、さらにその強みを強化していくため、大洗水族館にジンベイザメ館を新たに整備する方針を決定した。抜群の集客力があるジンベエザメを展示することで、誘客促進とともに地域経済活性化を図る。

 ジンベエザメは熱帯・亜熱帯・温帯の表層海域に分布し、日本では千葉県沖でも捕獲が可能。捕獲時は4~6mが多く、全長10~12mにまで成長する。このジンベエザメを生涯飼育できる施設を、既存建物の南側の駐車場(約3.3ha)の中に新たに整備する。駐車場が減少するほか来場者の増加も見越して、立体駐車場の併設も検討する。

 建設位置も含めた詳細は、この後の基本設計・実施設計で検討する。スケジュールによると、20年度にジンベエザメ館の設計を策定するとともにジンベエザメの確保・畜養を行い、21年度から22年度にかけて地盤改良や本体工事を実施して22度末のオープンを目指す。

 大洗水族館のサメの飼育種類数は63種(約400匹)で日本一だが、新館の整備で「サメ」という強みをさらに強化する。また現在、ジンベエザメを展示するのは海遊館(大阪)、のとじま水族館(石川)、かごしま水族館(鹿児島)、美ら海水族館(沖縄)のいずれも西日本の4カ所であり、展示後は東日本で唯一のジンベエザメを展示する水族館というPRもできると考えている。

 なお、大洗水族館では現在、来場者に快適で質の高いサービスを提供するため、夜間も楽しめる水族館を基本コンセプトにリニューアルを実施する。設計は公募型プロポーザルで大建設計(本社・東京都)を選定し、18年度末から着手してこのほど完了した。

 リニューアルのコンセプトは、夜間に最大限の効果を発揮する展示とし、夜間観光の促進に寄与するものとする。普段見られない「夜」の生き物の生態を紹介し、特に通常照明の下では見えない生物発光現象を展示の中心とする。発光生物のほのかな光による幻想的ロマンチックな雰囲気を体感させ、SNSに掲載する写真映えも考慮する。

 展示対象は館内および屋外デッキとなり、▽深海ゾーンにおけるクラゲや発光・蛍光生物の展示▽屋外デッキでの飲食ゾーンの新設(ナイトラウンジ)──などを予定する。

 設計がまとまったことから、県は近くリニューアル工事を発注するよう準備を進めている。改修工事期間中も営業しながら部分的に閉鎖して工事を行う計画で、繰り越して20年度までの2カ年で実施する。本年度の当初予算には、工事費など7億円を確保している。

 水族館は02年3月21日に開館し、敷地面積5万7607平方mにSRC造5階建て(一部7階展望室)、延べ1万9853平方mの規模となる。展示水槽は65水槽(合計水量4140t)で、展示生物はサメやマンボウ、大洗の生物をはじめ、アザラシやペンギン、イルカなど約580種6万8000点。建物のほか、駐車場には大型バス20台と一般車両750台分を設けている。

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