原子力科学館のリニューアル 乃村工藝社で着手(茨城原子力協議会)

[2020/7/4 茨城版]
 茨城原子力協議会は6月29日、原子力科学館のリニューアル事業の初弾工となる「原子力科学館展示物等のリニューアル工事(第1期工事)」の入札を執行し、乃村工藝社(本社・東京都)が落札した。第1期工事は21年2月28日までの工期で施工するほか、リニューアル工事全体を20-24年度の5カ年で実施して、25年度のグランドオープンを目指す。

 原子力科学館は原子力や放射線の知識の普及啓発活動の拠点として、東海村村松地内に1977年に建設された。敷地内には2階建ての本館と平屋建ての別館があり、構造はいずれもRC造で、2棟をあわせた延べ面積は1818平方mとなる。これらの施設は完成から40年以上が経過して老朽化が進んでいるため、20年度からリニューアルに着手する。全体を第1期から第5期に分けて実施する予定で、総事業費には約3億円を見込む。

 本館1階は、円筒形のシアター空間や世界最大の霧箱などを設けるとともに、分かりやすい動線で理解しやすいゾーニングとする。2階は放射線・原子力に関わる研究者の展示スペースやライブラリー、科学館活動展示、多目的スペースなどの改修を行う。別館の展示室は、引き続き過去の原子力災害などをもとに地域の安全について理解を深めるための展示を行うほか、研修室への転用を図る。

 今回の第1期工事では、本館1階に原子力科学館のメッセージを伝える円筒形の「ガイダンスシアター」を整備し、ガイダンス映像で放射線や原子力とは何かを伝え、体感できる映像演出を実現する。また、第2期工事では1階部分の霧箱を新しく更新して施設の目玉とし、第3期・第4期工事では1階の残る部分の改修を行う。第5期工事では1階と2階、別館の研修室の整備を実施する予定だ。

 科学館は「日本で唯一の原子力科学館として、『放射線と原子力を自分事として考える』場」を提供している。東日本大震災を経て、原子力や放射線に対する県民の意識が変わってきており、リニューアルに際してはそのニーズに応えることを目指していく。

 メインターゲットには小学校高学年を設定し、▽エネルギーと放射線の基礎知識を伝える(科学する心を育む)▽放射線利用の最先端の研究開発を伝える(茨城の科学技術の現状を調べる)▽原子力に対する安全・防災対策を伝える(的確な行動を身につける)──を展示コンテンツのポイントとする考えだ。

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