河川改修を推進 県北地区調査 第3号橋は来年2月完了へ(県議会土木企業委)

[2020/7/29 茨城版]
 県議会土木企業委員会(鈴木将委員長)はこのほど、県北地区の県内調査を実施した。常陸大宮土木事務所や常陸太田工事事務所、高萩工事事務所、および茨城港湾事務所から事業の説明を受け、その進捗状況などを確認した。この中で県は、中丸川の多目的調節池で本年度は放流施設や河川の付替工事を実施し23年度の完了を目指すほか、都市計画道路鮎川停車場線の東工区もJR常磐線の前後区間の工事をこのほど発注したと報告。また国道293号常陸太田東バイパスの第3号橋(仮称)は、21年2月の上部工完了を目指すと説明した。

 現地調査はまず、19年9月に国土交通省の「100mm/h安心プラン」に登録された一級河川中丸川の改修事業を調査した。中丸川はひたちなか市街地の浸水被害軽減を図るため、1980年度から改修事業を進めている。全体計画は那珂川左岸合流点から昭和通りまでの延長6400mで、現在までに那珂川合流部から市道の道栄橋まで約3.6kmの改修工事が完了している。19年度末の進捗状況は59.6%で、本年度は排水樋管工事および用地買収を予定している。

 この上流部では、中丸川の治水安全度を向上するため、ひたちなか市の公園事業と併せて多目的調節池14.3ヘクタールも整備している。19年度から大規模河川特定事業として補助事業化され、整備を開始。本年度は放流施設や河川の付替工事を予定しており、完成後には放流施設や流路も整備する。工事期間は5年間を予定し、2023年度の完了を目指す。

 茨城港常陸那珂港区では、供用開始から間もなく22年となる現在の整備状況を調査した。北ふ頭地区は大型船舶に対応した水深14m岸壁が整備され、大型建設機械の輸出やコンテナ貨物の輸出入を行っている。また南ふ頭は、鉄くずの輸出に利用されている。

 中央ふ頭地区は、水深7.5mの耐震強化岸壁で北海道との定期航路が運航し、水深12mの耐震強化岸壁は自動車の輸出とクルーズ船に利用されている。D岸壁では水深12mの岸壁を建設中で、本年度内の完成を予定。D岸壁の背後の閉め切りの工事は、本年度から行う予定となっている。

 また、東京電力の灰処分場は面積約56ヘクタール、容量約1000万立方mで、埋立期間は本年度から39年度までの20年間を予定。埋立完了後は、ふ頭用地として港湾関連用地に利用する。さらに、19年度から浚渫土砂処分場を建設中で、21年度までに面積約20ヘクタール、受入容量約260万立方mの施設を建設する。

 都市計画道路鮎川停車場線(主要地方道日立常陸太田線)は、国道6号の諏訪五差路と国道245号を結び、将来的には6号日立バイパス(II期事業)とも接続する計画。全体延長は850m(幅員25m)で、交差する日立市道中央線から東側(東工区428m)と西側(西工区422m)に分けて整備している。このうち西工区は16年度から本格的な用地買収に着手し、用地の進捗率は84.6%。本年度も用地買収を進め、まとまったところから道路改良舗装工事を実施する。

 東工区はJR常磐線を函渠でアンダーパスし、その前後は擁壁を設けて市道や国道に接続する。用地買収はすべて完了しており、鉄道影響区間はJR東日本水戸支社に工事を委託して6月に完成した。その前後の残る工事もこのほど発注したところで、担当者は「22年度までに何とか完成させたい」と説明した。

 現地には日立市の小川春樹市長が駆けつけ、「この路線の整備で、市の長年の懸案である慢性的な交通渋滞の緩和をはじめ、南北を結ぶ新たな交通ネットワークが結ばれ、新たな発展に大いに寄与すると期待している」と述べ、早期完成に向けて支援を求めた。

 一級河川里川の河川災害復旧事業は、昨年の東日本台風で被災した箇所の復旧状況を視察した。里川は常陸太田市茅根町から里川町までの区間を常陸太田工事事務所が管理し、茅根町から久慈川合流点は国が管理している。下流から上流まで広範囲に被害が発生し、災害申請箇所全26カ所で10億7000万円の査定をうけた。このうち、6月末現在で河川構造物が完成しているのは10カ所で、施工中の箇所も早期の完成を目指している。

 今回視察した箇所は常陸太田市西河内下町地内で、増水により護岸の裏側が洗堀された。災害復旧の国庫負担を昨年12月に申請し、申請額の満額となる4743万3000円が査定で決定。工事は延長133.2mのコンクリートブロック積工などで、3月末に着工し6月末に完成している。

 国道293号常陸太田東バイパスは、常陸太田市中心部の渋滞緩和のため、1993年度から事業に着手した。全体延長約9kmのうち、2015年度までに常陸太田市大森町からはたそめ団地までの東側約4.8kmが完成。引き続き、残る区間のうち瑞龍町から増井町まで、国道349号から西側の約2.1km区間を優先的に整備しており、6月には国道349号から市道との交差点まで380mを供用している。

 今回は、その先に整備中の第3号橋(仮称)の施工状況を調査。この橋は橋長221m、幅員14.5m、6径間のPC橋で、高さは20m以上と規模の大きな橋梁となる。下部工は19年度に終了して、現在は上部工を施工中で、6月下旬から送り出し工法で桁を架けており、21年2月の上部工完了を目指す。

 現地を訪れた常陸太田市の大久保太一市長は、「この道路ができれば農業の活性化をはじめ、観光地へのアクセスも向上する」と委員に支援を求めるとともに、「はたそめ団地から日立市の山側道路に向かうトンネルの整備も進めていて、できるだけ早くこれを完成させたい」と話した。

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