歳出が93億円増加 19年度の市町村決算 ごみ処理施設整備などで 投資的経費は73億円減少(県市町村課)

[2020/10/14 茨城版]
 県市町村課がまとめた県内44市町村の19年度決算の概要によると、普通会計の決算規模は歳入総額が前年度比1.5%増の1兆2516億円、歳出総額が0.8%増の1兆1913億円と、歳入・歳出ともに前年度から増加した。歳入は国庫支出金や震災復興特別交付税の増加で、前年度から190億円増加。歳出も幼児教育・保育の無償化に伴う民生費の増加や、ごみ処理施設整備事業の増による衛生費の増加などで93億円の増となった。実質収支は全団体ともに黒字決算で、これは1975年度から45年連続となる。

 歳入は、18年度からの繰越金が139億円(22%)、合併特例債および臨時財政対策債が29億円(2.6%)それぞれ減少したものの、幼児教育・保育の無償化などで国庫支出金が123億円(7.4%)、ごみ処理施設整備などに係る震災復興特別交付税などで地方交付税が119億円(7%)増加したことで、全体としては1.5%増加している。

 歳出は、被災・老朽化した行政庁舎の整備事業の進捗などで総務費が187億円(11.1%)、道路整備や駅周辺整備事業の減などで土木費が70億円(4.9%)減少した一方で、民間保育施設等運営経費の増などで民生費が157億円(4%)、ごみ処理施設整備事業の増で衛生費が82億円(7%)増加しており、全体では0.8%増加した。

 歳出を性質別で見ると、投資的経費は行政庁舎建設事業の減などによる普通建設事業費の減が影響し、73億円(3.9%)の減少。一方、その他の経費はごみ処理施設整備事業に伴う補助費や台風被害の廃棄物処理費に伴う物件費が増加し、17億円(0.4%)増加した。普通建設事業費は5.5%減の1769億円で、内訳は補助事業費が6%減の757億円、単独事業費が5.2%減の982億円となる。

 東日本大震災関連事業費は316億円で、前年度から24%の減。被災した行政庁舎の建設事業の進捗や、東日本大震災復興交付金返還金の減などで総務費が減少し、全体として100億円の減となった。

 復旧・復興事業を除いた実質的な歳出は、道路整備や駅周辺整備事業の減などで土木費が減少した一方、民間保育施設等運営経費の増などで民生費が増加しており、全体は192億円(1.7%)増加して1兆1598億円となっている。

 県内44市町村の歳出決算額で、増加率が大きかったのは結城市(18.8%)、北茨城市(12.9%)、かすみがうら市(11.9%)など。結城市は市庁舎建設事業の増、北茨城市とかすみがうら市はごみ処理施設整備事業の増が影響した。

 逆に、減少率が大きいのは境町(マイナス19.1%)、潮来市(マイナス13.1%)、桜川市(マイナス9%)など。境町はふるさと納税関連事業の減、潮来市は東日本大震災復興交付金返還金の増、桜川市は病院事業負担金の減が主な要因となっている。

 財政構造の弾力性を示す経常収支比率は前年度より悪化し、県平均で0.7ポイント上昇して92.4%となった。これは、経常収支比率が上昇した団体数が33団体と、低下した団体数11団体を上回ったことによるもの。経常収支比率が90%を超える市町村は35団体となり、前年度から3団体増加した。

 地方債現在高は、学校施設整備やごみ処理施設整備事業の財源となる地方債の発行額が増加し、0.8%増の1兆1323億円と11年連続で増加。積立金現在高は、財政調整基金や特定目的基金などを取り崩したことで9%減少し、2898億円となっている。地方債や債務負担行為による実質的な将来の財政負担は、1.6%増の1兆0657億円となる。

 市町村地方公営企業の決算は、事業数が19年度末現在188事業で、前年度末から2事業減少している。内訳は、法適用企業が病院事業の終了と簡易水道および下水道の一部が法適化したことで14事業増加し83事業、法非適用企業が宅地造成の終了と簡易水道および下水道の一部が法適化したことで16事業減少して105事業となる。

 事業別に見ると、下水道事業(法適用+法非適用)が103事業と最も多く、次いで水道事業(簡易水道含む)43事業、宅地造成事業12事業の順。決算規模は2058億円で、前年度から133億円(6.1%)の減少した。収支額は事業全体で146億円の黒字で、前年度に比べ47億円(48%)増加している。

 想定企業会計や建設中の事業を除く収支状況は、黒字事業が175事業で前年度から4事業減、赤字事業が8事業で前年度から1事業減となる。黒字事業が全体の95.6%を占めるが、一般会計などからの基準外繰入金を差し引いた実質ベースで見ると、82事業(44.8%)が赤字となっている。

 建設投資額は599億円で、前年度に比べ83億円(12.2%)減少している。事業別に見ると下水道事業(法適用+法非適用)が296億円と最も多く、次いで水道事業(簡易水道含む)261億円、宅地造成事業37億円の順となる。なお、東日本大震災に係る18年度の災害復旧事業費は1400万円で、前年度に比べ3.4億円(94.8%)減少している。

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