安全対策の実施を追加 再処理施設の廃止措置計画 変更認可を申請(原子力機構)

[2020/1/11 茨城版]
 日本原子力研究開発機構はこのほど、原子力規制委員会へ核燃料サイクル工学研究所内に立地する再処理施設の廃止措置計画変更認可申請を行った。再処理施設の性能に係る技術基準に関する規則を踏まえた安全対策の実施内容を追加しており、主な内容は、▽安全上重要な施設および耐震重要施設の選定▽事故の選定▽再処理施設の性能に係る技術基準に関する規則を踏まえた安全対策の実施内容──の3点となる。

 安全上重要な施設および耐震重要施設に選定されたのは、廃止措置段階の内臓放射能量を踏まえた被ばく影響評価の結果から、高放射性廃液貯蔵場(HAW)、ガラス固化技術開発施設(TVF)、およびそれらの関連施設となる。事故の選定は、廃止措置段階で想定される重大事故として、HAWおよびTVFの貯槽での蒸発乾固に備える。

 再処理施設の性能に係る技術基準に関する規則を踏まえた安全対策の実施内容は、重大事故に対して可搬型の事故対処設備をHAWおよびTVFの建家内に配備し、自然水利からの取水で崩壊熱除去機能を維持するなどの事故対策を講じる。また、安全上重要な施設および耐震重要施設に選定された施設の安全機能を維持するため、耐震補強や竜巻防護などの安全対策を実施する。

 重大事故対策では、安全機能が喪失した場合に発生防止策、拡大防止策、影響緩和策で重大事故(高放射性廃液の蒸発乾固)の緩和に努める。発生防止策は、エンジン付きポンプから水を貯槽の冷却コイルへ供給して沸騰を防止する。拡大防止策は、エンジン付きポンプから貯槽へ直接水を供給して蒸発乾固を防止する。影響緩和策は、放射性の気体をフィルタなどで浄化して放出する。

 安全対策のためには、高放射性廃液を取り扱う施設などの安全機能を維持できるように地震、竜巻(飛来物対策)、火山(制御室の居住性確保)、火災、溢水に備えて工事を実施する。

 地震対策では高放射性廃液の移送配管を内蔵するトレンチの耐震補強(周辺地盤の改良)をはじめ、TVFの一部の冷却水配管や主排気筒および第二付属排気筒の耐震補強を行う。竜巻対策ではHAWやTVFの窓、扉などの建家開口部の閉止措置を行う。火山対策ではTVFへの外気取り込みと循環換気用可搬型ブロワ、換気ラインおよびフィルタの配備を行う。火災対策ではTVFの安全系の給電ケーブルへの耐火バリアの設置を行う。溢水対策ではTVFの配管の耐震補強、被水防止板の設置、蒸気漏えい防止のための遮断弁やカバーなどを設置する。

 再処理施設は東海村村松に立地する、原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムとウランを取り出す国内初の施設。1977年に運転を開始してから2007年に運転停止するまで、約1140tの再処理を行った。

 廃止措置計画書は14年9月に県と東海村に提出するとともに、原子力規制委員会に廃止措置計画認可を申請し、18年11月に変更認可申請していた。その後、県の原子力審議会や原子力安全対策委員会での審議を経て、廃止措置を安全かつ計画的に進めていく方針であることを確認した。

 この計画は、放射性物質を取り扱う施設について汚染された機器の撤去、建家の汚染除去などによる管理区域解除までの計画を取りまとめており、これらが終了するまでに約70年を必要としている。放射能レベルの高い液体状の放射性廃棄物に伴うリスクの早期低減(ガラス固化)を当面の最優先課題とし、これを安全・確実に進めるため、施設の高経年化対策と新規制基準を踏まえた安全性向上対策を重要事項としている。

 廃止措置に要する費用は施設解体費、放射性廃棄物処理費、放射性廃棄物処分費で約7700億円のほか、当面10年間の安全対策費などに約2170億円を試算している。

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