歩きたくなる空間へ 水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会 未来ビジョンを策定

[2020/09/19 茨城版]
 国土交通省で20年度に創設された「官民連携まちなか再生推進事業」を活用し、水戸のまちなかのシンボルである国道50号などの魅力向上を目的に設立された「水戸のまちなか大通り等魅力向上検討協議会」の第1回全体会議が10日、水戸市五軒町の水戸芸術館会議場で開かれた。協議会では大通りに裏通りも含めたエリアで居心地が良く歩きたくなる空間づくりを目指し、道路交通網の再編や空き店舗のリノベーションなども含め、エリアの未来ビジョンの策定や社会実験などに取り組んで行く。21年度までの2カ年でビジョンを策定する方針で、業務は9月中にもコンサルに委託する。

 この協議会は、16年6月に内閣府の認定を受けた「水戸市中心市街地活性化基本計画」の策定の際に、水戸市中心市街地活性化協議会が大通り(国道50号)の有効活用を検討する組織の立ち上げを水戸市に提案し、計画に盛り込まれたことに端を発する。

 その後、同年11月には都市再生推進法人「まちみとラボ」が設立され、この法人を中心として地方創生推進交付金を活用したまちなか再生を進める中で、大通りなどの魅力向上を目的として、本年4月に書面による設立総会をもって発足した。7月末には、国交省の「官民連携まちなか再生推進事業」の実施事業者に、全国36団体の1つとして選定されている。

 構成員は、行政機関として水戸市や国交省常陸河川国道事務所、県都市計画課など、民間事業者として地元の自治会や商工業団体、設計事務所、公共交通事業者、金融機関など、および専門人材や中間支援組織もあわせ、様々な分野の44機関が顔をそろえる。事務局は都市再生推進法人「まちみとラボ」と水戸商工会議所が担当し、会長には水戸市都市交通戦略会議の会長も務める茨城大学大学院理工学研究科の金利昭教授が就任した。

 協議会の活動内容は、国交省が20年度に創設した「官民連携まちなか再生推進事業」におけるエリアプラットフォームに位置づけ、エリアの将来像を明確にした未来ビジョンの策定と、そのビジョンを実現するための社会実験などに取り組んで行く。20-21年度の2カ年でビジョンを策定する方針で、20年度は素案をつくり、21年度は社会実験を絡ませて未来ビジョンをまとめる。順調にいけば、22年度以降にもこのビジョンを踏まえた具体的な事業に取り組むことを目標としている。

 議事ではまず、国交省の「官民連携まちなか再生推進事業」の概要と、協議会による国交省への事業提案の内容について説明した。協議会の提案によると、対象エリアは国道50号(大通り)を中心とする、水戸市中心市街地活性化基本計画の計画区域「都市中枢ゾーン」の約157haとする。

 ビジョンの策定の目的は、大通りだけでなく裏通りも含めたエリアを一体として捉えた厚みと回遊性のあるエリアづくりに向け、居心地が良く歩きたくなる空間づくりができるかをしっかりと検討し、ビジョンを官民で共有するとともに、さらには実現するための自立・自走型システムを構築する。

 エリアの将来像の方向性は、大通りと裏通りを「道路」から「居心地の良い場」に役割を転換するほか、平時と自然災害も含めた緊急時・有事の使い分け考慮したエリアづくりを目指す。また、中心市街地活性化基本計画では水戸駅周辺、南町周辺、泉町周辺、大工町周辺の4つの地区ごとに方向性を示していることから、ビジョンでもそれを踏まえたウォーカブル空間を目指す。

 将来像を実現するための施策には、▽道路空間の再編・転換▽多様な空間活用の推進▽魅力的な店づくりの推進▽プロモーション活動の実施──の4つを位置づけ、多様な主体が相互に連携しながら道路交通網の再編や公共空間などを活用した社会実験、空き店舗のリノベーション、ウェブサイトやパンフレットによる発信などに取り組んでいく。さらにはエリア内で収益を生み出す仕組みを検討して、これらの取り組みが自立・自走できるよう、協議会でシステムを構築していく。

 本年度の協議会の活動は、まず今回の全体会議で運営方針や活動方針、体制方針を定めたあと、直ちに魅力発信・デザイン検討委員会や「道路空間再編・交通」「空間利活用」「魅力ある店づくり」「裡ミトづくり」の4つの検討部会を編成して、未来ビジョン素案策定に着手する。11月ごろにも予定する第2回全体会議には素案を示して、21年3月の第3回全体会議で未来ビジョンを取りまとめる方針だ。

 なお、未来ビジョンの策定や社会実験は地元水戸市の関連業務実績のあるまちづくりコンサルタントに委託する予定で、参考見積もりを徴取したあと指名競争入札を行って、9月中にも委託契約の締結を目指す。

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