県で産業用地確保も 県議会魅力向上調査特別委 中間報告書を決定

[2020/10/10 茨城版]
 県議会の「魅力向上に関する調査特別委員会」(川津隆委員長)は、第3回定例会の会期中に第5回委員会を開催し、「県の魅力向上に関する諸方策の在り方」についての提言の内容を協議して中間報告書を決定した。この中で委員会は、コロナ禍の「危機」を「新たな成長機会」と捉えて県の魅力向上につなげることが重要であるとして、偕楽園の整備活用のさらなる検討やひたちなか大洗リゾート構想の推進、外国クルーズ船の受け入れ環境の整備、サイクリング環境の整備、市町村の工業団地開発計画の支援および県主導による産業用地確保などを盛り込み、県の新年度予算編成に反映させるよう求めている。

 中間報告書は、「コロナ禍の県民の不安を払拭し、将来にわたって夢や希望を描くことのできる県を実現するためには、本県の強みを最大限に活かし、魅力向上につなげることが重要である」として、「ポストコロナ時代の新たな成長に向けた基盤を着実につくり、この『危機』を『新たな成長機会』に変え、活路を切り開いていくことが肝要」と指摘。そのうえで「県はこの内容を真摯に受けとめ、予算編成や組織体制などに的確に反映し、効果ある施策を速やかに実施されたい」と提言している。

 重点的に取り組むべき事項には、「民間会社の調査結果等踏まえた取り組み」の中で県の魅力度が7年連続で47位となっていることを取り上げ、「否定的なランキングも、やるべきことを気付かせてくれるものとして前向きに考えるべき」や「これを大きく向上させることが使命であり、強い決意を持って『魅力度ナンバー1』を目指し、県の魅力の発掘と発信に積極的に取り組んでいく必要がある」と求めている。

 「地域資源や農産物のブランド化、魅力あるまちづくりの取り組み」では、偕楽園について「日本を代表する観光拠点として、歴史的魅力や特色を生かした県の魅力向上に生かすことが重要」とし、あわせて「偕楽園の周辺部(千波湖や周辺緑地)は日常の散策や健康づくりの場としても活用できるよう、県と市の連携のもと整備活用の在り方を検討し、誰もが安全で快適に利用できるようにしていく必要がある」としている。

 また、県フラワーパークは「入場者数の増加を日指して高い日標を掲げる必要があり、目標の達成にはリピーターの確保も不可欠。施設整備にとどまらず、年間を通して誘客力のある企画を行うなど、高付加価値化と誘客の多角化を促進する必要がある」と指摘。ひたちなか大洗リゾート構想はその推進に積極的に取り組んで県のさらなる魅力向上につなげるよう求め、インバウンドの取り込みは「外国クルーズ船の誘致や受け入れ環境の整備を進めるとともに、クルーズ船乗客に茨城を売り込むことも必要」などと提言している。

 日本一のサイクリングエリアの形成に向けては、ナショナルサイクルルートに指定された「つくば霞ヶ浦りんりんロード」の走行環境や受入環境などの整備の必要性を訴えている。具体的にはきめ細かなトイレの設置、距離標識の設置や花などのロケーション情報の増加、円滑なイベント開催が可能となるよう関係者間の調整などを挙げて、ハードとソフトの両面から総合的に取り組みを推進するよう求めた。また、国や市町村などで構成する推進協議会が主体となって計画を進めている「鬼怒・小貝リバーサイドルート」についても、県として積極的に計画推進に関与していく必要があるとしている。

 「国内外および県内に向けた魅力発信、愛郷心の醸成など」に関しては、企業誘致の取り組みとして「新たな成長分野の本社機能の移転促進により、力強い産業と雇用の創出を図ることが重要である」として、「企業が活動しやすい事業環境の整備や戦略的な企業誘致策の展開を進める必要がある」と指摘する。

 また、コロナ後の反転攻勢期における誘致活動の強化に向けて「市町村が主導する開発計画を支援する『未来産業基盤強化プロジェクト』を推進するとともに、より緊急性が高い場合には事業収支などを十分勘案したうえで、県が主導した産業用地の確保の検討も進める必要がある」と提言している。

 さらに「首都圏からTX沿線への企業移転を促進するため、誘致企業の受け皿となる情報通信などスペックの高いオフィスビルなどハード面での充実も検討する必要がある」とし、「大規模災害への備えや都内よりも維持管理費を低減できること、交通の便も良いことなど、移転のメリットをアピールして誘致していく必要がある」などと盛り込んでいる。

 この中間報告書は第3回定例会最終日の本会議で委員長から報告し、定例会終了後に議長から知事宛てに文書を送付して、新年度予算編成に反映するよう求める。また最終報告書は、今回出た意見も踏まえて12月の第7回委員会に案が提示され、審議のうえ第4回定例会に報告する見通し。

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