流域全体で被害軽減 鬼怒川・小貝川治水協議会 整備局管内初の開催 年度内にプロジェクトを策定(下館河川事務所)

[2020/8/5 茨城版]
 国土交通省下館河川事務所(工藤美紀男所長)が事務局を務める鬼怒川・小貝川下流流域治水協議会の初会合が4日、筑西市内で開かれた。関東地方整備局管内で最初の開催となり、県や流域10市町の首長らがオンラインで参加して、流域全体でハード・ソフト一体の対策を進める流域地水プロジェクトの年度内策定に向けて協議を開始した。

 この協議会は、7月に開かれた国の防災・減災対策本部会議で取りまとめた「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」で、全国の各一級水系で国・都道府県・市町村などとの協議会を設置して検討するとされたことを受けて設置した。各河川ごとに「流域治水プロジェクト」を策定し、気候変動による今後の降雨量の増大と水害の激甚化・頻発化に備え、流域全体のあらゆる関係者が協働して、流域全体で水害を軽減する「流域治水」を計画的に推進する。

 鬼怒川・小貝川流域の協議会設置は関東整備局管内で初めてで、本県を対象とした下流域と栃木県を対象とした上流域に分けて協議を進めていく。最終的には鬼怒川と小貝川の各流域ごとに流域治水プロジェクトを策定するが、本県を対象とする下流域では、河川整備計画に基づく河川整備やダム建設、鬼怒川・小貝川下流域大規模氾濫に関する減災対策協議会の取組方針に基づく避難や水防などの取り組みを十分に共有するともに、被害の防止・軽減に向けた流域での対策を総合的に検討し、密接な連携体制を構築するための協議を行う。

 4日の初会合は午前中に下流域、午後に上流域の協議を行い、本県を対象とする鬼怒川・小貝川下流流域治水協議会には県河川課の林利家課長や流域10市町(結城市、龍ケ崎市、下妻市、常総市、取手市、つくば市、守谷市、筑西市、つくばみらい市、八千代町)の首長らが出席した。

 議事を前に工藤所長は、7月に九州などで発生した豪雨被害を例に「気候変動に伴う甚大なリスクが高まっている」と指摘し、こうしたリスクに備えるため流域内の関係者が協働してリスクを軽減させる流域治水への展開に向けて協議会を立ち上げると説明した。「流域内の対策を総合的に検討し、年度内にプロジェクトとしてまとめあげたい」と意欲を示し、より良いものをつくるため率直な意見を求めた。

 このあと議事に入り、流域治水プロジェクトの策定趣旨や、社会資本整備審議会による気候変動を踏まえた水害対策のあり方、協議会での実施事項と今後の進め方などについて説明した。このうち協議会の実施事項は、今後、流域治水の全体像を共有・検討した上で河川対策や流域対策、避難・水防対策などを含む「流域治水プロジェクト」を策定し、このプロジェクトに基づく対策とフォローアップを行っていく。減災対策協議会の取り組みも、プロジェクトのソフト対策として盛り込んでいく考えだ。

 参加者からは、県河川課の林課長が「県としても積極的に協力し、事業をしっかり推進していきたい」と述べ、県管理河川の整備とともに住民の避難につながるソフト対策を行うことで、防災減災の取り組みが一層進むことに期待した。

 龍ケ崎市の中山一生市長は「これまでとは違う雨の降り方がある」として、計画が広域で質のあるものになるよう期待したほか、自治体として情報の重要性を訴えた。下妻市の菊池博市長は、鬼怒川の堤防幅確保や樹木の伐採などを求め、「関係機関が連携し一体となって当たっていくことが必要」などと話した。

 このほか、常総市の神達岳志市長は「10年後、20年後を考える組織ができたと期待している」、取手市の藤井信吾市長は「気候変動がどのような影響を与えるか注視しながら対応していきたい」、筑西市の須藤茂市長は「協議会を通して連携し、鬼怒川・小貝川の治水対策を進めていくよう願っている」、つくばみらい市の小田川浩市長は「未来に向けた新しい川と地域づくりに、一体となって連携体制を構築することが有意義」などとそれぞれ話していた。

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