酒門交差点立体化など 県土木部に土木関係の予算要望(水戸市)

[2020/7/17 茨城版]
 水戸市は13日、県庁で伊藤高土木部長に21年度の土木関係の予算に関する要望活動を行った。この日は秋葉宗志副市長をはじめ、建設部、都市計画部、下水道部の各部長が要望の内容を説明。要望は全23項目、このうち重点項目は12項目21事業で、内訳は建設部が5項目9事業、都市計画部が6項目11事業、下水道部が1項目1事業となる。昨年の災害を踏まえた河川整備をはじめ、県道や主要道路、千波湖周辺の一層の整備進捗を要望したほか、国道6号酒門立体交差の事業化についても国への働きかけを求めた。

 秋葉副市長は「大雨による九州の被害を見ると、土木行政の重要性を改めて認識した。水戸市も5月の臨時会、6月の定例会、7月の臨時会とコロナ一色ではあるが、生活基盤の整備は常日頃の地道な努力のもとに着実に進める必要がある」と話し、県と市が緊密に連携して事業に取り組むよう協力を求めた。

 要望内容は、まず建設部が河川改修事業の促進で、特に重点要望の田野川、沢渡川、石川川について説明した。昨年の台風で浸水被害の発生した田野川は、常磐道高架下の市道飯富153号線に架かる下田橋付近で、市道橋の橋梁改築を含めた河川改修や堤防整備を進めていることから、河川管理者の県と道路管理者の市との連携を求めた。

 沢渡川は、偕楽園公園付近の冠水の抜本的な解消に向けて「100mm/h安心プラン」による取り組みが進んでおり、捷水路の整備などで被害の軽減を図るよう要望。石川川は市が18年12月に調整池の整備を完了させており、引き続き県による下流側からの河川整備を要望した。

 国・県道の整備促進の要望は12路線15区間で、このうち重要要望路線の内原塩崎線、石岡城里線、長岡大洗線、小泉水戸線、下入野水戸線の5路線を説明。内原塩崎線、長岡大洗線、下入野水戸線は、夏の観光シーズンに観光客を水戸南ICへ誘導するのに不可欠な路線で、さらなる円滑な交通確保のため拡幅整備を要望した。

 このうち内原塩崎線は、事業中区間の先の大場小学校までの区間も、通学路であることから1日も早い整備を要望。石岡城里線は、バイパス区間の牛伏町工区の整備促進をはじめ、三野輪町工区の拡幅整備の早期事業化も要望した。小泉水戸線は東水戸道路まで事業を進めているが、東水戸道路から国道295号までの区間も含めて整備促進を要望した。

 主要道路の整備は、都市計画道路中大野中河内線を重点要望し、事業中の酒門工区の早期整備をはじめ、那珂川橋梁や千波西工区の事業化も検討を求めた。西原工区は、市が国道50号から県道赤塚場口労線までを松ヶ丘工区として実施しており、これに続いて県も事業化の検討を求めた。

 県庁舎関連道路は、米沢町交差点の南に大型商業施設がオープンしたことで交通量が増加傾向にあるとして、交通の円滑化のため都市計画道路県道南大通り線の未整備区間の早期事業化を要望。国道6号酒門交差点の立体化事業は、この6月に国・県・市で勉強会を開催して事業手法の検討が始まったことから、国の直轄事業ではあるものの、事業化に対して県の協力を求めた。

 都市計画部はまず、水戸市都市中枢地区都市構造再編集中支援事業で新市民会館周辺の道路をはじめ、協同病院へのバスの乗り入れに係る市道の拡幅整備にも国費獲得の支援を要望。内原駅周辺地区整備事業も21年度は国費約3.5億円を見込んでおり、金額が大きいことから国費獲得への支援を求めた。

 千波湖周辺地区整備事業は、偕楽園公園、千波公園について県と市で連携して整備を進めており、導水事業は19年度から都市再生整備計画事業に切り替えて、市から県に工事委託する形をとっている。また、レイクサイド跡地への駐車場切替工事とあわせ、市は黄門像エリアでのパークPFIを進めていくことから支援を求めた。千波湖、桜川等水辺空間整備は、来年度にも導水の供給が始まることに期待した。

