公共事業費は所要額を 県の来年度予算要求の基本方針 デジタル化を推進(県財政課)

[2020/10/13 茨城版]
 県はこのほど、21年度予算要求の基本方針を取りまとめて各部局長に通知した。大井川和彦知事となって4度目の通年予算編成となる今回は、引き続き県総合計画に基づく4つの新しいチャレンジを一体的に推進するとともに、ウィズコロナやアフターコロナを見据えてデジタル化にも積極的に取り組む予算とすることを目指す。要求限度額の設定方針は前年度から大きな変更は無く、引き続き要求上限のない「新しい茨城づくり特別枠」を用意して最優先課題に大胆な発想で施策を展開する。また公共事業費も所要額の要求を認め、昨年の水害からの早期復旧を図る。今回の予算編成から、業務の多くを各部局に移管しており、この方針を基に各部局で21年度予算編成作業を本格化させる。

 本県財政は、一時期の危機的な状況に比べると改善の傾向にあったが、急速な高齢化の進展などに伴う社会保障関係費などの義務的な経費の増や、公共施設などの更新・統廃合・長寿命化への対応などによる財政構造の硬直化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響による企業収益の減少などに伴う県税収入の大幅な減少が見込まれるなど、予断を許さない状況にある。

 一方で、新型コロナウイルス感染症対策の着実な実施はもとより、財政健全化とあわせ、コロナ禍の今こそ差別化を進めるチャンスと捉え、「活力があり、県民が日本一幸せな県」を実現するため、県総合計画に基づく4つの新しいチャレンジを一体的に推進し、本県を大きく飛躍させていくことが必要となる。

 このため、予算要求に際しては特に▽常識にとらわれず、新しい発想で施策を展開すること▽既存の施策についても、PDCAサイクルの観点から成果と課題を検証し、必要に応じて内容を見直すこと▽限りある財源を有効に活用するため、あらゆる施策の「選択と集中」の徹底を図ること▽ウィズコロナ、アフターコロナ時代において、新しい生活様式のもと、デジタル技術活用の流れが加速する社会構造の変化を前向きに捉え、デジタル化を推進しつつ生産性の向上を目指すこと──に重視して臨むよう、各部局長に通達した。

 21年度の要求限度額の設定方針は、重要政策等特別枠の「新しい茨城づくり特別枠」について21年度も内容を変えず、一般経費のうち政策実現に必要な新規事業や事業拡充の予算要求の上限を設けないことで、県庁全体から常識にとらわれない多くのアイデアが生まれるようにする。

 03年度から15年連続で実施してきたマイナス・シーリング(限度額)は、19年度、20年度に引き続き21年度も取り止めてゼロシーリングとする。義務的経費およびこれに準ずる経費は所要額の要求を認め、一般行政費や公共事業費以外の投資的経費はプラスマイナス0%となるよう設定。公共事業費についても、国補・県単ともに所要額の要求を認める。

 このほか、前回設けていた「歳入創出・歳出改革等推進特別枠」を廃止する代わりに、「事業レビュー特別枠」を復活する。今回から予算編成が大きく変わり、現場判断で事業の企画立案や予算編成・執行における自主性を拡大するため財政課が所管していた予算編成業務を各部の幹事課に移したことから、より施策の選択と集中を促すため事業の見直しによる削減額を要求額に加算できるようにする。

 なお、新型コロナウイルス感染症対策事業分については別枠を確保。その一方で、これまで別枠を確保していた東日本大震災および関東・東北豪雨関連事業分については、ほぼ事業が収束していることからこれを廃止している。東日本台風からの復旧・復興分は、公共事業の所要額要求を認めることで対応し、改めて別枠は設けない。

 留意事項として、部局長・課室長・チームリーダーの主導で横断的に抜本的な事務事業の見直しを行うことや、限られた財源・人員で的確に政策目標を達成するため既存の予算や組織を所与のものとせず、業務の簡素化や無駄の排除、手順の合理化などに徹底的に取り組むことを求める。

 また、部局間の連携を密にして「活力があり、県民が日本一幸せな県」を実現するための新しい4つのチャレンジとの整合を図ることや、庁内全体の予算編成業務の効率化を図るため、着実な業務執行が見込まれることを十分考慮したうえで責任ある、厳選された事業を要求する

 さらに、21年度は新型コロナウイルス感染症の影響による経済の落ち込みなどに伴い県財政状況の悪化が見込まれることから、必要な財源を確保するため、20年度予算に計上している事業についても改めて内容を精査し、経費抑制に努めることも通達した。

 このあと各部局の幹事課で予算編成作業を本格化させ、知事の査定を経て21年県議会第1回定例会前の内示会に新年度予算案を示する見通しだ。

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