治水協議会が初会合 久慈川・那珂川流域 治水プロジェクトを策定(常陸河川国道)

[2020/9/3 茨城版]
 国土交通省常陸河川国道事務所(原田昌直所長)が事務局を務める久慈川・那珂川流域治水協議会の初会合が、8月31日に常陸河川国道事務所で開かれた。本県や栃木県をはじめ、両県の流域16市町村の首長らがオンラインで参加して、流域全体でハード・ソフト一体の対策を進める流域治水プロジェクトの年度内策定に向けた協議を開始した。

 この協議会は、7月に開かれた国の防災・減災対策本部会議で「総力戦で挑む防災・減災プロジェクト」に関する対策が取りまとめられ、、全国の各一級水系で国・都道府県・市町村などによる協議会を設置して検討するとされたことを受けて設置した。協議会は各河川ごとに「流域治水プロジェクト」を策定し、近年頻発する激甚な水害や気候変動による今後の降雨量の増大と水害の激甚化・頻発化に備えて、流域全体のあらゆる関係者が協働し、流域全体で水害を軽減させる「流域治水」を計画的に推進する。県内では鬼怒川・小貝川流域を皮切りに、利根川や霞ヶ浦流域などで協議会が設置されている。

 今回協議会を設置した久慈川と那珂川では、昨年の台風19号による被害を受け、直轄河川を中心に緊急治水対策プロジェクトを進めている。流域治水プロジェクトは、対象範囲を県管理河川も含めた流域全体に拡大し、河川整備計画や減災対策協議会の取り組みを共有しながら、水害軽減に向けた総合的な治水対策を進めていく。参加する自治体は、本県と栃木県、流域自治体(水戸市、日立市、常陸太田市、ひたちなか市、常陸大宮市、那珂市、茨城町、大洗町、城里町、東海村、大子町、大田原市、那須烏山市、茂木町、市貝町、那珂川町)となる。

 初会合には関係自治体がオンラインで参加し、原田所長は冒頭のあいさつで全国の一級水系で流域治水プロジェクトが策定されている経緯を説明。流域全体の関係者全員が協働し、▽氾濫をできるだけ防ぐ対策▽被害対象を減少させるための対策▽被害の軽減、早期復旧・復興のための対策──の3つの対策を総合的に進めるものであり、久慈川と那珂川の緊急治水対策プロジェクトはその先駆けとなるものと説明した。続けて「本年度も九州や東北で豪雨災害が発生しており、治水対策は待ったなしだ」と話して、プロジェクト策定への協力を呼びかけた。

 議事は流域治水プロジェクトの概要や、久慈川・那珂川流域治水協議会の設立主旨と協議の進め方、流域の対策事例などについて説明。協議会は今後、河川に関する対策、流域に関する対策、避難、水防などに関する対策を含む流域治水プロジェクトの策定に向けて9月中には中間とりまとめ案を示し、21年3月の公表を目指す。策定にあたっては今後、福島県矢祭町など上流部の自治体も加えていく方針だ。

 参加した構成自治体の首長はそれぞれ意見を述べ、一様に本プロジェクトへの賛同や期待感を示した。このうち、ひたちなか市の大谷明市長は100mm安心プランによる河川改修や雨水幹線整備の推進で連携していく意向を示したほか、常陸大宮市の鈴木定幸市長は流域治水の観点から進めることが防災意識の向上につながるとを期待し、川幅の拡幅や遊水池整備、川底の掘削などの計画的整備を求めた。

 那須烏山市の川俣純子市長は霞堤の計画など地域住民の意見を聞きながら進める決意を示し、市貝町の入野正明町長は事業推進に向けた予算確保や支援事業に期待を示して避難訓練への協力も求めた。那珂川町の福島泰夫町長は「実のある組織にむけて協力は惜しまない」と話し、那珂川と支川との接続部の整備も訴えた。

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