 社会資本総合整備事業(都市公園事業)は、ガーデンツーリズムに組み込まれた植物公園や七ツ洞公園の整備に力を入れるとともに、(仮称)東部公園や大塚池公園、保和苑にも支援を求めた。国道50号上空通路は「23年4月の新市民会館オープンに何とか間に合うタイミングで国に事業化していただいた」と感謝し、引き続き支援を求めた。

 下水道部は21年度に、汚水管は市街化調整区域の投資効果の高い地区で幹線・枝線の工事を予定し、雨水管は冠水被害が発生している水戸駅南口周辺地区と渡里地区の国道123号北側の市道で管きょ工事を予定。改築事業は長寿命化計画からストックマネジメント計画へ移行するとともに、浄化センターの沈砂池設備改築や桜川第2ポンプ場の監視制御設備改築、総合地震対策計画に基づく緊急輸送道路での管きょ耐震化を実施していく計画を説明し、事業費確保に協力を求めた。

 これに対し、県土木部から事業の状況を説明。田野川の常磐道高架下は、今回の被害で地元の協力を得られることから事業を進めていく考えで、ほかにも何橋か架け替えや統合があるとして市にも協力を求めた。沢渡川は本年度から捷水路の設計に入ると報告し、石川川は石川堰の改築が本年度で完了する見通しを明らかにした。

 千波湖の導水事業は「繰越しになると思うが本年度に完了できる」と見通しを示し、「本格的な千波湖への導水を早急に実施したい」と話した。

 水戸市都市中枢地区都市構造再編集中支援事業と内原駅周辺地区整備事業は、昨年度まで都市再生整備計画だったが、本年度から都市構造再編集中支援事業として集中的に予算を配分して事業を進めていくことから、県も予算の確保を国に働き掛けていくと説明した。

 県道は、内原塩崎線が残り3kmのうちごみ処理場関連の交差点前後1.3kmを優先工区として整備を進めており、残る1.7kmも状況を見て着手する考え。長岡大洗線もごみ処理場関連で920mを事業化し、交差点は完了したことから、その前後の拡幅に向けて用地買収を進めていく。下入野水戸線は、南側の長岡大洗線と一連の区間となり、長岡大洗線の状況を見ながら整備を検討していく。

 石岡城里線は、牛伏町工区で現在は埋蔵文化財調査を進めており、早期に完成させる考え。三野輪町工区も、牛伏町工区の状況を見て事業化を検討するほか、南側の鯉渕工区も茨城中央工業団地関連のバイパス整備を、企業の進出状況も踏まえながら検討していく。小泉水戸線は、復興関連事業で本年度まで予算が付くことから、来年度までに工事を完了させる。

 都市計画道路中大野中河内線は、酒門工区で中泉水戸線までを開通するべく整備を進めており、6号周辺の用地買収も並行して進めていく。県庁南大通り線は、ビックデータを活用して交通量の推移を注視していくとともに、幅員も梅香下千波線から6号まで4車線が必要なのか、市と協議しながらベストな方法を検討していく。

 国道6号酒門町交差点の立体化は、6月29日の勉強会で新規事業化に向けが課題の抽出などを行っている。中でも大きいのは歩道橋の取り扱いと、如何に国に新規採択してもらうか。採択が厳しい状況の中、県や市で国にどのような手伝いができるか、調整して進めていく考えを示した。

 千波湖周辺地区は、西側の駐車場の整備や千波湖畔の整備、千波湖の水質浄化を進めている。本年度から都市構造再編集中支援事業に移行しており、来年度も予算を十分確保して円滑に事業が進むよう取り組んでいく。

 このほか、下水道事業や都市公園事業も予算の確保に努めていく考え。国道50号上空通路は、技術的な面などで課題があるが、実現に向けて頑張っていきたいと返答した。

 最後に伊藤部長は、「東日本台風の災害対応はこれから5~6年かかるが、九州や中部の状況を見ても地道にインフラ整備をしないと数年後に大変なことになると改めて感じており、着実にやっていきたい。国も骨太の方針に災害対応を改めて盛り込むようだが、県や水戸市など災害を受けた自治体が必要性を訴えないと世論が後押ししてくれない」として協力を呼び掛けた。

 また個別の事業に触れ、酒門町の交差点立体化の新規事業化は「21年度の新規事業化を目標としており、秋ごろから本格的に取り組んでいきたい」としたほか、「偕楽園は県と市が協力しないとまとまらない」として、引き続き連携して取り組む考えを示した。

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