9件全て継続「妥当」 公共事業の再評価 早期の事業完了求める(県公共事業再評価委)

[2020/1/23 茨城版]
 県公共事業再評価委員会(委員長・井上拓也茨城大学人文社会科学部法律経済学科教授)は15日、県庁の庁議室で本年度の委員会を開き、TX沿線の土地区画整理事業や林道整備事業、地方道路整備事業、海岸保全施設整備事業、および街路事業のあわせて9事業の再評価を実施した。審議の結果、全ての事業について継続を「妥当」と判断。そのうえで、土地区画整理事業については県外からの移住者の受け皿となって県の人口増に資するよう取り組むこと、海岸保全施設整備事業には事業の早期完了に向けた努力を求めるとの、委員からの意見を添えた。

 土地区画整理事業では、島名・福田坪地区と上河原崎・中西地区の2事業を審議した。両地区とも完成年度は29年度までで変更はなく、島名・福田坪地区のみ事業費を変更。工事実績などを踏まえた工事費の精査、および借入金利の見直しで、42億6000万円減額し515億4700万円とする。

 島名・福田坪地区は施行面積242.9ha、都市計画道路は新都市中央通線ほか8路線の延長8758m、公園・緑地は9ha、宅地などの造成は167.8haで計画し、2000年度に採択された。進捗率は事業量ベースで72.1%、事業費ベースで67.9%となる。これまで幹線道路の整備とあわせて駅周辺や沿道街区などの宅地整備を進めてきたが、今後は事業完了に向け、地区辺縁部の宅地や道路などを事業計画に従い計画的に整備していく。

 また、上河原崎・中西地区は施行面積168.2ha、都市計画道路は真瀬今鹿島線ほか4路線の延長6844m、公園・緑地は9.7ha、宅地などの造成は122.6haで、同じく2000年度に採択された。これまでに事業量ベースで44%、事業費ベースで53%が進捗している。県は万博記念公園駅から近いエリアや商業施設用地を中心に整備を進めており、今後は残る宅地の整備とともに、圏央道スマートIC事業と歩調をあわせ、事業計画に従い計画的に整備していく。

 奥久慈グリーンライン林道整備事業は、構成する9路線のうち武生線が審議の対象となった。事業は延長1万0480m、幅員7~5mの林道開設と舗装で2019年度の完成を予定していたが、予算の制約のある中で施工地の地質が想定よりも硬く、施工工法を見直したものの作業効率が低下し、完成年度を4年遅らせて23年度の完了に変更する。事業費も、労務単価や現場管理費の高騰などで5億2600万円増の40億8200万円に変更。用地取得は完了していることから、今後は残延長1352mについて23年度の供用を目指し整備を進めていく。

 地方道路整備事業は、国道125号つくばバイパス、国道118号袋田バイパス、国道245号日立港区北拡幅、主要地方道野田牛久線の4件を審議した。これらはいずれも用地取得の難航で事業が長期化しており、今回は完成年度を延長するほか、日立港区北拡幅以外は事業費も増額する。

 つくばバイパスは19年度完成を予定していたが、用地取得の難航や大規模工場の移転補償などに期間を要することから事業期間を5年延長し、事業費も12億3300万円増の111億8300万円とする。これまでに約3.4kmを供用しており、本年度中にはバイパス部約1.7kmが全線暫定2車線で供用する見込み。今後は現道拡幅期間を整備して、早期に全線供用する。

 袋田バイパスも、用地取得の難航で4年延長して23年度の完成を目指し、事業費も橋梁の架設方法の変更などで33億円増の110億円とする。残る約1.3km区間は、JR跨線橋や北田気大橋(仮称)などの大型構造物を計画的に整備し、早期の全線供用を図る。

 日立港区北拡幅は、用地補償の着手が遅れたことや沿道の商業施設、工場など大型物件の移転に期間を要していることから、事業期間を7年延長して26年度完成に変更する。工区南側から大みか停車場線交差点までの用地買収を優先的に進めており、今後はまとまった用地を確保した箇所から工事を推進する。

 主要地方道野田牛久線の都市軸道路は、5年延長して26年度完成に変更し、事業費も建設資材や人件費の高騰で60億円増の692億円とする。優先的に小貝川渡河部の整備を進め、引き続き完成4車線の早期供用を図るとともに、利根川橋梁部についても千葉県と連携して早期に着手する。

 海岸保全施設整備事業の鹿島灘海岸侵食対策工事は、河川からの土砂供給の減少や沿岸開発の進行による沿岸流の変化など外的な要因の変化に応じた適切な手法で事業を進めており、完成予定は48年で変更は無い。ヘッドランドが完成している箇所で、着実に効果を上げている粗粒材養浜を進めていく方針だが、委員からはより一層事業の進捗を図るよう求める意見が出た。

 街路事業の都市計画道路中大野中河内線外1線は、酒門工区について整備区間を国道6号より東側の市道まで92m延長し、完成年度も4年延長して24年度に、事業費も3億円増やして40億円に変更する。県道中石崎水戸線より西側は用地取得が完了しているが、酒門六差路の交通負荷を考慮して、全区間を同時に供用するよう工事を進めていく。

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