那珂川・久慈川に855億円 関東地方整備局 緊急治水プロジェクト策定 那珂川に遊水地、久慈川に霞堤

[2020/2/4 茨城版]
 国土交通省関東地方整備局ではこのほど、台風19号で甚大な被害を受けた管内4水系(入間川、那珂川、久慈川、多摩川)ついて、関係機関が連携した緊急治水対策プロジェクトをとりまとめた。計画では19-24年度の5年間で4水系に計1364億円を投じ、河道掘削や堤防整備、遊水地整備などの治水対策を実施する。本県関係は、那珂川と久慈川に総額855億円(那珂川521億円、久慈川334億円)を投じる計画で、久慈川上流部の県管理区間(常陸太田市、常陸大宮市、大子町)では国が権限代行により河道掘削、堤防整備などの治水対策を進めていく。

 那珂川の緊急治水対策プロジェクトは「地域が連携し、多重防御治水により、社会経済被害の最小化最化を目指す」とし、▽多重防御治水の推進▽減災に向けた更なる取組の推進──の2点を主な取り組みとして進めていく。全体事業費は約521億円(災害復旧101億円、改良復旧420億円)で、目標には「台風19号洪水における本川からの越水防止」を掲げ、河道掘削や遊水地整備、堤防整備などを実施する計画だ。

 このうち、多重防御治水の推進(関東流治水システムの踏襲)では直轄ダムや遊水地がなく、主に河道で洪水を処理している現状について、今後は▽河道の流下能力の向上▽遊水・貯留機能の確保・向上▽土地利用・住まい方の工夫──を組み合わせた三位一体の対策を図る。

 河道の流下能力の向上では、約261万立方mの河道掘削をなどを行い、掘削土を使いながら約12・8kmの堤防整備を行う。遊水・貯留機能の確保・向上では、地形や現状の土地利用などを考慮した遊水地と霞堤(2カ所)を整備し、遊水地については外水(国管理河川・県管理河川など)、内水の両方に対応したハイブリッド型遊水地(仮称)を検討する。このほか、現存する霞堤の保全・有効活用や既存ダムの洪水調節機能の強化なども行う。土地利用・住まい方の工夫では、浸水想定区域の土地利用制限(災害危険区域の設定等)のほか、家屋移転と住宅の嵩上げ(土地利用一体型水防災事業、防災集団移転促進事業等)、高台整備などを盛り込んだ。

 久慈川の緊急治水対策プロジェクトでも、那珂川同様に▽多重防御治水の推進▽減災に向けた更なる取組の推進──の2つを掲げ、社会経済被害の最小化を目指す。全体事業費は約334億円(災害復旧63億円、改良復旧271億円)で、目標には「台風19号洪水における本川からの越水防止」を設定し、河道掘削や堤防、霞堤整備などを進めていく。

 多重防御治水の推進でも、那珂川同様に▽河道の流下能力の向上▽遊水・貯留機能の確保・向上▽土地利用・住まい方の工夫──を組み合わせた三位一体の対策を図る。河道の流下能力の向上では、約182万立方mの河道掘削などを行い、掘削土を使いながら約15・9kmの堤防整備を進める。遊水・貯留機能の確保・向上では、地形や現状の土地利用などを考慮した霞堤(3カ所)の整備や現存する霞堤の保全・有効活用、既存ダムの洪水調節機能の強化などを図る。土地利用・住まい方の工夫では、浸水想定区域の土地利用制限(災害危険区域の設定等)など那珂川同様のメニューを盛り込んだ。

 久慈川水系ではまた、久慈川上流部や浅川などの県管理区間について、国が権限代行により河道掘削、堤防整備などの治水対策を進めていく。全体事業費約334億円のうち、約165億円を県管理区間の災害復旧や改良復旧工事に充てる予定で、主な事業は常陸太田市内の浅川や常陸大宮市内の久慈川を対象に被災した堤防の復旧工事を行う。また、常陸大宮市から大子町までの久慈川上流部区間では堤防整備や河道掘削などを予定している。

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